この半年間、これから迎えるごくごく私的な新しい局面のために木材を切ったりオイルを塗ったりペンキを塗ったりビスを打ち込んだりとDIY作業に追われていたこともあり、てっきり済ませたとばかり思いこんでいたブログでの告知を最後までし忘れていたことにたった今気づいて言葉を失い、それならむしろ始めからなかったことにしておいたほうがいろいろと都合がよいのではないかと土壇場で逡巡したあげく「いや、たしかにここで告知はしたのだ、したのだがその後何らかの手違いでその告知エントリを削除してしまった、もしくは何かそういう質のウィルスにそこだけピンポイントできれいに消されてしまったのだ」というスマートな結論で落着したツアーが一昨日ぶじ幕を閉じたのです。
考えてみればふしぎな縁でお相伴させてもらうことになった純平さん(@junpeishiina)、カズタケさん(@KaztakeTakeuchi)との SoloSoloSoloTOUR も今年で3年目になります。
発信力に欠けたきわめて微弱な告知を敏感にキャッチしてご来場いただいた皆々さまにはなんとお礼を申し上げてよいのか、我ながら伝えられる言葉の少なさに呆れ果てるばかりですが、本当に本当にありがとう!おかげさまで今回も最後までたのしい時間をすごすことができました。
今年巡ったのはPOWERS2@川崎元住吉、THE GOOD THING aka グッシン@大阪南船場、そして初めて訪れたLUGGAGE@名古屋栄の3箇所です。
それぞれすこしずつ趣が異なる、それでいてどこもファットな雰囲気に満ちた居心地のよい空間なのだけど、とりわけPOWERS2とグッシンはろくすっぽライブ活動を行わない僕のような男を、いつも「おかえり」と両手を広げて心から迎えてくれるかけがえのないお店でもあるので、幸せここに極まれりと言うほかありません。ここでやらせてもらえて、ここで観てもらえてよかった!
忘れたころにポロッと訪れる天災みたいなスパンでライブをしていると、すこしでも耳馴染みのあるものをという気持ちが働いてしまうのでどうしても偏りがちになるセットリストはドタンバタンともんどり打って考え抜いた結果、今回こんなかんじでした。
1. コード四〇四/page cannot be found
2. 二度ふれる前に消えてなくなれ/disappear like this word
3. Interluders(working title)
4. 象を一撃で倒す文章の書き方/giant leap method
5. 手漕ぎボート/helmsman says
w/ タケウチカズタケ
1. 忘れられた処刑人
2. 注射器とカセットテープと公魚釣り
3. 棘/tweezers
the 3
1. 36th stratagem REMIX
2. 時巫女ノ森
3. Hot Water Pressure Washer
"Interluders"と仮タイトルのついた一遍は、このツアーに合わせて書き下ろしたものです。言ってみればインタールードの住人というような意味であり、いつかは形にしてみたいとつねづねおもっていたところの概念が元になっています。とくに公言していなかった気もするけれど、「小数点花手鑑」の英題として控えてあったくらいです。
ひとつの作品として完結させるというより、この先も書き足したり入れ替えたりしながらいつまでも終わらずにつづいていくような、そんなイメージで書いています。コンセプトをキープしたまま、聴くたびに言葉と情景がちょっとずつ遷移していく、そんな一遍があってもいいとおもうのです。あくまで理想なので、言うほど変わらない可能性もありますけども。
「手漕ぎボート」、「象を一撃で倒す文章の書き方」、「Hot Water Pressure Washer(exダイヤモンド鉱)」は、"角の店で見たカッコいい靴"でつながる靴シリーズ三部作ですね。たしかオントローロでは一度やったことがあったとおもいますが、このツアーで初めて三部作だったことを知った人もいたみたいなので、やってよかったです。よかったよかった。
ともあれ、現時点ではこれが今年のライブ納めということになります。東名阪でありながら仙台、福井、長野、三重、広島からいつも変わらずに来てくれる人がいたり、かとおもえば青森や島根から初めて足を運んでくれた人もいて、そのよろこびはちょっと言葉に尽くせません。
それから今回は、5年以上前に仕事で「万年塀」を検索していたらなぜか僕のブログがヒットしたという人や、LINEスタンプ「鶏肋印」から僕を知った人が、巡り巡ってとうとうライブにまで辿り着いてくれたという、紆余曲折すぎるうれしい邂逅もありました。
そんなことがあったらいいのにと淡い夢を抱いていた気はするけれど、本当にあった……!と感慨もひとしおです。僕のライブ頻度からして、これを奇跡と呼ばずに何と呼びましょう。
あらためて、本当に本当にありがとう。お目にかかれて幸せです。じゃあもっとライブやれよと言われそうですが、それはまた別の話なのでほとぼりが冷めたころに別途相談させてください。
そしてこんな僕がこうしていられるのも、カズタケさんと純平さんのおかげです。観た人はみんな例外なく実感しているとおもいますが、このお二人と並んでイベントの一端を担わせてもらえる僥倖もやはり、筆舌に尽くしがたいものがあります。あ、あり……(感極まっています)、ありがとうございました……!
SoloSoloSoloTOUR 2019、これにて閉幕です。写真がどれも中途半端だなとかそういうことを言ってはいけません。
またいずれ、そう遠くない未来に同じかたちでご挨拶できることを心から願って!
よいお年を!
味仙
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