2009年12月31日木曜日

サンボ印の高級トラバター生産終了、ならびに少量追加のお知らせ






お客さま各位


平素は格別のお引き立てをたまわり、厚くお礼申し上げます。

ご好評をいただいております弊社謹製「サンボ印の高級トラバター」ですが、あと1時間で今年もおわりだというのに予想をはるかに上回るスピーディな反響をいただき、あっという間にまさかの品切れとなってしまいましたことをここにお詫び申し上げます。まことにもうしわけございません。


香り高くもコクのあるなめらかな舌ざわりがホットケーキにぴったりと、創業から今年で110年をむかえる今なお絶賛の声を数多く頂戴します弊社トラバターも、世界各地における野生トラ(とりわけアムールトラ)の激減とその保護に伴い、近年はごく少量の生産とさせていただいております。お客さまにはたいへんご迷惑をおかけしてもうしわけございませんが、そのへんのアレな事情をご斟酌いただければ幸いです。

また弊社では今回、告知どころかろくろく近況報告さえしないこのていたらくにもかかわらず、お客さまの変わらぬご愛顧への感謝のしるしといたしまして、人気の「サンボ印の高級トラバター」を、わずか数点ばかりではございますが特例として追加でご用意させていただきました

ご応募の際には


1. 住所
2. 氏名

にできたらラブコールのひとつでもお書き添えのうえ、指定のアドレス dr.moule*gmail.com(*を@に置き換えてください)までメールをお送りください。受付は1月3日くらいまで有効です。


数に限りがございますので、今回の追加分に関しましてはすべて抽選となりますが、「それでもオラかまわね」という鷹揚な心をお持ちのお客さまには、この機会にぜひふるってご応募くださいますよう心よりお願い申し上げます。





ていうかみんなレスポンス早いよ!どうもありがとう!そして本当にごめんなさい。抽選、あなたに当たりますように!


そして今度こそよいお年を!

西池袋バター工場の黄昏



真夜中の山手通り沿い、仄暗い街灯の真下にバナナが1本落ちているのです。




ある時期まで道に落ちたバナナというのはマンガにしか出てこないシチュエーションだとおもっていたのだけれど、よくよく注意しながら歩いてみると案外あちこちにポツンと落ちているので、10年くらい前から見つけると立ち止まってなんとなく観察するようにしています。皮だけならともかく、1本まるまる落ちている場合もわりによくある。

バナナを1本だけ落としていく状況というのはいくら考えてもいまいち腑に落ちません。だいいち皮がちゃんとついているのだから拾ったってよさそうなものじゃないかとおもうんだけど、そのへんの事情をたずねたところでバナナは甘く熟れて沈黙を守るばかりです。あと経験からいうと、房ごと落ちているのを見たことはありません。落ちているのはいつだって1本だけです。それもおかしい。

突き詰めていくと(突き詰めなくたっていいんだけど)、1本のバナナが路上に横たわるまでのアクションがどうしても推し量れないのです。なんとなくわかるようで、大事な部分がどうもモヤッとしている気がする。どういうわけかバナナを食べ歩いている人は見かけたことがないし、僕自身てくてく歩きながら「あ、そうだバナナ食べよう」とかそんなの思ったことないから、どうすればカバンの中から南国の黄色い果実が1本だけニュッと出てくることになるのかいくら考えても全然想像できない。あまつさえそこに「落として拾わない」という正反対のベクトルをもったアクションが加わるのだから何をか言わんやです。儀式でもないかぎりこんなのってありえない気がする。どうなってるんだいったい?


 *



いうようなわけでたいへん忙しない12月だったのです。あとなぜか銀座の超高級老舗デパートの社員食堂でゴハンを食べたりしていた

(しかもスーツ着用)

(まちがっても就職活動ではない)

あれこれ雑事にとらわれて、気がついたら大晦日です。こんなに慌ただしい年の瀬はなかった。


 *


何度だって言うけれど、1年でもっとも好きな夜です。はじまりではなく、おわりでもない、あの永遠にも似たフェイドアウトには今もどきどきする壮大なスケール感がある。鳴りわたる鐘の音はどこまでその余韻を伸ばすんだろう?


 *


なのにまだ年賀状を書いていない。大きな心残りがあるとすればコレです。ほんとうはまた年賀状キャンペーンをしてみたかったんだけれど、今年はぜんぜんムリでした(さすがにこれだけブログをほったらかして今さらこの指止まれもないだろうというわりに現実的な判断含む)。去年のブログを読み返してみたら12月の初めには募集を開始していて、その周到さにビックリしたくらいです。それでもたいへんだった記憶があるのに…。

だからもういっそ今年は年賀状をやめようかともおもったんだけれど、ここ数年こつこつつづけてきたことだし、やっぱりつくろうと思い直したのが3日くらい前で、刷り上がったのが昨日……やれやれ!除夜の鐘を聴きながら宛名書きだ。


そんな苦心の末にできあがった最高傑作が、サンボ印の高級トラバターです。(意味がわからない人は誰かにきいてください)↓




やったぞダイゴくん!


 *


さてじつはここからが本題(!)なのですが


苦節3日、わが社が自信をもって送り出すこの最高品質のバター(的年賀状)を、こんな瀬戸際でもブログを見てくれるあなたに差し上げます。(書いてるそばから冷や汗がたれてくるな)

1. 住所
2. 氏名

を明記して、dr.moule*gmail.com(*を@に換えてね)宛にメールしてください。


どう考えても大晦日に言うようなことではないし、数もないので、先着で10人くらいが限度なのですが、でもあの、たぶんほとんど見てる人いないので、大丈夫です。年賀状の暗黙ルールを無視して年明け3日くらいまでお待ちしています。もし何かのまちがいで定員をこえてしまったらすみません。でも大丈夫です、たぶん。


そして来年は2008年にいただいた山のような質問をちょっとずつでもさばいていきたい……半数以上がもうこんなブログ読んでないとしても!ごめんなさい!


 *


それでもこりることなく見守ってくれて本当にありがとう。来年は3枚目のアルバムについて、ここからいっぱい発信していくことになりましょう。ちょっと意外なアルバムタイトル含め、以前とはまた趣のちがった1枚になるはずだし、話したいこともいっぱいあるのです。


ありがとう!そしてよいお年を!


長いな、しかし!

2009年12月9日水曜日

新・黒いパンサー 最終話「長いお別れ」



<前回までのあらすじ>
わりと硬派な忘年会のカラオケでうっかり名曲「見知らぬ国のトリッパー」を歌って組織のひんしゅくを買い、命を狙われることとなった「黒いパンサー」こと愛作平三(あいさく・へいぞう)。持ち前のタフネスとひねりのきいたトンチで数々の難局を切り抜けてきた彼だったが、アルプス山麓でヨーデルの練習中、ヤギ3頭と引き換えに裏切った牧童ペーテルの密告によってとうとう組織にその身を引き渡されてしまう。絶体絶命の危機に陥った平三に打つ手はあるのか!?二転三転する予測不能の展開に1秒たりとも目を離せないハードボイルド巨編、ついに完結!哀しみのヨーデルに心がふるえる…

テーマソング



 *


「さて、お祈りの時間だ」
「祈る相手なんかありゃしないよ」
「かつての仲間に銃を突きつけられる気分はどうだ?」
「あんまりいいものじゃないね」
「まだひっくり返せる気でいるのか?」
「何をだ」
「この状況をさ」
「いや…さすがにあきらめた」
「らしくないじゃないか」
「らしくあってほしいのか?」
「遠慮しておくよ、お前のこわさはよく知ってる」
「だろうな」
「何か言い残すことはあるか?」
「そうだな…」
「なければこれでさよならだ」
「あるといえば…ある」
「言ってみろ」
「ヨハネスブルグに妹がいるんだ」
「そうだったな。アフリカ作戦のときに会ったよ」
「きれいだったろう?」
「ああ、美しい女だった」
「おれが消えたら天涯孤独の身になる」
「気の毒なことだ」
「彼女の世話をたのみたい」
「なんだと?」
「彼女の面倒をみてやってほしいんだ」
「笑えない冗談だな」
「冗談でもなんでもないさ」
「相手を見てものを言え」
「だから言ってるんだよ」
「仮に約束したとして、それをおれが守るとおもってるのか?」
「おもってるとも」
「救いようのない馬鹿だな」
「だからこうしてつかまってるんじゃないか」
「無様なもんだ」
「たのんだぞ」
「託すのは勝手だが、おれの知ったことじゃない」
「そう言うだろうとおもったよ」
「もういいだろう。おれにも立場ってものがある」
「それから…」
「呆れたやつだな、まだあるのか」
「あいつに伝えてほしいんだ」
「何だ」
「今週…12月12日の土曜にある<スイカだけ夜話>を忘れるなと」
「なんかの暗号か?」
「そのまんまだよ。場所は青山 月見ル君想フだ」
「よくわからんが伝えておこう。気は済んだか?」
「そうだな。もういい」
「さらばだ、黒いパンサー」

ガシャン

「だれだ!」
「おいおい、そいつはおれの獲物だぜ」
「む、おまえは…!」


 *


今さら言うことは何もありません。みんな元気かなあ…

2009年12月8日火曜日

すべてを水に流す重要な業務連絡




ジャー

ゴボゴボゴボ


(何かを水に流しています)




ピンポンパンポン


業務連絡!業務連絡!

あたらしいアルバムにおさめられるべき詩のすべてが出揃いました。

ミックス、マスタリング、デザインその他もろもろはこれからだし、なんだまだそんなところにいるのかよとそっぽを向かれることもよくわかっていますが、それでもだいじなことなのでくりかえします。

あたらしいアルバムにおさめられるべき詩のすべてが出揃いました。

「もういいよ、いつまでたっても出る気配ないし」と愛想を尽かして出て行っちゃった人は至急帰ってきてください。

くりかえします。

お願い!帰ってきて!

ほんとに出るし、古川さんもよろこんでくれてるから!

ほとんどテーマパークのようだった前作とはまたちがう趣きをまとった今回は、あっ時間が

わ、忘れかけてたSUIKAの告知もしないといけないのに、そ



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