それで、えーとどこまで話しましたっけ?
まさかこの期に及んでアルバム関連作業が完全にストップすることになるとは思いもよらなかったので、先週までじぶんが何をしていたのかすっかり忘れてしまいました。アルバムが出るという事実さえうっかりすると過去のものになりかねないところであった。いえ、出るのはもう決まっているのだけど、僕がそれを忘れるという意味です。やれやれ!
それで、えーとどこまで話しましたっけ?
内容物がふえて価格も異なる、特装版の話はしましたか?
今回の「オーディオビジュアル」、全国のCDショップ各店に流通する通常版は1,995円ですが、それとはべつに、渋谷Flying Books店頭および通販のみで販売される
3,000円の特装版がございます。
楽曲についてのあることないことが虚実織り交ぜて強引につめこまれた「
オーディオビジュアル取扱説明書」、
アートワークが1点、あれ2点かな?が付くばかりか、ご購入いただいた方にはさらに、「スポークン」をテーマに厳選された濃度オーバーなソウルミュージックのコンピ、「
テアトルパピヨンのBGM」がおまけとして同梱される業火版
まちがえた。(燃やさないでほしい)
豪華版です。コンピCDはおまけ扱いですが、にもかかわらずそこはそれ、すべてをじぶんでまかなえるダイゴくんのこと、ジャケットや盤面のデザインまでしっかり用意してプレスに出しているので見劣りは一切ありません。
タイトルロゴまであらたにこしらえる周到ぶり。あとそんなことするのはたぶん僕だけだとおもいますが、すべての曲に
邦題をつけています。
その一例: "Soul Strut" →「シカゴから来た男のダンス教室」
どうしてこんなタイトルがついているのかは、もちろん聴けばわかります。
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取扱説明書というのは、「オーディオビジュアル」を補完するものです。なくても全然かまわないけれど、あれば3倍はたのしめます。タイトルや詩にふくまれる言葉の意味から、制作に関するちょっとした裏話、あるいはCDだけならインタールードは単なるインタールードでしかないけれど、説明書をよむとほかの作品とほのかにリンクしていることがわかる、というようなことですね。
すこしさかのぼった話をすると
「詩人の刻印」にある文言「anulus signum habet」は「指輪には刻印がある」という意味のラテン語です。僕の右手には十数年前からはめっぱなしにしている指輪があるんだけど、その裏にはじっさいある単語を刻んであるんですよね。つまり「詩人の刻印」とは「詩人であることを運命づけられた」というような矜持に満ちた意味
ではなくて、むしろ逆に、そしてもっとシンプルかつ直接的に、詩人であることをしぶしぶ受け入れると決めて
指輪に刻んだその単語を意味しているのです。矜持としての意味がないわけではないし、仮に100%そう受けとられてもそれはそれで全然かまわないとおもうから、それ以上の意味について今までふれたことはありません。でもその裏に別の意味があるというだけで、それまでの印象がちょっと違ってきませんか?
補完というのはだから、足りないものを補うというよりも、100%を120%に押し上げるものであり、その世界観をより強固にするという意味です。
小林大吾における、彼の彼たる真骨頂がここにあります。
たぶん。
なかったらすみません。
でもその価値はあるとおもいたい。体裁その他についてはまた次回…あの、忘れなければ…
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あと、そうだ!リリパがあります。なるべく近いうちにアナウンスするつもりでいますが、正式な発売日よりもたぶん
めちゃめちゃ早いです。それはもう、びっくりするくらい早い。
そしてここで手に入るのはたぶん「特装版」のほうなので、とりあえず聴ければOKというリーズナブル志向の御仁は発売日をお待ちくださいませ。それだけ見たらリリックだとは到底おもえない、ブックレットの尋常ならざる完成度を考えると、通常版でもじゅうぶんに破格です。
ブックレットだけ昨日届いたんだけど、多少は凝ったつもりでいた「詩人の刻印」のブックレットがしょっぱく見えてくる別次元の仕上がり。比較になりません。個人的にはこれができただけでもう永眠準備万端です。すごい!
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しかしこんないっぺんに更新せずに、毎日ちょっとずつやればいいのにねえ。
イヤもう何しろものぐさなもので