2022年10月28日金曜日

アグローと夜(AGLOE AND NIGHT)のお知らせ


さて、彼の地アグローでは早くも話題沸騰な気がしないでもないという、アグロー案内 VOL.3があと数時間で配信となります。

今後もまた折を見つけてはぽろぽろと更新されていくはずですけれども、まずは出る出る詐欺になることもなく無事にVOL.3までお届けできたことを祝して、ライブを催すことになりました。2人でひとつのプロジェクトなので、実質ワンマンです。


アグローと夜…
AGLOE AND NIGHT…
アグロー・アンド・ナイト…
アグロー・アン・ナイ…
アグローあんない…


平日ど真ん中で心苦しいかぎりですが、これは「やる?」という話になったのが本当についこないだのことであり、どう考えても今からでは12月の週末などどこも空いていないためです。ホントにすみません。もし誰も人が集まらなかったらふたりで忘年会をして帰ります。

場所は3年前のSoloSoloSoloTourでもお世話になった、元住吉のPOWERS2です。そして確か、僕が最後にライブをしたのも3年前のこのツアーだったんじゃないかとおもう。厳密にはアフター6ジャンクション@TBSラジオでの遠隔スタジオライブが最後だった気もするけど、それだって2年前の話です。僕がミュージシャンを標榜しない所以がこんなところにもよく表れています。

しかしそんな僕とは正反対に、今も第一線で活躍しない日はない生粋の弩級ミュージシャンである御大タケウチカズタケと共同でこのプロジェクトを始めてしまった以上、こんな日が来ることは容易に予測できたし、覚悟していたし、実際やると決まったらやるしかありません。何より、音源だけでは5割も伝えられないタケウチカズタケの狂った演奏っぷりをなるべく多くの人に堪能してもらいたい。そして普段は話し上手でめちゃめちゃおもしろいのにライブのMCになるとそうでもない彼の本領をこの機会にずるっと引き出して知らしめたい。僕としてはそんな思いで立ち向かうライブです。あといつものことではあるけど僕自身、次のライブが本当にいつになるかわかったもんじゃないので(何しろ最後が3年前です)、もし少しでも興味があって無理のない範囲であればぜひ足をお運びいただきたいと心から願う次第です。

それからこれは以前のツアー時にも言ったような、もしくは全然言ってない気もするけど、POWERS2はごはんがめちゃめちゃ美味いです。ここに来たら誰でも、否でも応でも何か食わねばならないし、食わなくては何も始まらないくらいなので、どうかどうか、そのつもりでいらしてください。

12月13日(火)の18:00オープンです。ライブ開始までたっぷりあるのでまずは美味しいごはんを食べよう!


タケウチカズタケ+小林大吾〜「アグローと夜(AGLOE AND NIGHT)」
2022/12/13(火)@元住吉POWERS2
OPEN 18:00/START 19:30 
ADV¥3000/DOOR¥3500 
※1ドリンク+1フードのオーダーをお願いします。

■LIVE
Key.及びtalk:タケウチカズタケ
Reading及びtalk:小林大吾

2022年、突然リリースされ始めた共同名義の新プロジェクト「アグロー案内」
既に3作品が世に放たれたとあって、2人のライブ&トークで、その真意が解き明かされる、かもしれない。
途中休憩を挟み、45分目処のステージ×2回、で開催する予定です。
素敵なお食事を楽しみながら、のんびりした気分で御参加下さい。

■TICKET&INFO
下記予約フォームから御予約可能(前売のご予約は前日の23時迄となります)
注)24時間以内に返信メールが届かない場合はお電話にて確認お願い致します。

〒211-0021
川崎市中原区 木月住吉町21-5
東急東横線元住吉駅より徒歩約8分
元住吉POWERS2
TEL 044-455-0007 

※席は御来場順となります。
※ライブチャージのカード決済には対応しておりません。
※お車でお越しの際は近隣のコインパーキングを御利用下さい。
営業時間 11:30-14:00/18:00-24:00

2022年10月21日金曜日

謎めく探偵についての補足をほんの少し

ヒモ解かれる

配信日とトラックリストを同時に公開してしまったので、あとはもうこれと言ってとくにお話しすることがない配信1週間前ですが、せっかくなので収録曲についてすこし言及しておきましょう。取り上げたいのは3曲目の「名探偵、走る/jump the gun」です。


実際に聴いてもらってから伝えたいこともあるのでそれはまだ控えておきますが、ここで言う「名探偵」とはもちろん、アグロー案内 VOL.2に登場した山本和男のことです。

山本和男については以前もすこし触れましたが、アグロー案内 VOL.1の制作時には全然、まったく、微塵も想定していませんでした。それもこれもすべて、僕がアグロー案内のために思いつきで適当にこしらえた告知画像、そしてそれを思いのほか喜んでくれたカズタケさんに勢いで「山本和男をモチーフにしたサントラみたいな曲があってもよくないですか?」と畳み掛けた僕の無責任な提案から始まっています。


そこに全力で乗っかってくれたカズタケさんの超絶スキルによってぽろりと生まれてしまったのがつまり、VOL.2収録の「名探偵山本和男 THE MOVIE(予告編)/the yamamoto kazuo movie (official teaser)」だったわけですね。

これがリリース前から全宇宙で大好評だったため、これはもうシリーズ化不可避ということで、急遽VOL.3にも1篇ねじ込んでもらった次第です。

そうなると実際にこうした映画が存在する体で進めるほかありません。満を持しての映画化みたいなことになっている以上、それに先んじてドラマなり何なりが存在している必要があります。またそれは当然、国民的支持を得ていなければならないはずだし、大人気であるならばテーマ曲もまた多くの人が口ずさんでいるはずです。

だとすれば劇中に挿入されるお馴染みのBGMもあるだろうし、名探偵である以上は事件が起きないわけはない、とまあそんな流れで今回は「行動開始」もしくは「追跡」がテーマになっています。


ところが無事めちゃめちゃカッコいい曲も仕上がり、あとはリリースを待つばかりとなったある日、山本和男について書かれた歴史的にも貴重な資料が唐突に発掘されたのです。え、何これ初めて見たんだけど…。


2008年とあるから、14年前です。すでにこの時点で「THE MOVIE」「走る」もはっきりと記されています。

この広告が発掘されるまで、僕はその存在をまったく知りませんでした。慌てて作者であるタケウチカズタケに確認したところ、描いた記憶もないと言います。何から何までここに予言されていたばかりか、なぜか作者の欄に小学校当時のクラスまで明記されているなんて、そんな不可解なことがあり得るものだろうか?


山本和男の人となりとその名探偵ぶりは、曲中にねじ込まれるセリフ(CV:小林大吾)によっても追々明らかになっていくでしょう。これまでに彼が一体どれほど多くの難事件を解決してきたのか、というかそもそも本当に事件は起きていたのか、何だかわからないなりに想像を膨らませながら、非実在コンテンツの超絶クールなBGMとして楽しんでもらえればとおもいます。

山本和男に関係すると思われる謎の怪人

そんなアグロー案内 VOL.3の配信開始はいよいよ来週末、10月29日(土)の0時です。

と同時に、もし間に合えばもうひとつ、これまたかれこれ数年ぶりのささやかなお知らせをします。する予定です。できたらいいな。

2022年10月14日金曜日

そして来る「アグロー案内 VOL.3」のこと

いつものように30行くらい書き連ねていた前置きを一刀両断で全削除して単刀直入に申しあげましょう。全宇宙が待ちあぐねた、仮にそうでなくとも僕という宇宙における全細胞37兆は確実に待ちあぐねたアグロー案内 VOL.3が、いよいよ今月末に配信です。


配信開始は10月29日(土)の午前0時です。

小分けにするほどのものでなし、ついでにトラックリストも置いておきましょう。


アグロー案内 VOL.3だと言っているのに、なぜかトラックリストに「アグロー案内 VOL.1」がしれっと紛れ込んでいます。ふつうは音楽作品でこんなフラクタル構造は発生しません。それもこれも小まめな配信リリースだからこそ、そして何よりアグロー案内 VOL.1があんなんであったればこそ、成せる技です。

VOL.2に収録されていた「間奏者たち/interluders」は、新作とはいえ元々ライブで披露したこともあったので、ご記憶の方も数人おられたと思いますが、今回の1曲目「ラストノート/quod erat demonstrandum」は100%このプロジェクトのために書き下ろしたものです。したがって「化野/ADASHINO of the dead」以来およそ2年半ぶり、シリーズ3作目にしてやっとこさ新作のお披露目となります。

これまでの世界観の延長線上にありつつ、一方では原点に回帰するような印象もある、そんな一編です。


そしてこれも一度ツイートしましたが、VOL.1のリリース前にこしらえた数ヶ月前の広告を、ここで再び思い出してください。この時点ですでにVOL.3の収録曲に関係する文言がねじ込まれています。


ちなみにプロジェクトの主体である肝心のタケウチカズタケはいまだにどれかわからないそうです。なんでよ!

とまあお話できそうなことはだいたい全部してしまったので、これから配信までの2週間をいったいどう過ごしたらよいのか、基本的にいつでも慢性的に告知が不足している僕には皆目見当がつきませんが、ともあれ今月、29日の配信を刮目してお待ちあそばせ。

2022年10月7日金曜日

間奏者たち/interluders


1

細い煙が白くたなびいている
その煙の行く先を見つめている
煙はちいさなドラマをいくつもからめて
せせらぎのように静かに流れる
ちいさなドラマにはちいさなブリッジと
ちいさなフックとちいさなコーラスがあった
おひらきになればそれもこれもぜんぶ
たなびく煙がどこかへ連れていく

ちいさなドラマはサーカスの一団にも似て
かなしみをすこしだけうすめてくれる
うすめたかなしみはかすかに甘くて
いつもどこかなつかしい味がする
もっとうすめたらたぶん水になるだろう
かなしみの欠片もない水はただの水で
コップに溜めた雨のほうがずっといい
酸性雨で喉の奥を灼かれたとしても

ここは通過点で
すべてが通り過ぎる
すべてが通過点で
つなぐと世界になる
世界にハッピーエンドが来ることはないが
そのかわり通過点にはときどき訪れる
ドラマとドラマの幕間にあって
ブリッジもフックもコーラスもない
in·​ter·​lude [ˈɪn.tə.luːd]と辞書には書いてある
誰もが幕間interludeに暮らしている

2

きけば眠れるようになると言って
やってきた医者がラジオを置いていった
言葉は毒にも薬にもなる
違いは効き目が長いか短いかだけで
すくなくともそれが必要なときには
眠りほど大事なものなどありはしない
ラジオからは大量の薬が流れてきた
過剰摂取overdoseで安らかに眠った

ここは通過点で
すべてが通り過ぎる
すべてが通過点で
つなぐと世界になる
世界にハッピーエンドが来ることはないが
そのかわり通過点にはときどき訪れる
ドラマとドラマの幕間にあって
ブリッジもフックもコーラスもない
in·​ter·​lude [ˈɪn.tə.luːd]と辞書には書いてある
誰もが幕間interludeに暮らしている

3

今このときが永遠になればいいのにと
やけに回り道をして帰る夜もある
そういう夜には孤独もほだされる
なんならまたあとで会おうと言って立ち去りもする
見ろ、入り組んだ路地が迷宮に変わる
誰もついてきてはならぬと厳かに命じて
大昔に絶滅した野良犬のあとを
帰還した王みたいな顔でついていく

ここは通過点で
すべてが通り過ぎる
すべてが通過点で
つなぐと世界になる
世界にハッピーエンドが来ることはないが
そのかわり通過点にはときどき訪れる
ドラマとドラマの幕間にあって
ブリッジもフックもコーラスもない
in·​ter·​lude [ˈɪn.tə.luːd]と辞書には書いてある
誰もが幕間interludeに暮らしている