2016年3月30日水曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その242

この中でいったい何が行われているんだろうか……


もう包囲なんてしないさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がなんとなくつけています)制圧の際に歌われる機動隊のテーマソングですね。

♪もう包囲なんてしないなんて~言わないよぜ~ったい~


Q: ローラはなぜ傷だらけなのですか?(ちなみにサビしか聞いたことがありません)

A: 傷がないとただのローラになってしまうからです。




質問はいまも24時間無責任に受け付けています。

dr.moulegmail.com(*の部分を@に替えてね)


その243につづく!

2016年3月24日木曜日

本人不在のスーパーすぎるKBDGスピンオフのこと

さて、まさか本当にリリースされるとはおもってもみなかった、タケウチカズタケによる「hot water pressure washer ep」が4月13日に配信リリースの運びとなりました。スターリングボーカリストは……椎名純平……!!!


2016.4.13 Release
「Hot Water Pressure Washer ep」
M1: Hot Water Pressure Washer feat. 椎名純平
M2: Cat and Dog feat. 椎名純平
M3: go anywhere

リリース詳細はこちら

またそれに先駆けて収録曲の中から1曲、「Hot Water Pressure Washer」が現在フルコーラス(歌詞つき!)で公開されています。


僕自身は高みの見物を決めこんで欠片も登場しませんが、楽曲のモチーフが僕の作品であり、その歌詞とジャケットデザインを請け負っている以上、これはもうほぼKBDGスピンオフと言って過言ではありません。すくなくともいちばん得をしているのは他ならぬ僕です。

何しろあの純平さんが、鼻歌まじりで書かれた高圧洗浄機についてのしょうもない詞を全力で朗々と歌い上げてくださるのだから、それだけで鼻血がイエローストーン国立公園にある間欠泉オールド・フェイスフル・ガイザー(The Old Faithful Geyser)のように吹き出ます。明日あたりぽっくり逝ったとしても悔いのない無上のよろこびと言わねばなりますまい。



「Hot Water Pressure Washer」については以前もふれた気がしますが、今回のEPにはもうひとつ、純平さんをフィーチャーした曲が収録されています。2曲目の「Cat and Dog」がそれです。そしてこれはここを訪れてくれる人しかわからないとおもいますが、「リップマン大災害/RIPman disaster」のスピンオフ曲です。

だいじなことなので2度申しましょう。2曲目の「Cat and Dog」は「リップマン大災害/RIPman disaster」のスピンオフです。はっきり言ってしまうと、歌詞にムール貝博士が出てきます。わかる!?純平さんが「♪Please tell me Dr. moule~」って歌ってくれてるんだよ!

バターン!(仰向けに倒れる)

むくり(起き上がる)

ちなみにジャケット画像の「ep」部分に「censored」のシールが貼られているのにはれっきとした理由があるのですが、それはまた次の機会に、ぺっと吐き捨てるようにお話するといたしましょう。

それでは最後に高圧洗浄機の進化ぶりをひとつずつ順にご覧ください。

初代


2代目


3代目


これね……僕じゃなくてもっと認知度の高い人の作品だったらめちゃめちゃ話題になるくらい、かつてない斬新なアプローチだとおもうんだけど……なぜよりによってKBDGを選んでしまったのか、惜しまれてなりません。いや、そりゃ僕は狂喜乱舞ですけども。いいの?

2016年3月20日日曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その241


実験用スコープ付シリンダーヘッドさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がなんとなくつけています)


Q: 初対面の方からぶつけられる、「日本語はわかりますか?」という質問に対する華麗な返答を教えてください


一瞬何を言っているのか考えこんでしまいましたが、これはつまり、平均的な日本人と比べてエキゾチックな顔立ちをしておられるということですね。

折にふれて同じことを言われる鬱陶しさは、僕もすごくよくわかります。なんとなれば僕も会うたび人に「やせた?」と訊かれるからです。じっさいのところ僕の体重は十代のころから500グラムと変わっていないのですが、いちいち否定するのも飽きてきたので最近では「そうなの!イヤだわ、ストレスかしら?」となるべく相手に合わせるようにしています。ただ若いころにやせて見えることと、年老いてやせたように見えることとでは印象に含まれる意味合いがかなり変わってくるので、最終的にはおそらく性転換でもして見た目のインパクトをずらすことになるでしょう。

しかしいただいたご質問のケースは単なる印象の話でしかない僕とは異なり、ある種の気遣いである点が難儀です。無用な混乱を避けるために通った道がたまたま地雷原だっただけであり、完全に裏目に出て最悪なことをのぞけば、お話するにやぶさかでないという明らかな意思表示でもあるので、無碍にもできません。

無碍にしてよいのであれば、「わ、日本語お上手ですね」と答えるのもひとつの手ではありましょう。ぎょっとされるかもしれませんが、そもそもが場合によっては不愉快になり得る危うい切り出しかたなのだから、お互いさまといえばお互いさまです。

とはいえこれではどうも後生がよくない。ここで求められているのは不意に飛んできたクリームパイを首のうごきひとつでエレガントに躱すような、スマートにして後腐れのない大人の対応です。コミュニケーションにいささかの妨げもないことをパーフェクトに示しつつ、できれば結果としてまるで意味がないずさんな気配りにもきちんと敬意を表したい。

となればこうお返しするほかないのではありますまいか。


A: 「お気遣い、痛み入ります」




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その242につづく!

2016年3月16日水曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その240


さて、まだちょこちょことスピンオフがお目見えする予定とはいえそろそろほとぼりも冷めてきたことだし、ここらでまた普段どおりの、耕せど耕せど一向に実を結ばない枯れ果てた不毛の大地に戻るといたしましょう。今さらあらためて申し上げるようなことでもないですがこのブログ、ひいては僕にとってどこか活動的な報告というのは、季節の変わり目にひく風邪みたいなものです。そしておかげさまで風邪はぶじ、治りました。こじらせずに済んでよかったと胸を撫で下ろしております。

パサパサおからさんからの質問です。(珍しくペンネームがあったのでムール貝博士の出番はありませんでした)


Q: 今朝「ミレニアム」を読んでいてふと「この言葉の選択!詩人が翻訳してそう~」と思ったのです。ダイゴさんは翻訳してみたい小説はありますか。


好きな海外の作品は基本、翻訳も含めて好きなので(ここで触れたことのあるもので言うと、渡辺一夫訳の「パンタグリュエル物語」、堀口大学訳のルパンシリーズ、藤本和子訳のブローティガン作品、石井桃子訳のプーさん、野上弥生子訳の「アルプスの山の娘」なんかがそうです)、みずから訳してみたいというのはあんまりないですね。どちらかというと「あの人が訳してくれたらいいのに!」ともどかしく感じることのほうが多いかもしれません。

ちなみにもどかしく感じる、もしくは燃やして焚き火にしたほうが身も心も温まるのではないだろうかとおもう翻訳小説の筆頭は国書刊行会からたくさん出ている、とある人気シリーズです。次から次へと矢継ぎ早に刊行されるのでそのたびに「たのむからもうやめてくれ……」と泣き崩れてました。

とここまで書いてふと思い出したけれど、そういえば二葉亭四迷が訳したツルゲーネフの短編数編も、四迷節がエゴイスティックなまでに活き活きとうねりまくっていて最高です。

「あ、ルキヤーヌイチでがんすか!」
「然うだ。」
「ルキヤーヌイチは……その……何ちふたら可かんべえ……」

何ちふたら可かんべえ!

話を戻してしいて一冊挙げるなら……アレクサンドル・デュマの「三銃士」ですかね……。銃士たちというよりも、ミレディのビッチぶりが「南総里見八犬伝」の船虫に匹敵するくらい、それはそれはみごとなので、じぶんの言葉でも浮かび上がらせてみたいです。


A: 大デュマの「三銃士」です。(主にミレディのために)




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その241につづく!

2016年3月12日土曜日

これでまずひと区切りとスピンオフの話をすこし


まるでいっぱしのミュージシャンででもあるかのような、まったくもってらしからぬふるまいで近所の猫もニャーと鳴くほど圧倒的な反響(当社比)を巻き起こしたこの一ヶ月でしたけれども、実際のところやろうとおもえばできないこともなさそうだし、やってもバチは当たらないだろうくらいのことであって、何かあるのかといえばとくに何もないのです。

途中から降って湧いたような安田タイル工業についてはもともと本当に予定していなかったので、どちらかというと僕がいちばん驚いています。タイルをさもタイルっぽくタイルして憚らないことだけが身上の会社なのに、これじゃまるっきり音楽ユニットじゃないか?ここはひとつ声を大にして鈴木雅之よろしく「違う、そうじゃない」と申さねばなりますまい。



しかしまあ、誰もいないところで何にもならないようなことをしてワーと騒ぐだけ騒いでとぼとぼ帰るばかりが能ではないことを図らずも示すことができたし、これはこれでよかったのかもしれません。言ってみれば忘年会の余興で部長がめちゃ上手いラップをしてみんなが「えー!」みたいなことです。部長っていうか専務ですけど。

安田タイル工業のテーマは、主任がある日ふと思いついて書いた4行の詩が元になっています。

世界をこれで、埋め尽くしたい
貼って貼られて贈り物にタイル
これ以上ないくらいバカでかい
夢を見ていたい、枕元にタイル

書いたのはもう、数年も前のことです。そのときは「思いついて書いた!」「夢があるねえ」でひとしきり盛り上がり、そのままとくにどうということもなく終わりました。詩を書いたからといってテーマソングにしようとは思いもよらない、端的に言ってそれが安田タイル工業です。何かを成そうとすれば、成さないとわかった時点で意義も消えてしまいます。だからこそこの会社は今も存続しているのだと言うこともできましょう。先月だったか先々月だったか、何かの拍子にこの詩がぽろりと出てこなかったらこうはなっていなかったはずだし、このタイミングというかちょっとした巡り合わせにはしみじみ感じ入るものがあります。

さて、このあとは、と言ってももうすこし先ですが、2つほどKBDGスピンオフがお目見えする予定です。

以前にもすこしふれましたが改めてさわりだけお伝えすると、タケウチカズタケによる小数点リミックスがさらにスピンして、まったく別の曲に様変わりしています。あのすばらしいソウルシンガーが「♪dr.moule〜」と気持ちよさそうに歌っておられるのを耳にしたときは光栄すぎて気を失いかけました。別の曲といっても歌詞は僕がダイヤモンド鉱リップマン大災害を元に書き下ろしたものなので、「小数点~」をお持ちの方なら楽しんでもらえること請け合いです。よくよく考えると、何だこの企画は。

そしてもうひとつは、例の「水茎と徒花/black and white」です。すでにオリジナルとタカツキによる別バージョン「徒花と水茎/white and black」の2つが公開されていますが、「手紙をアレしてしまった側の視点」でもうひとつお聴かせできそうな話が進んでいます。隠し立てせずとも察しがつきそうな気はしますけれども、今はこれくらいでお茶を濁しておきましょう。

ではみなさま、よい終末を!ちがった、でもいいや。よい終末を!

2016年3月5日土曜日

安田タイル工業 - はればれと(TILE, And Maybe Tomorrow)




TILE though your heart is aching
TILE even though it's breaking
When there are clouds in the sky,
you'll get by

貼ろう、傷ついていても
貼ろう、当たって砕けても
空が晴れるなら
タイルだって貼れる

YOU GOT TILE through your fear and sorrow
TILE and maybe tomorrow
You'll see the the TILE 
come shining through for you

恐れと悲しみを越えて、その向こうまで
並べて貼れば明日にはきっと出会える
あなたのために輝いてくれる
大きくてきれいなとっておきのタイルに

Light up your face with GLASS-ness
Hide every trace of sadness
Although a tear 
may be ever so near

そのガラス質で顔を照らしたらいい
まぶしさで涙の跡がかすむはず
それで涙が消えるかっていったら
そりゃ消えるわけないけど、でもきらめく

YASDA TILE, we must keep on trying
TILE, what's the use of crying?
You'll find that TILE
is still worthwhile...

何はなくとも、四の五の言わずに
とにかくタイルだ、泣いてどうなる?
人生にはまだ価値があるって
わかるはずだ、タイルさえ貼れば


***