2010年9月28日火曜日

書籍的アプローチによる全面改訂版



ボンヤリしていたらあっという間に最終入稿の期日が来てしまい、アルバム「スイカ夜話」のリリースを条件になんとかうまいこと強請ってやろうというささやかな目論みは、あっけなく崩れ落ちました。

ともあれ入稿前に予約開始という脂汗のポタポタたれる状況をのりきることができて本当によかった…。


 *


さて、話のつづきです。でもよく考えたらさっきまでしてた話とやってることはだいたい同じです。そんな話しかないのかとお叱りをうけそうですが、実際そんな話しかないのです。馬車馬のすることといったらそれはあなた、馬車を引く以外にありません。ひたすら愚直にガタゴト引くほかないのです。

というわけで「詩人の刻印」ブックレット全面改訂版、その中身ですが今回はオーディオビジュアルでの書籍的アプローチをふまえて、表紙から文字組までぜんぶ丸ごとつくりなおしています



表紙と…

裏表紙

その他いろいろ






こないだはこうして重版のたびに改訂することを口笛まじりに「遊び」とうそぶいてみたけれど、ちがうんだ…


ホントはそうじゃないんだ…


遊びなんかじゃなくて…


めちゃめちゃ本気なんだよ…!



ドン!(気が昂って机をたたく)


ガシャン


パリン


ガランガランガラン


ポカッ


痛い!


 *


どうでもいいけど「オーディオビジュアルの書籍的アプローチ」ってそれだけ聞くと意味がちっともわからないな。

2010年9月24日金曜日

ちょっと常世をうろついてました



たいへんご無沙汰しています。

べつに用事もないけれど、ふと思い立ってそう遠くないところにある常世の国を数日間ぷらぷらとひとりほっつき歩いてきたのです。土地の神様とのんびりお茶はしたものの、とくべつ何かを取りはからってもらえるわけでもなく、非常食用に持参したカシューナッツをぽりぽりかじりながら「こんなとこで何してんの?」とか延々そういう話をしてました。

荒涼とした常世国をてくてく歩いていくと…

その先に広がる風景がこれ。


ブログを更新しない理由にはなっていない気がするな。


 *


それはまァ、それとして

ゴハンを食べたり、ぐうぐう寝たり、アルバムを出したりしてちょっとこう表舞台に立ったような気になったのも束の間、FLY N' SPIN RECORDS を牽引する万華鏡的ヒップホップバンド SUIKA が11月に渾身のアルバムを出すというので、ちかごろはまた馬車馬としてこそこそと裏方に回る日々がつづいているのです。


twitter(たぶん)やブログを怒濤のように更新したり特設ページをこしらえたりと、発売に向けてメンバー全員が一丸となりながら旺盛に盛り上げる一方

僕は印刷所で社会科見学をしたりしています。馬車馬の仕事はいつだって目立たないものです。


今回の特設ページでは、アルバムの予約ができるのと同時に今日から1曲ずつ順次サンプルが公開されていきます。最終的に全曲試聴ができることになるようです。サイプレス上野、STERUSS、Romancrew、イルリメ、降神と日本語ラップ好きならゲスト陣だけでも鼻血が吹き出るこのラインナップをご覧なさい!いまさら僕が更新頻度の異常に低いブログで「出るよー」と告知をするまでもありますまい。


問題は


アルバムのアートワーク関連がまだぜんぶ終わっていないため、これだけ盛り上げていても明日ダイゴくんが天に召されたらそれだけですべてが水泡に帰すという点にあります。いったいいつの間にそんな重たい責任を背負わされていたのか、ちょっと考えただけでも気を失いそうになる毎日です。知らない間にアルバムの生殺与奪が僕にかかっています。

いや、待てよ…


(むしろこの立場を利用して恐喝できるんじゃないだろうか?)


天使:「そんなよこしまな考えはお捨てなさい!」
悪魔:「なんで?」
天使:「なんでって…良くないよ、そういうの」
悪魔:「シュークリーム食べる?」
天使:「いただきます」

ムシャムシャ

悪魔:「たまには恐喝もいいものだよ」
天使:「良くないよ!」
悪魔:「カスタードとホイップが織りなすこのハーモニー」
天使:「あ、うん、コレ好き」
悪魔:「おいしい?」
天使:「おいしいです」
悪魔:「たまには恐喝もいいものだよ」
天使:「えー。良くないよ…」
悪魔:「そんなことないよ」
天使:「でもくせになったら困るし…」
悪魔:「交換みたいなものじゃない」
天使:「ダメ!やっぱりダメだよ」
悪魔:「徳を積んだら天国に行けるんでしょ?」
天使:「そうだよ。だから徳を失うようなことはしちゃだめなんだ」
悪魔:「徳を積まなかったら天国には行けない?」
天使:「そのとおり」
悪魔:「つまり『天国に行きたかったらわたしの言うことを聞きなさい』ってこと?」
天使:「その言い方はちょっとアレだけど…」
悪魔:「地獄に行きたくなかったらわたしの言うことを聞きなさいってことでしょ?」
天使:「あれ?」
悪魔:「天使とは気が合うとずっとおもってた」
天使:「ちょっと…ちょっと待って」
悪魔:「恐喝もたまにはいいものですよ」
天使:「いや、え?待って待ってちがうよ…」
悪魔:「シュークリームもうひとつどう?」


 *


そういえば関係ないけど、というか個人的にはこっちのほうがだいじな気もするけど、4回目のプレスに出していた新しい「詩人の刻印」が上がってきていたのです。アートワークはもちろんのこと、今回はとくにブックレットを文字組から何から全面改訂しているので次回の更新はそれでいい感じにお茶をにごそうとおもいます。

2010年9月7日火曜日

神様みたいな少女となおざりなB級スイーツ@大阪




過日のSOUL UNITY 7 @心斎橋Club Jungleは

4つの重量級ファンクバンドがブリンブリンとフロアを揺らし、一息入れるようにしてボサノバユニットと穏やかなシンガーをはさみ、さらにその隙間を縫いながらキュートなDJがレゲエの7インチをゆるゆるドカドカと回す、真っ黒で気持ちの良いイベントでした。ソウルよりはもうちょっと混沌としてレアグルーヴにちかいとおもうけど、とにかくクロい!そういうところにお招きいただけたというのは僕にとってたいへん光栄なことです。何よりみんなアーティスト目当てというよりも、どちらかというとイベントそれ自体をまるごと楽しんでいる印象があって、その雰囲気がすごくよかった。


この日のセットリスト(腹的な意味で)
・炊き込みご飯
・麻婆春雨
・ゴーヤと豚肉の塩炒め
・ナスの含め煮
・ハンバーグのトマト煮
・えびフリッター&マヨネーズソース


僕もじぶんがまるで人気者になったかのような錯覚をおぼえるほど、温かく迎えてもらって感無量です。ご来場いただいたみなさま、本当にどうもありがとう!


大阪に着いて早々、ケータイのアラームを解除しながらてくてく歩いていたらうっかり混雑する女子トイレに入りこんでしまい、たいへんな顰蹙を買って半ベソで逃げ出した心の傷を癒してくれるいい夜でした。もうお嫁にいけない!


 *


おまけ(その1)
じつはこの日、小林大吾のスタッフとしていっしょに会場入りした女性がいたのです。


バターン!(胸を射抜かれて卒倒した音)

じぶんの子どもでもないのに、おもわずケータイの待ち受けにしてしまいそうなこの罪深すぎる愛らしさ!この日、デジカメにはぜんぶで170枚超の写真が収められていたのだけど、そのうち150枚がこの娘の写真という体たらく。じぶんの子どもなら親バカですむけど、親じゃないなら単なるバカじゃないか

ここぞとばかりに「だいごろう」という名前をせっせとインプリント(刷り込み)してきました。

SOUL UNITYの主催者であるアキトさんには「すみません結婚されてるとはおもわなくて…」と言われましたが、そりゃ子連れで行ったらそうおもうよね。もちろんちがいます。友人の娘です。倖羽ー!


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おまけ(その2)
心斎橋に来たからには是が非でも攻めておかねばならない案件がありました。


熱々の揚げパンにソフトクリームをはさんだ好事家仕様のジャンクスイーツ、アイスドッグです。(情報提供:s8さん)

独自の美学を貫く名古屋のシロノワールと、実利に徹する大阪のアイスドッグ、どちらも原材料はほぼ同じなのに、土地柄を反映するとこうも変わるのかという良い例です。このカラダに悪そうなかんじと、なおざりな見た目がね…。


そんな真夏の日曜日です。

2010年9月2日木曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱リターンズ5





いうわけで今週末の日曜日は心斎橋Club Jungleです。イベントのコンセプトには「ブラックミュージックを中心に、ぶっ飛んだ音楽とお酒とおいしい料理!」とあります。すてきだ!これ僕すごく好きな感じなんじゃないかと心ひそかに楽しみにしているのです。ブラックミュージックのイベントからのお誘いってうれしい。アキトさんどうもありがとう!フライヤーにある気持ちのこもった紹介文を読んで、お引き受けしてよかったとしみじみおもいました。

そしてこれをご覧なさい!

フライヤーに前回の献立が!俄然やる気が出てきました。ゴハンはだいじです。がんばろう。あっちもこっちも首根っこひっつかんで手当り次第にお誘い合わせのうえ、暑気払いにぜひご来場くださいませ。
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9/5(sun)
SOUL▲UNITY 7
@心斎橋Club★Jungle(チケットのご予約はこちらから)

open 17:30 /start 18:00
adv. 2300yen /door 2800yen
1dish付(ドリンク代別途)

■Live
Ra'con
The Creator's Convention
Yauzah
Heartful☆Funks

■Lounge Live
小林大吾
AZ catalpa
Flight Flamingo

■Dj
カバタミホ

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(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


コンタクトレーズンさんからの質問です。

Q: 黒縁のメガネを買いたいんですが、縁はどの程度あるのが正解なんですか? 全縁? 上だけ? 下だけ? 縁なし?

A: メガネにおける構成部位それぞれの役割を考えたとき、レンズを社長とするならば縁は副社長にあたります。社長の身に何かあれば、その代理を果たすのが副社長です。不測の事態に陥ってもなお、組織としての骨格を保つことができるかどうかが大きなカギになります。そこから鑑みるに「上だけ」「下だけ」「縁なし」というのは、組織としていささか社長に依存しすぎのきらいがあり、健全とは言えません。したがって正解は当然、「全縁」ということになります。でも「上だけ」とか「下だけ」もそれだけ聞くとなんだかセクシーな響きがあってステキですよ、実際のところ。


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シルバニアファミリー(マフィア)さんからの質問です。

Q: モンティ・パイソンで好きなスケッチはなんですか?ちなみに私は「スペイン宗教裁判」です。何度見ても笑える。

A: あえて挙げるとすれば「ヴィクトリア女王障害レース」と「怪盗デニス・ムーア」でしょうか…。わずかなしのび笑いのためにさえ多大な労力をかけて、ハイリスク・ローリターンを性懲りもなく繰り返す、あのコストパフォーマンスの異常な悪さに胸打たれます。あと、僕にとってモンティパイソンとは、思いもよらない角度からの視点を示してくれる至極真っ当な教科書のひとつでもあるのです。そういう意味では "スーパーマンだけしかいない世界では自転車の修理工がヒーローになる"、「自転車修理マン」も好き。むしろ好きなスケッチというふうに個別にピックアップして考えることってあんまりなくて、すべてのスケッチがどこか別の視点で再びつながる、あの世界そのものにただただ憧れるんですよね。


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ハイジャックと豆の木さんからの質問です。

Q: なんの匂いがすきですか?

A: パンケーキの焼ける匂いが好きです。どんな拷問よりもこの匂いに鼻をくすぐられるほうがツラい。僕にとっては、希望に満ちた明日よりも、とりあえず今日のパンケーキです。


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僕の先生はビーバーさんからの質問です。

Q: 詩が書けて、絵も描けて、音楽や建築にも詳しく弁論大会もいい成績を収められて背が高くスタイルよくいらっしゃるダイゴさんですが今の小林大吾を形成するに及んだものを挙げるとすればなんですか?

A: かなりアバウトな質問ですが、僕のアイデンティティに決定的な影響を与えたものがあるとすれば、「Mr. COLOR」という、プラモデル用の有機溶剤塗料がそれにあたるとおもいます。25年ちかく前にさかのぼる、この塗料との劇的な(あるいは奇妙な)出会いを思い返すと、今も胸に迫るものがあるくらいです。ふつうはプラモデル→塗料という順番だとおもうけど、僕は塗料が先でした。なぜ逆なのかはまたいずれお話するとして、冗談でも誇張でもなく、僕の80年代は文字どおり、Mr. COLORに彩られていたのです。ここからすべてが始まったと言っても過言ではありません、ホントに。


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七転びフテ寝さんからの質問です。

Q: 2週連続で、週末のたびに熱を出して寝込んでいます。馬鹿は風邪をひかない!なんていいますが、絶対うそ。。。こんな言葉はどなたが考えたんですか?そしてこの言葉の信憑性はいかに。

A: バカは風邪をひかない、というよりも、風邪に気づかないからバカなのです。したがって、誰でもじぶんの知らないところでバカのレッテルを貼られている可能性は大いにあります。だって気づかないんだから仕方ないよね。

あと、どう考えてもここは「バカじゃなくてよかった!」と胸を撫で下ろすところだとおもいます。


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ツミレを煮込んで人を煮込まずさんからの質問です。

Q: 就職活動のコツを教えてください。

A: そんなの就職をしたことのない僕に聞いてもしかたないとおもうんだけど、しいて言うなら、粉を混ぜすぎないこと、衣を冷やすこと、油の温度を一定に保つこと、あたりがコツです。カラリと揚がってサクサクの食感が楽しめます。天つゆもいいけど、たまには塩もおすすめです。就職活動がんばってください。


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次回につづく!


気長にお待ちいただけるのであれば質問も大歓迎です。
dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)