2016年4月30日土曜日

椎名純平×TRINCHの身に余るうれしいお知らせ

先ごろお披露目となった椎名純平さん(@junpeishiina)のマーベラスなアルバム「…and the SOUL remains」、そのアートワークを縁あって僕がまるっと手がけさせてもらったのです。


このアルバムについてはもう、内容自体の魅力はもちろん、お話をいただいた際いかに感銘を受けたか、またいかにしてこのデザインになったか、そしておそるおそるイメージを提示したときに起きたちいさなミラクル等々書きたいことがいろいろあるので、次回は忘れずにそのお話をするとここでお約束いたしましょう。なぜ次回なんだとかどう考えてもそっちを先にすべきじゃないのかとかそんなちいさなことを気にしてはいけません。僕は僕で毎日のように「よし、明日は書くぞ」と決意を新たにしているのです。

それはさておき、そのリリースを記念して、5/10までの期間限定でオープンしているTRINCH別館に、アルバム関連グッズが並ぶことになりました。「わが生涯に一片の悔いなし」とラオウよろしく拳を高々と突き上げたいきもちでいっぱいです。純平さんありがとうございます!


TRINCH別館

別館は連休明け、5/10までの期間限定です。こんな離れ小島からぶんぶん手を振って気づいてもらえるかどうかわからないけど、椎名純平ファンのみなさま、どうか見にいらして!




2016年4月26日火曜日

【期間限定】TRINCH別館のお知らせ【〜5/10まで】

https://suzuri.jp/TRINCH_annex/products

記事のタイトルで言いたいことはぜんぶ済んでしまったような気もするのですが、5月10日(火)までの期間限定で、TRINCHの別館がオープンしています。なぜ別館なのか、なぜ期間限定なのか、またなぜ17年ゼミは17年ごとに大量発生するのか、それはさておきとりあえず今回かぎりのアウトレット的なラインナップですので、本館のほうのアレがこっちにあったらよかったのにとかそういう野暮なことは言わずに、よろしければお立ち寄りくださいませ。

クリック!

一見ハートウォーミングなこれも

ひっくり返すと印象が反転します


気が向いたら本館もね

2016年4月21日木曜日

同じ宅配便の不在票を1日に4枚受け取ったこと


在宅だったはずなのに、気がつくと宅配便の不在票が玄関にひらりと落ちているのです。トイレに籠っていたのか、鼻ちょうちんでうとうとしていたのか、それとも渡辺美里の「センチメンタル・カンガルー」と「恋したっていいじゃない」を2曲つづけてヘッドフォンで聴きながら熱唱していたからか、そのへんは定かではないけれど、とにかく宅配便の人が来て不在であると結論づけられたのはたしかなようです。

しかたがないから電話で再配達をお願いすると、わりとすぐに来てくれそうな感触です。そろそろ家を出なければいけない時間なのでためらいつつも、せっかく来てくれるというのだから煮卵でもこしらえて待つことにします。仮に間に合わなかったとしても煮卵ができるのだからそうムダにはなりません。

そんなこんなで卵を茹でながらぼーっとしていると、玄関のほうで何やら物音がするようです。おや、とおもって見に行くとまたもや不在票がひらりと落ちていて、目を疑います。ちょっと卵に気をとられただけで呼び鈴を聞き逃すのだから、まったく油断もすきもない。しかしこれなら間に合うとあわててサンダルをつっかけて階段を転がるように降り、どうにかこうにか宅配便のお兄さんをつかまえて荷物を受け取ることができただけよしとしましょう。まだ卵を茹でている最中だったから結果として煮卵の分だけ家を出るのが遅くなってしまったわけだけれど、おかげで明日の朝食が一品増えるのだからそれもまあよろしい。問題はそのあとです。

夜、帰宅すると玄関に見慣れた1枚の紙がひらりと落ちていて、目が飛び出ます。ひょっとして会社がちがうのかなとおもったらそれも同じで二の句が告げません。この日はすでに2枚ここで不在票を拾っているはずなのに、なぜまたここにそっくり同じものが落ちているのか?

よくよく見ると、どうやら再配達をお願いした荷物がこれで、先に受け取ったのはたまたま別の荷物がタイミングよくやってきただけだったらしい。というか、同じ会社の宅配便が1時間程度の誤差で別々に届くなんてことがそもそもあるのか?(片方がクール便とかそういうものでもない)

どうも釈然としないようだけれど、ぶつくさ言ってもしかたがありません。今度は20時〜21時の夜間指定で再配達をお願いします。

なんとなくお察しいただけるとおもいますが、今年に入ってからの僕の間の悪さはちょっと尋常ではありません。数十分、もしくは数分、ひどいときには十秒くらいの差で行き違ってばかりいます。ほんのちょっとずれていたらそれだけで何の問題もなく出会えていたはずのものを、見事なまでの間の悪さで毎回ことごとく取り逃すのです。外すならここしかないというタイミングを一寸の狂いもなくピンポイントで押さえてきます。

電車のドアは行きも帰りも目の前で閉まるし、ふと思い出してスーパーに駆け込もうとすれば目の前で電気が消えるし、ほしかったレコードは目の前で持っていかれるし(今年はそれが2回あった)、急用で家を空ければ「近くまで寄ったんだけど会える?」とめずらしく知人から連絡が入るし、トイレに入れば呼び鈴が鳴るし、風呂に入れば電話が鳴るし、ちょっと一服しにベランダに出ればもう不在票が入っているのです。そういえば信号もいつも赤な気がする。

なのでもう、20時から21時の間は何もしないと固く心に決めて、ひたすら正座でじっと待ちわびてみたのだけれど、さすがにまあ、そこまでしなくたっていいようなものだし、一服でもしようとベランダに出てふと足が止まります。まさかこの数分の間に来たりしないだろうな?もう数分、待ってみるべきだろうか?

いやいや、そうやってためらうときにかぎって、その数分のためらいのせいで取り逃したりするんだ、気にしすぎだよ、しかし今年は本当に間がわるいからなあ……まさかな……いやいやそんなことをうだうだ考えている間に一服してしまえばいいじゃないか、とネガティブな考えを払いのけつつ、ベランダに出て後ろ手に窓を閉め、煙草に火をつけ、フーと吐き出そうとしたところで、かすかにピンポンと聞こえたような気がするのです。嘘偽りなく、本当に、つい今しがた打ち消したばかりのこのタイミングで。気のせいだろうか?

実際ここまでくるともう、どんな物音もぜんぶ宅配便という気がしてなりません。しかしいまのじぶんの間のわるさレベルを考えるとたぶん気のせいではない、とあわてて点けたばかりの火を消して玄関にすっ飛んでいくと、案の定そこにはこの日だけでもう3枚くらい見たはずの紙がひらりと落ちかかっています。

ドタタタ

ガチャッ

バタン

ズデン

ゴロゴロゴロ

待っ

ちがうの、ざっ

在 宅 な ん で す……!


そんなわけで今年はもうすでに取り返しのつかない重大な行き違いが気づいていないだけでいくつかあったんじゃないのか、もうすこし具体的に言うと食パンをくわえた美少女と曲がり角でぶつかってフォーリンラブの機会をいったい何回スルーしてきたのか、考えただけでも血ヘドを吐きそうになるのです。

2016年4月15日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その245


ひん死の重傷を負った青年が緊急搬送されてきたので、ひとまず運び入れています。

東海道中ヒザ蹴りでさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がなんとなくつけています)


Q: 就職活動中に彼女に振られました。僕は何をどうすれば良いのでしょうか?


傍目から見てもたいへん気の毒な事態です。何もこれから海へ漕ぎ出そうというときに、船底に穴を空けていかなくたっていいようなものですが、いやまったく、人生とはかくも無情であるかとしみじみため息をつかずにはいられません。まあお茶でもお飲みなさい。

ズズー

いただいたメールには結果しか書かれていなかったので、具体的に何が起きたのかはわかりませんが、望まぬ別れだったことはたしかなようです。つらいですね。考えたくないのにすてきな思い出ばかりがフラッシュバックして、その喪失感にごろごろとのたうち回り、何も手につかなくなるそのきもちは、僕もよくわかります。すくなくとも瞬間的には、世界不幸ランキングにおいて5ケタくらいは順位が跳ね上がったはずです。ランキング上位にはまだ40億人ほどひしめいているとはおもいますが、いずれにしても就職活動どころではたしかにありますまい。

何をどうすればよいか?

とっておきなのであまり大っぴらにはしたくないのだけれど、出し惜しみしてもいられません。この際だから僕が知るかぎりこの世で最も含蓄に富んだ処方のひとつを、ここに記しておきましょう。

今から20年ちかく前、トム・ウェイツがジャマイカでジョン・ルーリーと釣りをしていたときの話です。彼はボートの上で釣り上げた魚を、あろうことかパンツの中に入れようとします。

Tom Waits: "That's what I've usually done in the past when I've been depressed.(昔からヘコんだときはいつもこうしてたんだ)"

なぜ魚を、そしてなぜパンツなのか、それは大した問題ではありません。重要なのは釣った魚をパンツに入れることであり、その結果もたらされる気分が "I'm Alright." であるということです。すくなくともトム・ウェイツは魚をパンツに突っ込んだのち、何ごともなかったかのように再び釣り竿を手にしてそのまま釣りをつづけています。是非などはなからお呼びでない、これ以上に単純明快な手の打ちようが他にあるだろうか?

なので今度の休みはぜひ、釣り竿を持って湖なり渓流なりに行きましょう。替えのパンツを持っていくかどうかはそのときの気分におまかせします。いっぱい釣れたらバーベキューもいいですね。ついでと言っちゃなんだけど、またそういうときにひょっこり、運命の人と出会ったりするものですよ。


A: 釣った魚をパンツに入れることです。(You should put a fish in your pants.)


就職活動がんばってください。




質問はいまも24時間無責任に受け付けています。

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その246につづく!

2016年4月12日火曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その244


天上天下Youがジャクソンさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がなんとなくつけています)人はみなジャクソンであってただそれだけで尊いという、釈迦の言葉ですね。


Q: 「生理的に受け付けない人」を受け入れられるようにするにはどうすればいいでしょうか?また、「自分のことを生理的に受け付けない人」に受け入れてもらうにはどうすればいいですか?


「生理的」というのは言い換えれば「本能的に」という意味です。本能である以上、そこに理屈はありません。イヤなもんはイヤだし、結論としてはそれがすべてです。

たとえば六本木ヒルズの上にある森美術館はいつも企画が良い上にエッジも鋭い、日本が世界に誇る美術館のひとつですが、僕は高所が苦手(樹上を除く)なのであまり行きません。ちょっとそそられる企画展がひらかれるたびに舌打ちしています。たまたま近くに手ごろなドラム缶があれば腹いせにドロップキックをお見舞いしているはずです。まったくもって忌々しい。

だいたい美術館を地上から200メートル以上の高さにつくる必要がどこにあるっていうんだ?飛行中の旅客機が轟音とともに館内を通過するとか、そこでしか味わえないエクスクルーシブな鑑賞体験があるならともかく、どのみち周囲を壁で囲うなら天空につくる意味なんて何もないじゃないか?

ともあれ、頭では整理できても心がそれに従わない、これがつまり生理的であるということです。

人であれモノであれ場所であれ、そういう理由で受け付けられないとしたら、それをしいて受け付ける必要はありません。同じ理由でこちらを受け付けてもらえないとしても、それはやはり、彼らの権利です。本能には本能なりの、窺い知れないたしかな理由が、たぶんある。

ただし、「生理的」とはある種の思考停止を示す表現です。本能であり、理屈を必要としない以上、その先は問答無用であって、一切の追求を拒否します。裏を返せばこれひとつで何も考えずにすべてをシャットアウトできるのだから、これほど使い勝手のよいジョーカー的表現は他にありません。そもそも実際に生理的であるかどうかすら、ここでは問われないくらいです。

だとすると、そこにはひとつの疑問が生まれます。その拒否感は本当に「生理的」なものなんだろうか?

生理的ならしかたがないと先に書きましたが、高所や閉所といった空間や、食べものの好き嫌いといった嗜好ならともかく、人が人に対して生理的に云々というのはいささか釈然としないものがあります。生物が同じ種に対して本能的に避けるなんてことが本当にあり得るんだろうか?

もちろんないとは言いません。ただ、考える前に止めた思考を再開することで、わかることもおそらくかなりあるはずです。拒否するならするでいいけれども、それが本当に生理的なものであるかどうかを検証してみてからでも遅くはない、ということですね。そしてもしそこに理由がみつかるなら、また個別に対処のしようもありましょう。たとえば「この人は鼻の角度がわたしからすると鋭角すぎる」というのなら、人ではなくその鼻の角度に対して向き合いかたを考えればよいのです。そうして真摯に向き合った結果、ダメならそれでいいじゃないですか?好意はないかもしれないけど、すくなくとも誠意はあると僕はおもいます。

そして逆に「どうしたら受け入れてもらえるか」ということのほうですが、どちらかというと「生理的に受け付けないボックス」にまっすぐ放り込まれがちな作品ばかりをせっせとこしらえてきた僕としては、それができてりゃ今ごろ人気者だよ、と吐き捨てるように申し上げるほかありません。そんなことは考えるだけ詮無いし、重要なのは受け入れられない人に受け入れてもらうことではなく、そのために心を砕かずとも受け入れてくれる人がたしかにいるということです。それ以上に何を望みましょう?


A: 本当に「生理的」なのかどうか、まずは検証してみることです。


ふとおもったけどこれ、僕に対する皮肉とかそういうことじゃないですよね……?




質問はいまも24時間無責任に受け付けています。

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その245につづく!

2016年4月8日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その243


過日のTRINCHセールは大盛況のうちに幕を閉じました。ご参加くださったみなさま本当にありがとう!画像と商品説明だけでもお楽しみいただけるコンテンツですので、まだご覧でない方もよろしければ一度お立ち寄りあそばせ。


アーサーがきたさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がなんとなくつけています)黒田アーサーの人生を描いたNHKの連続テレビ小説ですね。


Q: 好きな人が愛を伝えてくれません。どうにか茶番に巻き込み、「アイシテル」と形だけでも言わせたいのですがうまくいきません。言葉の上だけでもその五文字を言わせるには、どうすればいいでしょう。


花と花の間をくぐり抜けていく春風のように朗らかなご相談です。春はまた別れの季節でもありますが、おふたりの距離は変わらず隣り合っておりますでしょうか。次はぜひ、あの手この手で攻めつつも毎回あっさり返り討ちに遭う、その顛末をつまびらかに報告してください。

これまですべてにお答えできてはいなかったとおもいますが、じつはこの手のご相談、わりとよくいただいています。相手に対して「もうすこし愛情を表現してほしい」と望んでおられるパターンですね。どういうわけか多くの場合それを望むのは男性で、おたよりをくださるのが女性であっても、ラブ全開な相手に応えるべきか否かに視点が置き換わっているだけで、内容はほぼ同じです。なぜでしょうね?

時代なのか、一般的な男女差なのか、もしくはそういう人だけがここに吸い寄せられるのか(そんな気がする)、いずれにしてもふだん言わないような人に愛情を表現してもらえたらそれは誰だってうれしいし、返り討ちに遭えば遭うほど立ち向かっていきたくなるきもちは僕もよくわかります。

よろしい。それが本当に愛情からくるものかどうかはこの際気にせず、せめて音だけでもということであれば、打つ手がないこともありません。紙と鉛筆を用意して、ただこう書けばよいのです。


A: 紙に「ICTL」と書いて音読してもらいましょう。

ただ今回の場合、アーサーがきたさんの仰る「好きな人」も同時に質問を送ってくださっているので、たぶんここ、ふつうに読まれてるとおもいますけど。




質問はいまも24時間無責任に受け付けています。

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その244につづく!

2016年4月4日月曜日

帰ってきたTRINCHセールのお知らせ

帰ってきた、というのはセールよりもむしろTRINCHそれ自体を指しているような気がしますけれども、ともあれ今年も帰ってまいりました。TRINCHの商品が月曜の正午(今日ですね)から3日間、全品500円OFFになります。


TRINCH

対象期間:4月4日(月)12:004月6日(水)18:00
割引額:1点につき500円OFF

それに伴い、こんなこともあろうかとずっと温存していた、もしくはこしらえたままアップし忘れていた安田タイル工業設立80周年記念グッズその他数点を追加しています。ひょっとしたらまだ8周年くらいだったかもしれませんが、目玉はもちろんロゴ入りマグです。


うむ、そいつァお得で耳寄りだ、しかしTRINCHって何だっけ?と眉間にしわをお寄せになるのもムリはありません。小林大吾は周囲に人が見当たらないというたいへん切実な理由からグラフィックまで手がけざるを得なくなった詩人ですが、このグラフィックの側面のみをまるごと切り抜いて独立させたのがつまり、TRINCHです。基本的にはKBDGのことなどご存じなくとも楽しめるように配慮しつつ、アルバムをお持ちの方ならそのスピンオフとしてより一層お楽しみいただけます。せっかくなのでとりあえずズッキュン(商品画像の右上にあるハートマーク)だけでも100回くらい押しておいてください。