ムール貝博士とは何か?


何はさておき
「三角バミューダの大脱走/paradise lost」(アルバム「詩人の刻印」収録)
「リップマン大災害/RIPman disaster」(アルバム「小数点花手鑑」収録)
を参照のこと。

・ムール貝博士はその昔、ホームメイドの爆弾を使って地球の1/3を派手に吹き飛ばしたことのある史上最悪の犯罪者であり、またこの大規模な破壊行為から推察されるように、何かを爆破して(クッキーみたいに)粉々にすることにかけては右に出る者のない権威中の権威でもあり、ついでにいうと水虫持ちでもあるのだが、誰よりもいけすかない人物であることをのぞけば、おおむね気さくな科学者である。

・なぜそんな危険人物が野放しになっているのかという疑問については、ゴルゴ13が暗殺依頼を断ったらしいという噂ひとつで事足りるだろう。真相がどうあれ噂が世界各国の要人に伝わった時点で博士は事実上の "Untouchable" になった。したがって、細心の注意を要する外交上デリケートな案件に関してはゴルゴ13を、細かいことはいいからパーッとやろうぜ的な案件にはムール貝博士を、というのが今では世界の不文律になっている。

・ムール貝博士は「愛」という概念を火薬にしか使わない。道ばたの花を愛でることもあるにはあるが、それは季節の変わり目に風邪を引いたときだけである。

・生物学的にひどく老いてはいるが、ある時点で細胞という細胞が一致団結してリストラを拒否したため、一時的に老化が差し止められている。争いの舞台はほどなくして法廷へと移されたものの、雇用者と被雇用者が同一人物ということもあり、裁判は遅々として進んでいない。結果としてたいへんな長生きである。

・また、善意と悪意をすだちかぼすくらいのちがいにしかおもわない、徹底した平等主義者である。

・ちなみに感謝と憎悪も夏みかん伊予柑くらいのちがいにしかおもっていないが、これは博士の破壊行為に対する一般的な反応として、どちらも仲良く同じように贈られてくるからである。

・ムール貝博士は孤独である。ただし本人がその意味を理解したことはかつて一度もないし、この先も金輪際ないだろう。ピス田がいるじゃないかとおもわれるかもしれないが、「いるから何だ」というのが助手たるわたしの見解である。

・博士の爆発に対する執着は信仰にとてもよく似ている。「宇宙だってきもち大きめの爆発から始まったじゃないか」というのは博士の有名なせりふのひとつである。

・ムール貝博士はただそう呼ばれているというだけのことであって、べつにムール貝の専門家ではない。「ムール貝」で検索して辿り着く人があまりに多いのでそろそろはっきりさせておかなくてはいけないとおもうが、ヨーロッパに生息する食用の二枚貝について書かれたページはここに1枚もない。ムール貝の語源を知って次の合コンに役立てたいのなら、図書館か水族館に行くべきである。

・ムール貝博士の視力は10.0である。

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