2007年11月30日金曜日

タミフルではありませんか?


Yahooで「タマフル」を検索すると、検索結果の上に「タミフルではありませんか?」とでるのです。余計なおせわだとおもうけど、そう言われるとタミフルだった気もしてくる。

 *

今日もJ-WAVEでかけてくれたんですってね。ワーイ!

しかもJoss Stoneの後…これはじつに興味深いことだよ、ワトソン君。

「何がです?」
「相変わらずぶさいくだな、ワトソン君。」
「何かのついでみたいにさらっと悪口言わないでくださいよ。」
「いいかね、こないだAngie Stone feat. Betty Wright の"Baby" と並んでかけてもらっただろう?」
「そうでしたっけ?」
「Betty Wrightといえば、60年代後半に14歳でデビューして今なお現役で活躍するマイアミ・ソウルの女帝だよ、エジソン君。しかもIQ170という天才だ」
「ワトソンです。」
「そんなことはどうでもいいんだ。ところでJoss Stoneのデビューアルバム、"The Soul Sessions"をプロデュースしたのは誰だか知っているかね?」
「どうでもよくないですよ!名前なんだから!」
「なんの話だ?」
「名前の話ですよ。」
「エジソンだろう?」
「ワトソンです。」
「いい名前じゃないか。」
「そうおもうなら間違えないでくださいよ。」
「名前の話はどうでもいいんだ。えーと」
「Joss Stoneですね。」
「ああそうそう、そのデビューアルバムをプロデュースしたのが、他でもないBetty Wrightなのだ!そして当の小林大吾はBetty Wrightが大好きときている。この選挙区には何か意図があるように見えはしないかね。」
「選挙区?」
「変換ミスくらい大目に見たまえ。」
「ああ、選曲ね。めんどくさい人だな。たまたまですよ。」
「だから君はぶさいくだというんだ。考えてもみたまえ、それでいてBetty Wright本人の曲はかかっていないんだ。」
「ぶさいくは関係ないでしょう。」
「にもかかわらず、Betty Wrightをにおわせるこの小憎らしい演出。偶然というにはあまりにもできすぎているよ、ワトソン君。」
「よかったですね。」
「もっと小躍りしたらどうだ?」
「よろこんでるのは小林大吾ひとりだけですよ。」

 *

そういうわけでひとり小躍りしているのです。ヤッホー!

2007年11月28日水曜日

ピアノは美しい打楽器か?


ノンビリお湯に浸かっていたら3日もたってしまいました。すっかり茹だってホカホカですみません。

とおもったらタイヘンな告知をわすれていた!

のんきに風呂上がりの描写してる場合じゃないのよ!
はやくカラダ拭いて!拭いて!

 *

30人という大所帯からなる超絶ハウス・オーケストラ、The Hundred Birdsの一員であり、フラインスピンレコーズを牽引するヒップホップ&ポエトリー&ホニャララバンドSUIKAのリーダーでもあるタケウチカズタケの初ソロアルバム、「UNDER THE WILLOW -PANDA-」の発売を記念して、12月2日、今度の日曜日ですね、僕らの根城Flying Books(渋谷)でリリースパーチーが行われます!

詳細はこちら

いち早くどころか二も三もはやく、みっちり濃縮された漆黒のカズタケ汁を味わうまたとない好機です。だって発売来年ですよ。「オレにとって2007年の1枚はタケウチカズタケだったね!」と言うためには、この機会を逃すと他にありません。来年買ったら言えないからね。

かっこよさはレザボア・ドッグス、楽しさはちんどん屋、聴けば死体もよみがえる未知の音楽体験をぜひあなたに!

 *

ちなみに(重要)
ここぞとばかりにアピールしておきますけどもこのアルバムで小林大吾は
1. 1曲ビートを提供しています。
2. アートワークすべてを手がけています。
3. CD帯のキャッチコピーまで考えました。

こうなるともはや自分の半分はタケウチカズタケでできているのではないかと、言い切れない気がしないでもないきらいがなきにしもあらずのお手伝いぶりです。僕が美女なら熱愛疑惑が持ち上がってもおかしくない。しかしこれは逆にここまで磨き上げられた美しいアルバムの評判を奈落の底へと突き落とすかもしれないという、非常に大きな危険性をはらんでいるので、あれ、なんだじゃあ書かないほうが身のためだったっぽいな。

まあいいや。

期待に沿えてなかったらゴメンね!
でももう、やっちゃったんだよね!
しのごの言わずにお聴きあそばせ!

 *

当のカズタケさんから電話がきました。
「あ、もしもし」
「どうしましたカズタケさん」
「ありがとうね、ジャケット」
「何をおっしゃるウサギさん」
「ほんま助かるわーまじで」
「いやタイヘンだったんですよ、まじで!」

※以下5分くらいタイヘンだったことの説明

「あーあー、なるほどな。イヤほんまありがとう」
「とりあえず目処ついてよかったです」
「あ、ほんでな、用件なんやけど」
「あれ、CDのことじゃないの?」
「ちゃうねんちゃうねん、いやそれもあるんやけど、それとは別にね、お願いちゅうか」
「なんですか?」
「日曜、出てくれへん?」

エ?

「あんな、リハんときにかるく、ユリイカ(饗宴/eureka)あるやん?あれやってみたら意外といい感じやってん。ほんならやろうや、っていう話にね」

というわけで日曜リリパ、なぜか小林大吾客演決定です。
ユリイカって…楽器で?しかもギター?え、リハなし…?

うえーどうなっても知らないよー

カラダ冷えた。

2007年11月25日日曜日

シチュエーション・フリーズドライ



ワハハ!「手漕ぎボート」がJ-WAVEのTOKIO HOT 100に入るなんて、いったい誰が予想したでしょう?




89位ですって。

今月は、マスターカードどころかアメックスのセンチュリオン(注1)をもってしても手に入れることのできない、うれしい驚きを山ほどもらって、おたおたしてばかりおります。多くの三ツ星レストランにまじって場末の屋台がランクインしたような、こういう希有な戸惑いってこの先どれくらい経験できるんだろう?

これ履歴書に書いとこう。「甲子園出場経験アリ」みたいな感じで「オヤ」と思ってもらえないかな。

上記のリンクから、投票すると来週もチャートにのこる可能性がゼロではないみたいなので、気が向いたらぽちっと投票してやってください。(「投票して」というようなことを自分が呼びかけるとはおもわなかったな!)

あれもこれもみんなのおかげで、昼も夜も夢をみているみたいだ。

 *

それにしても、驚きとか幸福感といった当事者の表情をふくめたその瞬間のシチュエーションをまるごと保存することができたらいいのに、と最近はすごくおもいます。たとえば土曜日はTBSラジオで古川さん(カレー好き)が小林大吾についてとても熱く語ってくれたわけですけれど、当初は10分くらいと言っていたのに、予定の時間を過ぎてもまだ話しつづけてくれたのです。他のコーナーを押してまで!結局20分くらいずっと小林大吾の話をしてるの。泣かずにいられる?

でもそれをただ録音しても意味がないんだ。コーナーの延長を決断した温かいスタッフの心意気とか、古川さん(原付所有)がものすごく一所懸命話してくれていることが伝わってきて、目頭がジューと熱くなったそのときの気持ちをぜんぶひっくるめて箱に入れておきたいんだよ!

しかしリスナーにはきのどくなことをした。(気がする、ある意味)

 *

ふくらみこそすれしぼむことのないこういう感謝の気持ちはしかし、今まさにここを読んでいるあなたにも同じように抱いているのです、もちろん!


聞き飽きたって?馬鹿だな、こっちはまだ言い足りないくらいなんだ!


注1:クレジットカードの最上位にランクする高級免罪符。通称ブラックカード。うどんが食べたくなったからといって四国までヘリを飛ばすような人々が持つらしい。

2007年11月24日土曜日

おそるべきくちびる

境内全体が雑多な飲み屋と化す、新宿花園神社の酉の市に行きました。何しろ酉の市なので、普段は歌舞伎町を大股で闊歩するブリンブリンでメイクマネーな殿方がみな一様に朗らかでたいへんよろしい。

 *

土曜日です。

土曜と言えばTBSラジオで21:30から絶賛放送中、ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフルですね。今日は小説「FREEDOM フットマークデイズ(2)」が好評発売中で、番組の構成作家もつとめる我らが古川さんの、職権乱用スペシャルなんですって。


情報量が多すぎてじぶんでも何を言ってるのかよくわからない。


ようするに小林大吾のことを番組で一瞬しゃべるからさ、ということのようなのですが、10分程度とはいえ古川さんがプロデューサーとして小林大吾のことを外に向けて語る、というのは僕にとってもすごく新鮮なシチュエーションなので、ニヤニヤしながらラジオに耳を傾けたい(「ニヤニヤしながら傍観する」というのは古川さんの得意なアクションのひとつです)。しかしだんだん他人事みたいな心持ちになってくるなあ。

僕の話はさておき、ラジオがほんとうにおもしろい、というかあの…耳を奪われすぎて何ひとつ手につかないので、逆にあんまり聞かないようにしているくらいの番組です。いちどはおためしあれ。夜のAMもよいですよ。しかし人ってこんなにしゃべれるんだ、とおもいました。おそるべきくちびるだ。

2007年11月22日木曜日

高まるはらまきの圧力

新聞の見出しに「はらまきの圧力、高まる一方」とあるのです。はらまきの圧力?

そんなにギュウギュウおなかを締めつけてどうするつもりなのか知らないけど、何しろ見出しなので、ひょっとしたら物理的な圧力じゃなくて、社会的圧力のことかもしれません。「健全たる男女はすべて、防寒性にすぐれた我が国の一大発明であるところのはらまきを常時着用し、よりいっそう腹部の保温につとめるべきである」みたいなね。ものものしくみえるけど、よく読むととてもいい話です。まあどのみちおかしなニュースではある。

いずれにしても腹巻というものはすべからく、適度なゆるさをキープしつづけるべきであるし、またそれがわたくしの切なる願いというわけなのであります。あれはだってあなた、かたちを変えた母性そのものですよ!そっと包みこんでくれる、あのゆるさにこそ慈愛を感じるのであって、故郷から遠く離れた土地で生きる昭和の男性がステテコとセットで身につけているのも、それなりの理由があってのことなのです。涙ナシには考えられない。

とおもったら「ばらまき」の見間違いでした。そうですか。政治ね。ぜんぜんおもしろくない。

しかし「ばらまき」という言葉もずいぶんやさぐれた響きがあって気持ちが良くないですね。僕が金ならばらまかれたくない。もっとやさしくしてほしい。

たとえば夜道で後ろから尾けてきた男に低い声で「ばらまかれたくなかったらおとなしくしろ」って言われたら、「何を?」なんて冷静に問い返せますか?むりでしょう?「それだけは勘弁してください」っておもうでしょう?ほとんど「殺す」と同義語ですよ!

 *

みまちがいで思い出した。



David Porter/Sweat & Love (LP)

僕これ最近までずっと「Sweet & Love」だと思っていたのです。ちょっと甘ったるい感がなくもないけれど、でもソウルですから。こってりでしっぽりも魅力の音楽ですから。アリ!アリ!とおもったらSweetじゃなくてSweatなんだよ。

汗…。

それはちょっとコッテリがすぎるのではないか。

それはとりあえず脇に置いておくとして(汗だけに)、このアルバムの白眉は B-1 Funny Money です。ヒップホップ好きには、Madlib と Talib Kweli のアルバム、"Liberation" に収められた"Funny Money" の元ネタといったらわかる?



Funny Money とはすなわち、「うさんくさいお金」のことです。今日の話にこれ以上うってつけの曲もないな。

2007年11月20日火曜日

鐘を81.3回鳴らせ

朝、マグカップを手に何気なくJ-WAVEをつけたとたんに自分の曲がしれっと流れてくれば、どうしたって飲みかけたお茶をブーと吹き出すことになるのです。もうかかることはあるまいとすっかり気を抜いていただけに、心臓にわるいことこの上ない。

感涙です。

何がうれしいと言って、こないだはJill Scottの次にかけてもらったのですね。どう考えてもたまたまなんだけれど、その流れがすごくうれしくてほくほくしていたら、今日はAngie Stoneの次で(しかも feat. マイアミの女傑Betty Wrightだ!)、気を失いそうになりました。身悶えする。

 *

しかししみじみしじみかあさりのみそしる(注1)、はじめて心底、売れてほしいとおもいました。あんまり考えたことないし、豆つぶみたいにちいさな規模ではあるけれど、それでも聴いてくれた人と輪を広げてくれた人に報いるいちばんの結果ってなんだと考えてみたら、売れること以外にないじゃないか。売れたら3枚目もつくれる!

そういうわけなので、えーととりあえず手始めに職場のラジオをぜんぶJ-WAVEにしてください。開拓者精神あふれる粋なラジオステーションです。鐘を81.3回鳴らそう。


カランカラン


注1:まったくもって感慨深いことであるなあ、というくらいの意味

2007年11月18日日曜日

古川耕という男(ダイジェスト版)


・日本語ラップご意見番(重鎮)
・アニメにもひとかどの見識アリ
・アーセナル好き
・カレー好き
・童顔
・TBSラジオの構成作家
・小説家
・原付所有
・妻帯者
・腹にあんころもちみたいな闇を隠し持っている


いちどはきちんと書きたいと思って書き始めたら、出会いからはじまってひどくドラマチックで膨大な量になってしまい、くたびれちゃったので箇条書きにしました。さんざん取り組んだあげくそれをまるごと削除するというのは、苦悩する陶芸家みたいでよいですね。数時間がちりになってしまったけれど、人生ってだいたいそういうものだ。

ともあれこれが、「詩人の刻印」のエグゼクチブプロジューサー(という名の産婆)をつとめた、古川耕のおおまかな人物像であります。その70%が知性、20%がメルヘン、のこりの10%がなんだかよくわからないもの(あんころもち含む)でできています。おおまかすぎてアレな感じもありますが、今日の記事でだいじなのはここです。

→・小説家

作者のフリーダムを奪いまくって完成に至った(本人談)という、怨念にまみれた渾身の二作目が完成しました。思春期まっただ中の少年少女には胸躍る壮大な冒険譚として、オトナには甘酸っぱい青春の呼び水として、売れるとてんぷらとかおごってもらえるかもしれないので、小林大吾の食生活向上のために、1巻とあわせてぜひぜひお買い求めください。

FREEDOM フットマークデイズ (2) 古川耕

カップヌードルのCMでおなじみ、大友克弘監修のアニメーションDVD、「FREEDOM」 のノベライズです。僕テレビをみない子なので、CMをみたことはないのですけど。あらためて考えるとものすごい大仕事してますね。

ライトノベルというと、コバルト文庫とか講談社X文庫とかフランス書院とか(まちがい)そういうのしか知らなかったので、20年ぶりくらいにライトノベルの棚をのぞいたらMF文庫とかHJ文庫とかGA文庫とかどいつもこいつも似たようなレーベルつくりやがってと辟易しながらアレコレ丹念に眺めてまわる、見ようによってはちょっと気の毒な人にも見えるわたくし。

 *

ちなみにTBSラジオで土曜日21:30から絶賛放送中、「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル(略称:タマフル)」では、途切れることなくくりだされるトークの後ろで乾いた笑い声が聞こえますが、それが古川さんです。

 *

この人がいなかったら「詩人の刻印」は100%生まれなかったというとてもだいじなことを書きたかったのだけれど、文章をずいぶん減らしてもまだ書きたいことが多すぎるのです。あんまりかまってもらえないけれど、出会えてよかったと僕が心から思える、数少ない人物のひとりとだけ、ここには記しておきます。

2007年11月16日金曜日

局所的ドーピング(または発光する糖尿病)

毛がね。

こう、あるでしょう?本来は産毛が、整えられた芝生のようにふさふさと広がる土地で1本だけピョンととびでた、協調性のかけらも感じられないアイツでございますよ。出てる杭なら打てるけど、なにしろやわらかい毛であるからして、打ってもピロンとして手ごたえもない。しかもそういうのって実社会なら明らかに100パーセント疎まれるはずなのに、ことこの毛に関しては思いのほか宿主の寵愛と手厚い庇護をうけていたりするから、解せない話です。

むろんその気持ちは僕にもわかります。僕だってさわやかな秋晴れの下、アイツがそよそよ風になびいたりするとさすがにちょっとうれしいとおもう。ういやつじゃとおもう。でもですね。ことあるごとに毛の先が眼球にふれるとなると話は別だ。

なんかもうしょっちゅう目にゴミが入るとおもったら、またおまえか!眉毛のくせに4センチ近くのびるなんて、いったいどういうわけなんだ?互いに譲らぬ押し問答をくりかえしたあげく、1年くらいまえに突如ぷつんと消息を絶ったのはおまえじゃなかったか?気がついたらどこにもいなかったじゃないか。それが何食わぬ顔で知らぬ間に再びにょきにょき伸びてきて、挨拶もなしに眼球をさわるなんて、いくらなんでもそんな失礼な話ってない。「あの、よろしいでしょうか」くらいの間を置くならまだしも、事前予告なしにピタンと眼球にふれられてごらんなさい、誰だってギャーと鳴かずにはいられますまい。だいたいうすっぺらい皮膚のどこに、こんな長い毛がかくれていたのだ。どこから伸びてきてるんだ。髪の毛と裏で手を結んでるんじゃないだろうな。つながってるのか。どの毛だ。どの毛とつながってるんだ。え?どうなんだ!裏で糸を、というか毛を引いてるのはだれなんだ!

そういうようなことをこうしてコリコリ書いている間にも、アイツはまた眼球をさわりにくるのです。セクハラじゃないのコレ?相手が眉毛だろうと、容赦はしないよ!出るとこ出るよ!

 *

そういえば昨日はいつも赤い東京タワーが青かったので、これはきっと素敵な意味がこめられているにちがいないとおもったら「世界糖尿病デー」のためですって。めでたくは…ないよな。前向きでは…あるよな。しかし込められた意味を知った今、あれを眺めてどういう気持ちになったらいいのだこれは?

 *

古書関連のちいさな目録をひたすらもくもくとつくっています。(つくらされています)(馬車馬のように、働かされています)詩人の刻印ぜんぜん関係ない。でも可愛いのができそうなので、できたらお見せしますね。8,000,000の…いくつだっけ?ほぼ1日限定の配布なので、手に入れるのはむずかしいかもしれないけれど。

 *

どうでもいい話ばっかり。

2007年11月13日火曜日

声のタギング、耳をすますグラフィティ


意気込んで出かけていったら次が最終号ですという(あれ?)TOKYO READING PRESS の企画で、山崎円城さんと対談させてもらいました。対談ていうか好き勝手しゃべくってただけですが、しかし正直なところ、僕も山崎さんもポエトリーシーンの動向をまるでわかっちゃいないので、意に沿うお話ができたかどうかはひじょうに疑わしい。あと、今思い返すと質問をずいぶん曲げて答えていた気がする。わざとじゃないんだけど。(Bygones!)

ところで山崎円城さんというのはF.I.B JOURNALというバンドで超ドープなジャズ/ブルースを下敷きにリーディングをする、独特のスタイルをお持ちの才人です。これはでもあくまでバンドのヴォーカルという位置づけであって、お話しするかぎりでは詩人というよりはたぶんミュージシャンと呼ぶほうがよりしっくりくるとおもう。てくてくと柵の内側で闊歩していたとおもったら次の瞬間には数キロ先の路上で昼寝しているような、音に対する言葉の置き方、ステップが緩急自在で惹きつけられるものがあります。押韻や反復という制約が魅力のひとつでもあるラップとも、制約と言える制約がほぼゼロに近いリーディングともちがう…というと僕だってまあその範疇に入りそうだし、どのみち異端である点は同じだけども、僕はまだあんなふうに言葉で自在なステップを踏むことはできないです。歌詞のほとんどすべてが英語、ということもあるかもしれない。それにじぶんの声を楽器と見なしているみたいなので、パンチラインとかフレーズみたいな言葉それ自体よりは、声のタギングとでもいうような「行為」に重きを置いている感があります。だから耳に残るのも線ではなく点です。じっさいタギングが原点と言っていたから、それがそのまま別の輪郭を伴っただけなのですね。そんな歩みかたもあるんだ!

それにしてもCDで聴くドスのきいた太い声とは真逆の、ホットミルクみたいにまろやかな物腰と人懐っこい笑顔が素敵で、ホントに同一人物かどうか未だに確信が持てないくらいのギャップにびっくりです。あんな大人になりたかったけれど、さすがにちょっともう無理だな。

対談が終わったその日のうちに丁寧なメールをいただいて、あわてました。僕はぼんやりしすぎていつも礼を失する。

TOKYO READING PRESSの村田さん、呼んでくれてどうもありがとう。たのしかった!

で、肝心の対談が掲載されるTOKYO READING PRESSの最新号がいつ発行されるかというと、僕も知らないのです。ききそびれた。

2007年11月11日日曜日

15年前に消えた船長の行方



15年くらい前に描いたもののようです。身辺整理をしていたら出てきたのだけれど、よく見たらこれ前回の記事とつながってていいですね。何をどうするとこんなことを考えつくのか、われながらさっぱりわからない。

でも「1/8,000,000」と「詩人の刻印」、どっちがよりルーツに近いか、これでよくわかります。僕は基本的に物持ちがあんまり良くないので、じぶんにとっても貴重です。へー!と他人事みたいにおもう。なんかあんまり変わってない気もする。

ちなみに渋谷の異端古書店Flying Booksの店主は、中学のときに買った変速ギアつき自転車(流行りましたね)で今もばりばり通勤している、ひじょうに物持ちの良い男です。リュックしょってキャップを後ろにかぶり、小学生みたくさわやかにチャリをこいで帰る店主の後ろ姿をみると、イラッとくるものがあるのはなぜだろう。

2007年11月8日木曜日

しずかな船出、夜夜中の航路

プカプカドンドン。100円を拾いました。お金を拾ったこと以上に、いつもつれない運命の女神(ツンデレ)がうっかり浮かべた微笑を目にしたようで、うれしいというか胸キュンというか単細胞でごめんなさい。

葉っぱの色づく、おだやかな季節になってきましたね。気持ちのよい秋晴れがつづいて、今日もねむたい。

毎回ここの、右上にぽこっと載せる写真になやむのです。なくてもいいけど、あるとホラ、画面が華やかになるでしょう?なんだっていいから撮りゃいいようなものだけれど、デジカメは持ってないし、わかってます、みんなケータイで撮ってるんでしょ。でもね、僕のケータイはアンテナという太古の部品がついていてですね、指でピヨンて伸ばすあの…え、なに今のケータイってアンテナついてないの?マジで?ちょ、みせて、うわっホントだ!ねえねえ(他の人のところへ行く)、ケータイさ、あっこっちもない!ていうか、え?みんなついてないじゃないか!イヤー!恥ずかしい!おじちゃん恥ずかしい!

アンテナ関係ないじゃないとお思いですか、つまりそれくらい古いということはですね、写真を撮ってもメールで送信できるのはサムネイルだけなのです。せっかくみんなが写真を送ってくれても、自動的にサムネイルにされてしまうので、ちっこくて結局何だかよくわからないことが多い。だって、親指の爪ですよ。ちっこすぎる。

そういうわけなので今日は画像はありません。僕がいちばんしょんぼりです。さみしい。あとで貼りつけるかもしれないですけれど。それよりとっとと更新したほうがいいに決まってら。

 *

それはそうと、きのうは発売日でした。めでたい!もともとドカンと広がるタイプのモノでもないので、なんというか、ゆったりとした新たな船出です。なかなか乗り心地の良い快適な船がつくれたとおもうんだけれど、みんな乗ってくれるかしら。2年半も前につくった小船も、転覆せずにいまだゆらゆらと大海原を漂っているようです。すごいな!

待っていてくれた人、聴いてくれた人、買ってくれた人、ありがとう。ひとりではいくら手を伸ばしても届かなかった距離が、あなたと手をつなぐことで届くようになりました。

詩人の刻印から船に乗った人も、イカダとみまがう小船から乗ってくれている人も、またもうしばらく、お付き合いくださいませ。ありがとう。

じゃ、参りましょうか。船長はどこだ?

2007年11月6日火曜日

電波と鼻水


風邪をひいたもようです。

どうもきのう、何かちがうことを書こうとしていた気がしていたのです。だいじなことをけむに巻いているつもりはないけれど、僕自身がけむに巻かれていてどうにもならない。鼻をかむと記憶が鼻水といっしょに出てっちゃうんだから、しかたないよな。

7日の昼、SHIBUYA-FM (78.4MHz)にでます。ラジオです。へー!
SHIBUYA VILLAGE VOICE  11:00〜12:00

何をしゃべるのかとか、詳細を僕は一切知りません。レーベルオーナーから聞いたのかもしれないけれど、例によってすっぽり忘れています。覚えているのは、シブヤエフエムに出る、ということだけです。

たぶん、というかほぼ100パーセント、詩人の刻印のプロモということだとは思うのだけれど、何せ「生活情報番組」と銘打たれているので、そのへんは甚だ心もとないものがあります。生活情報番組

Q. すきな家事はなんですか?
A. 掃除です。

しかしこういうの、ブログっぽくていいですね。これだ!僕が求めていたものはこれだ!あれこれ忘れてる場合じゃないな。風邪をひいてる場合でもない。

2007年11月5日月曜日

よりによってなぜこのオランダ語が


さて、おのおのがた、肝に命じておりましょうな、いよいよ明日は発売日であるからして、ひまつぶしにここをななめ読みする御仁はつとめて背筋をのばし、まだお持ちでないならば小銭をひいふうと数え、詩人の刻印がありそうなところへ駆けつけて「1枚ください」と注文するここが天下分け目の

明後日だった!

まあそういうわけなので、明日ではありません。書いてるとちゅうまで明日だとおもってました。発売は7日、水曜日です。

ところでもう2週間ちかくも前の話なので、僕自身すっかりわすれておりましたが、「年賀状キャンペーン」が明日まで有効です。さすがにもう来ないかとおもっていたら、駆けこみでいくつかやってきたので、消さないでいてよかった。

あたたかいメールをくれたひと、ありがとう!ちゃんと送ります。正月を待て!

 *

わかっております、毎度毎度役に立たない長文を書き散らして、だいじなことはけむにまく、いや何をおっしゃる、今日は冬に役立つすてきな知識をさくっとお教えしましょう。

日に日にさむさが増し、秋から冬へと季節深まりゆく今日このごろ、わたくしも先日はやばやと鍋をごちそうになり、心と体を芯からあたためてもらったのですけれど、鍋といえばポン酢です。

しかし、いいですか、「ポン酢」ってアレじつは、日本語ではないんですって。

えー!

あれはオランダ語で「柑橘類」を意味するponsが転じた外来語であって、「ぽん」という何かちょっとこう、丸いんだろうなたぶん、とそれまでぼんやり想像していた得体の知れないものの存在を、全否定するくらいはっきりとした意味があったのです。

そこから派生した単語は他に、「ポンジュース」「フルーツポンチ」などがあります。長年ばらばらに首をかしげていた、いくつかのちいさな謎がシンプルな1本の線で結ばれるこの驚き!

なんでまたこんなに浸透してるんだこのオランダ語は?

2007年11月2日金曜日

アラ、あなた初めて?


店舗ディスプレイ用のPOPをこりこり書いています。1枚1枚、ぜんぶちがうことを書こう!とおもったらすごくたいへんで、なんでかおなかが空いてきました。それでなくともPOPはどれも商品の魅力をだいたい100割増しくらいで書くものだし、「天才」とか「衝撃」とか「金字塔」とか「くそヤバい」とか「オリジナル」とか考えうるかぎりすべての賛辞(?)が石ころみたいにごろごろ転がっているので、なるべく石ころの中に紙くずを置くような文言を書きたいのです。おかげで良くも悪くもいびつなものがいろいろできました。のこるはあと半分…。使ってもらえるといいなあ。

でもたのしい。こういうコミュニケーションて、なかなかとれないですよね。

あなたの町で見かけたら、微笑んであげてください。思っていたよりわりとあちこちに、届けられる予定です。

しかし…コレくだらないこと書いたなあ…ダメ出しされませんように。