2008年11月7日金曜日

池袋駅東口階段途中の奇跡(半径50㎝)


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22時すぎ、池袋駅東口のパルコ脇から地下構内へとつづく大きな階段のとちゅうで、わりとおっさんくさい風情を漂わせた青年ふたり(僕よりも年上ということはさすがになさそうだけれど、一杯やりながら子どもの写真を待ち受け画面で眺めていてもおかしくない年頃)が、トレーディングカードのコレクションを見せ合ってウフフとそれはそれは楽しそうにささやき声で談笑しているのです。なんだかキラキラしたカードをいっぱい持っていた。

何も大量の人が行き交う階段のとちゅう(しかも池袋だ)でやらなくたってよさそうなものだけど、それにしてもうれしそうな顔をしている。

大人になってから僕はあんなふうににやけたことがあるだろうか?抑えきれない喜びにうち震えながら、それをこぼしてしまわないように口元で噛みしめるようにして?

ましてそんな、おそらくは最上の喜びを誰かと分かち合うなんてことがあったろうか?


「こ、これ見て、これ」
「わ、う、うわぁ…」


というかんじで?

いい年をした男ふたりが雑踏にまぎれて「ウフフ」「エヘヘ」と微笑み合うさまはどう考えたってビジュアル的に赤信号なんだけど、そこには確かに、かげろうにも似たα波と幸福のオーラがゆらゆらとたちのぼっていたのであり、「なんだかいいものを見た」というまろやかなきもちを勝手にもらって家路についた木曜日でありました。生々しくもピチピチと跳ねるような幸せを目の当たりにした。

いま思い出したけど、喜びだけを抜き出して言うなら、カズタケさんが好物のウニをほおばるときの顔もそういえばあんな感じです。

でもそれを誰かと等しく分かち合うとなると途端にハードルが高くなるわけですね。うれしい気持ちを察してうれしくなる、という二次的なよろこびではいけません。感情のゆらめきが常にシンクロしていなければいけないのです。


「ウニだ…」
「ウニだね…」
「ウフフ」
「エヘヘ」
「お、お先にどうぞ」
「いえそんな!そ、そちらこそお先に」
「じゃ、じゃあせーのでいっしょに…」
「そ、そうだね、いっしょに」
「せーの」

パクリ


という具合に。
うあーもうすごいうらやましい!たのしそう!たのしそう!ずるい!



カズタケさん、ウニ友達っている?

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