2009年3月30日月曜日

巣鴨プリズンの上に建つ昭和のオベリスク


先日、家族のように心安い付き合いをつづけている近所の姉さんが部屋を引き払って実家に戻るというので、せっかくだからこの際いかにも池袋的なものを見納めておこうと町をうろつくことになりました。

そういうわけで最後にのぼったのはいったい何年前のことになるのか、東京タワーとちがって近ごろではほとんど顧みられることもない昭和の超高層オベリスクのひとつ(もしくは巣鴨プリズン跡地)、池袋はサンシャイン60の展望台をたずねてきたのです。


展望台ではランドマークタワーに劣り、ビルの高さでも都庁に負け、六本木ヒルズには展望台の高さこそ上回っているものの圧倒的な華やかさで相手にもされない健気なサンシャイン60…。

しかしご存知か。ここには他にないおおきな魅力として「スカイデッキ」という名の屋上があるのです。

地上230mからの眺望を心ゆくまで堪能できる現代の空中庭園がこれなのであります。イヤッホウ!




…とおもったらヒルズにもスカイデッキがあって、しかもそっちのほうが高く、あまつさえずっと開放感にあふれているらしい。


…。


そういえば僕らがたずねたこの日はちょうど展望台でコスプレ撮影会が行われていて、あちこちの窓でキメにキメたコスプレイヤーたちが夜景をバックにぱちぱちとシャッターを切りまくっていたのです(当然だし残念だけど一般客の撮影は禁止)。まさかそんなイベントが催されていたとは知らず呆気にとられる一般客との温度差もそりゃあたいへんなものだったけど、しかしこれこそヒルズなんかではぜったいに味わうことのできない、池袋ならではのハイブリッド感覚というものじゃないか!ちっとはこの懐の広さを見習ったらどうだ。

ときどきヘンなフェロモンが局所的にただよったりして、じつに微笑ましい光景であった。



あ、これ記念コインです。


日付を刻印できるんだけど、機械がものすごく古いから1文字打つたびにバチコーン!バチコーン!とアクシデント的な打刻音が辺りに響きわたって、いたたまれなくなりました。


 *


おまけ:南池袋の近くにある弁当屋さん


…にあった貼り紙

2009年3月29日日曜日

ダイゴくん5年ぶりに機種変更をするの巻


3月いっぱいで第2世代が使えなくなるというのであわててソフトバンクのショップに駆けこんできたのです。

「いらっさいませ」
「機種変更をしたいのです」
「かしこまりました」
「間に合ってよかった」
「そうですね、2010年には使えなくなりますから」

…。


「2010年?」
「2010年です」
「今年は…」
「2009年ですね」
「じゃ来年?」
「来年ですね」


注:焦る理由など何ひとつなかったことに計り知れない衝撃を受けながらも、つとめて平静をよそおうダイゴくん


「いっそiphoneにしちゃうつもりなんです」
「ありがとうございます」


注:おもいきった決断をすることで内心の狼狽を打ち消そうとしています


「白と黒どちらになさいますか」
「白がいいです」
「かしこまりました。ではですね、こちら他のケータイと少々事情がことなりますので、ご説明をさせていただきます」


注:いろいろとややこしい説明をうけています


「やっぱりiphoneやめます」
「かしこまりました」


多彩な機能と流麗なグラフィック(←これをタッチパネルで操作してるとたしかにめちゃめちゃほしくなる)は他と比べて明らかに群を抜いていたけども、持っているからといってべつに僕がすごくなるわけではないし、ふとサルみたいにずーっとiphoneをいじくり回しているじぶんの姿が脳裏に浮かんで、一気にしおしおときもちが萎えてしまいました。

そういうわけでけっきょく何でもないふつうのケータイに換えてきたのです。


*今回の機種変更における最大のメリット

・アンテナがついていない
・「全員に返信」ができる
・写真をふつうに送受信できる
・黄色い


それにしても欲しくないものの中からぜったいにひとつ選ばなくてはいけないことほど不毛な行為って他にあるだろうか?

控えめでもまだ濃すぎるメタリックな質感といい、ラグジュアリーな色彩といい、売り場をみていると場末のブティックが思い出されて暗いきもちになります。たぶんソフトバンクだけなんだろうけど。

やれやれ。

2009年3月26日木曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その87


カピバラまくらさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)ふかふかしてきもちよさそうですね。



Q: ダイゴさんは、知人の鼻から鼻毛がでていたらどうしますか?何とか相手に恥をかかせずに、伝えてあげたかったんですけど。。。何か、うまい方法はありませんか?



鼻毛のふるまいによってボーナスの査定が変わるわけでもないだろうし、禍根としてのこるような話でもないから、そっとしておいてもいいような気がするけれど、社会の荒波をせっせと漕いですすむためにはそういうわけにもいかないんでしょうね。


あらためて考えてみるに、ここで気になるのは鼻毛の出ている相手(仮にH氏としておきましょう)が、どこに恥ずかしさを覚えるかという点です。

1. 鼻毛が出ているという事実そのもの
2. 人にそれを見られること
3. 知人にそれを指摘されること

H氏がその事実に気づかないかぎり、基本的に世界はとても静かです。鼻毛が出ているからといって声を上げて笑うバカもいないだろうし、それを見たからといっていつまでも覚えている人もたぶんいません。このさき生きていくうえで明らかに不利な条件を突如として背負ってしまったわけでもないし、何というかまあ「出ちゃった」というだけのことです。

また仮にH氏が家に帰って部屋の鏡をみたときに気づいたとしても、それほど羞恥心に打ちのめされるとはおもえません。「やっちゃった!」とはおもうかもしれませんが、打つ手としてはハサミを持ち出してチョキンとやるだけだし、たぶんそれで事は済むはずです。誰かに見られたかもしれないけれど、見られてないかもしれない。その不確定性がH氏の羞恥心をカルピスのようにうすめ、ごくごくと飲み干し、忘れることを可能にしてくれるのです。

しかしそれを知人に指摘された場合、その不確定性は一瞬にして消え去ります。先の例で言えばカルピスを原液で飲むことになるのです。何ごともなかったように飲み干すことなんてとてもできたものではありません。

言い換えるならば、H氏の羞恥心はあなたが鼻毛をみとめてしまった時点からコチコチと動き出す時限爆弾へと変貌するのです。どうにかして羞恥の種を取り除いてあげたいとおもうきもちそれ自体がスイッチになるとはまたなんたる皮肉でありましょう。思いがけず話が大事になって書いてる僕も泣きそうです。

いっぽうで、あなたがそれを目撃してしまった事実も消し去ることはできません。近しい関係である以上、それを見てみぬふりで済ますのも冥利がわるい。

ではいかにすべきか?

じつに不本意ではあるけれど、ここで思い出してほしいのはあの悪名高きブッシュ・ドクトリンです。やられる前にやれ(ネガティブ)、あるいはもらう前にふるまえ(ポジティブ)という、大国限定の超法規的論理ですね。それがどれだけ物議を醸したかはいまだ記憶にあたらしいところですが、すくなくとも対鼻毛戦略においてはかなりの効力を発揮するにちがいないし、実際それを対鼻毛に適用するとこうなります↓



A: 気づかれる前に抜け



ちなみに僕もともだちの鼻毛が出ていたら「出てる」とストレートに伝えます。恥なんて怒りといっしょでそう長持ちするものでもないしね。ともだちとまではいかない知人レベルなら、そもそも鼻毛に目をとめたりしないです。

そういえば僕自身もこないだの日曜日、御大さいとういんこに「チャックがあいてる」とみんなの前で大々的に指摘されています。いくらなんでもデリカシーがなさすぎるとはおもうけどそれはまあいつものことだし、わりと平気なもんですよ。年齢的なものもあるかもしれないし、鼻毛とチャックで恥じらいの度合いが近いかどうかは僕にもちょっとわからないですけど。


ただまあ、気づかれる前に抜くことができるならこれ以上の大団円はないですよね、やっぱり。がんばってください。



 *



dr.moule*gmail.com(*を@に替えてね)


その88につづく!

2009年3月25日水曜日

パブロフの犬を呼ぶ紙袋について


「まったく更新されずに捨て置かれていたあの空白の日々」と書きながら、よくよく見たらそれでも思っていたよりちまちまと更新されていて、アレッとおもいました。なんだそれほど大げさな話でもなかったのだな。どのみちたいしたことは書いてないのだからそう気負わなくたっていいようなものだけれど。

 *

ところで東海から西の人にはコレ、紙袋をみるだけで何なのかわかるくらい有名なんだそうですよ。なんだかわかりますか?僕はぜんぜん知りませんでした。



…そしてこれがまた夢のようにおいしいのです。

2009年3月24日火曜日

お菓子のようなアイドルとヒッピーの巨人


日曜日はとあるイベントに足を運んで生しょこたん(と書くとお菓子みたいだな)を間近で眺めてきたのです。観客席に座るこどもたちに向かって「ここにいるみんなは戦闘力が高い」とやさしく話しかける姿をみて、「たしかに本物だ…」と感心してしまった。こどもが秘める無限の可能性について、そんなふうに表現するアイドルが他にいるだろうか?

おもったより地声が低いことに好感を抱きながら帰ってきました。

そしてそういうときに限ってカメラがない。ケータイのカメラはサムネイルしか送れない。第2世代だからあと1週間で使えなくなると、そういえばソフトバンクから無慈悲な通知が来ていた。

このさいiphoneにしてもいいような気もするんだけど、どう考えてもあの手の機械はぜったい長持ちしないので、二の足を踏んでいるのです。

通話とメールだけのシンプルな機種がひとつくらいあってもいいのに、ケータイって選び甲斐がないな。色もなんだか中途半端なのばっかりでもっとこうわかりやすい赤とか黄色とか、ブツブツ。


 *


夜は先日べつの世界へとぶらぶら去っていったヒッピー界の巨人ナナオサカキの追悼イベント「Beat Goes On vol.10」@Flying Books へ。盟友ナーガを筆頭に、ゆかりのある若手の面々がこぞって愛あるリーディングを披露しておりました。荷が勝ちすぎるので僕は遠慮してすみっこにいたのだけれど、なのるなもない(降神)のリーディングがあまりにすばらしかったので、やっぱり出なくてよかったとおもいました。

なのるなもないの純然たるリーディングを経験できるなんてめったにない機会だからあとでブーブー言ってやろうとほくそ笑んでいたのに、ギャフンと言わされて逆に凹まされる始末です。もう引退したい。

そんなこんなでけっきょく何もしていない僕にも、しかしナーガはおだやかに話をしてくれるのです。ただ話をしているだけなのに、敬意をもって接してくれていると心の底から実感させられる、あの日だまりみたいにやわらかな包容力はいったい何だろう。ナーガは僕にとって「詩について話をしたい」とおもえるただひとりの巨人です。

そしてまたそういう貴重な機会に限ってカメラがない。ケータイのカメラはサムネイルしか送れない。第2世代だからあと1週間で使えなくなると、そういえばソフトバンクから無慈悲な通知が(以下同文)
 

2009年3月22日日曜日

音楽界のナショナル・ジオグラフィックとは


世界中のヴァイナルディガーが全幅の信頼をよせる当代随一の雑誌、「WAX POETICS」!いまの僕にとっては、170円を手に近所の駄菓子屋までジャンプを買いに走った少年のころと寸分たがわぬきもちで、その発売を心待ちにしているただひとつの雑誌がこれなのです。

個人的永久保存記事↓

シビれて気絶してしまう…。なんて美しい紙面なの!


 *


基本的にはレアグルーヴという言葉で大雑把にくくることもできそうな、ソウル、ジャズ、レゲエ、ファンクといった黒人音楽からのアプローチによるレコード文化再考、というのが雑誌のスタンスなのだけれど、歴史に埋もれつつあるアーティストの完璧なディスコグラフィや貴重なインタビューが毎号はちきれんばかりにつめこまれていて、収められた記事がどれも胸焼けするくらい濃密です。内容の驚異的な充実ぶりにくわえて、資料的価値がめちゃめちゃ高い!

新旧の音楽家をおなじ俎上に並べてあらたな価値観を模索するアグレッシヴな姿勢とその革新的なコンセプト(プラス情熱)には、帽子を脱いで敬礼したくなるくらいの説得力があります。

とりわけ写真がハイクオリティで、なかにはめったにお目にかかれないヴィンテージものもあって、生肉を前にしたオオカミのように音楽的唾液腺がいやというほど刺激されます。音楽界のナショナル・ジオグラフィックと呼んでも言いすぎではないと心底おもう。

なぜって内容以前にただただ雑誌としてじつにまっとうなスタンスを貫き通しているし(かくあるべしというかんじ)、興味がなくても惹きつけてしまうだけの哲学と、根拠と、それらに裏打ちされた自信が骨組みとしてしっかりとある。


 *


多くの雑誌が淘汰されて書店のラックにもぴゅうぴゅうとすきま風が吹くこのご時世だし、ましてや今どき洋雑誌の翻訳なんてそんなのぜったいありえないと高を括っていただけに、だからその日本版が創刊されると知ったときは、どれほど心躍ったことでしょう。


そうして人知れずいそいそと買ってよろこんでいたら、ついこないだ、いまはなき "FADER JAPAN" で詩人の刻印を紹介してくれていたライターの河野さんが日本版の編集に携わっていることを知りました。まじで!

そういうわけで万人受けする雑誌ではとてもないにもかかわらず、ここで触れずにおくわけにはどうしてもいかないのです。応援する理由がまた増えた!


そういえばNYにあるWAXPOETICS本部のドキュメンタリーを映像でみたけど(NHKスペシャルでやってたなんて知らなかった!)、これもすごくおもしろかったです。NHKに取り上げられるってそれだけでもその意義がわかるというものでしょう?


今号の特集記事(抜粋)

・Bill Withers
・WATTSTAX
・Les McCann
・Q-TIP
・MF DOOM
・レコードの洗いかた

2009年3月20日金曜日

のどもとをすぎて熱さをわすれる話 (1)


まったく更新されずに捨て置かれていたあの空白の日々に僕がいったい何をしていたのか、ようやくすこしずつお話しできそうな兆しが見えてきました。といってもべつに多くのことを手がけていたわけではないし、どちらかといえば実質的な作業時間よりも悶々としながら膝を抱えていた時間のほうがよほど長かったのだけれど、それでもたちこめていた霧がゆっくりと晴れゆくのを実感できるのはやっぱりうれしい。やれやれ!

わたしたちが知りたいのはそんなことじゃない!と言われてしまえばそれまでですけれど、しかしまあお待ちなさい。人生とはこうした一見遠回りにも見える道筋にこそ、だいじな何かがかくされていたりするものなのです、たとえば3枚目のアルバムにつながるヒントとか、むにゃむにゃ。

あるいはこの際ひらき直って「これもまたおれの詩だ!」とデッドマンみたいにかっこいいことを言っておいてもいいような気がする。

だってホラ、この可愛らしさをご覧なさい!


…日本の古書業界最大のメッカ、神保町から発信される業界DM。我ながら人目につかないところでじつにイイ仕事をしているとおもう。なぜいつも人目につかないのかイマイチ解せない気もするけれど、しかしこの風合いといったらどうだ?まるで絵本のようじゃないか!

このあふれんばかりの才能を抛っておいてもいいものだろうか?いや断じていいはずがない!(反語)



それはともかく、今回はとにかく使われている紙がホントにすてきで、じつに味わい深ーい質感を醸し出してくれているのです。古書に興味がなくても飾っておきたい仕上がり!わざわざロゴまでつくってよくがんばった。エラいぞダイゴくん。ありがとうございます!恐悦であります。


自画自賛おわり。


じぶんがつくったものでじぶんを慰められるんだからこんな安上がりなこともないです、つくづく。

2009年3月18日水曜日

三角バミューダへの大脱走(上陸編)


<前回までのあらすじ> 解決の糸口が一向に見つからず、途方に暮れ、肩を落とし、煙草をふかすベランダがだんだん虫カゴに見えてきたダイゴくん。しあわせの青い鳥を追いかけて、あるいはとこしえの安らかな寝床を求めて、雨のなかヨタヨタと転がるように部屋を飛び出した彼はとうとうニッポン列島を後にした!



…とおもったらまた陸地が


雨に煙る港から向かった先は…


とある古民家…(すんげえりっぱな茅葺き)


いったいこんなところへ何をしにきたのかと言うと…






じつはダイゴを食べにきたのです。


いえ共食いではなくて


醍醐:中国から伝わり、たぶん日本で最も古くに食されていたと考えられる古代のチーズ(的乳製食品)。



といっても古代のレシピはとうに失われているようなので、これが本当にその醍醐なのかは実際のところ誰にもわからないのだけれど、屋敷のご主人がうなずいておられたのだからそういうことにしておこう、というかなり珍奇な一品です。


もぐもぐ


カッテージチーズみたいだ…


しかし小学生のころ、「ダイゴ」という発音に何かべつの、できればちょっとこう、ステキな意味があったりしないものかとしょっぱい期待を抱きながら辞書を引いて目にした言葉と、こんなかたちで出会うことになるなんて、つくづく人生の一寸先は闇(※注)であることだなあ。

※注:ここでは「(何があるかわからないから)おもしろいなあ」という前向きな意味


 *


…と、そこへ無粋な着信音が鳴りわたるのです。


ギャッギャッギャッ(着信音)


「(イヤな音だな)もしもし」


 *


謎の人物からかかってきた1本の電話に凍りつき、食べかけのダイゴを落とす食べものじゃないほうのダイゴくん。それは気持ちわるい着信音のせいなのか、それとも?前回からつづいていたことにも驚きなのに、この期に及んでまだ先があるなんてどうなってるんだと訝りながらも刮目の次号につづく!


<次号予告> ダイゴくんが電話にでる。
 

2009年3月16日月曜日

真珠貝亭のマイヨールたち(仮)


たいへんご無沙汰しております。せわしない日々のあれこれもようやく目処がついたようで、気がつけば何ごともなかったかのような穏やかな凪にボンヤリと口をあけて放心する月曜日です。と書いてお茶を飲んでいたらまた1時間がたってしまった。今宵はいかがお過ごしでしょうか。

(注:ひさしぶりの更新で文章のつづり方をわすれています)


茶柱のようにめずらしい(から観るときっといいことがある)小林大吾の貴重なライブを含む「そうぞうしいな」@名古屋鶴舞K・D Japon は過日つつがなく幕を閉じました。足をお運びいただいたみなさま、本当にどうもありがとう!思っていた以上にわいわいと賑やかで、アットホームという言葉はまさしくハポンのためにあるとつくづく感じ入ったことです。ごいっしょさせてもらったNARCOやたゆたうのパフォーマンスがまたカテゴライズ不能の世界観にキラキラと彩られていて、じつにステキでありました。


ふだんとは趣のちがうイベント自体ののんびりとした空気はもちろん、こんなふうに他のフィールドで活き活きと活躍する人たちと接する機会なんてあんまりないから楽しかったです。ミュージシャンてかっこいいなあ、と指をくわえながら観てました。生まれ変わったらあっち側の人間になりたい。

なぜかおふた組とも音の鳴るおもちゃをいっぱい持っていて、ライブ中おかしな音が入れ替わり立ち替わりでピーとかプーとかフガフガとかいろいろ鳴り響いてたのが印象的でした。デジカメで撮った動画にはネジを巻くとカタカタ歩くカレーパンマンが映っていた。

しかしヘンな人たちだったなあ…。愛すべき自由人というか、人生の愉しみかたを知っているかんじです。もっとお話できたらよかったんだけれど。


↑そんな賑々しさのあと楽器やその他おもちゃがぜーんぶキレイさっぱり片づけられて、マイク1本だけになったときの心細さといったらあなた、マイクがゴルゴダの丘に立つ磔のための十字架にみえたくらいです。

この日の演目は…

1. ガーゴイルの言いかけたこと
2. アンジェリカ
3. 棘
4. 蝸牛の憂鬱
5. 手漕ぎボート
-----TKG(たまごかけごはん)の話-----
6. 三角バミューダの大脱走
7. 真珠貝亭のマイヨールたち(仮)
8. Sounds Like A Lovesong


…ずいぶんいっぱい演ったな!

見かけないタイトルが1つ紛れこんでいますが、これは次のアルバムに入る…と思われる1編です。よろこんでもらえてたらいいんだけれど、どうだろうか…

これまでにも何度かライブで披露している "Sounds Like A Lovesong" に関しては、もともとそのつもりで書いたわけではなかったから、アルバムに入れようかずっと思案してたのだけど、なんかもうだんだん入れざるを得ないという気がしてきました。カズタケさんの美メロにはかなわないと思い知らされてくやしい。いい曲だなあ…(他人事みたい)


しかし人前に立つというだけでものすごいエネルギーをつかう僕にとっては、こんなに消耗した夜もないです。なんかちょっと全身がしぼんだ気がする。きちんと終えることができて本当によかった。SCHOPのウエハラさんにも何から何までお世話になりました。

それから、足を運んでくれただけでも感無量なのに、タカツキがブログで人の誕生日を勝手に暴露したこともあって、いろいろと贈りものまでいただいてしまいました。気を遣わせてすみません。小麦粉好きの荒くれ集団ザ・フラワーズのツボを心得た粉モノの数々、うれしかったです。はなちゃん、えりちゃん、ノリコちゃん、どうもありがとう!ぜんぶ平らげちゃってすでに跡形もありません。


他にもいろいろ書くことがあったような気もするけど、また思い出したらポツポツと書いていきましょう。何しろ嵐はもう去ったのだ。


 *

おまけ


例のアレ


と、わかりやすい名物



気づけばもう4度目だけど、名古屋はいいなあ。

土日はさらにお得になる名古屋の地下鉄一日乗車券「ドニチエコきっぷ」を買うつもりがうっかりふつうの一日乗車券(平日用)を買ってしまい、帰る間際になってようやく気づいたことをのぞけば、じつに実のある週末でした。ありがとう。ありがとう。
 

2009年3月10日火曜日

三角バミューダへの大脱走(CM編)


<前回までのあらすじ> 解決の糸口が一向に見つからず、途方に暮れ、肩を落とし、煙草をふかすベランダがだんだん虫カゴに見えてきたダイゴくん。しあわせの青い鳥を追いかけて、あるいはとこしえの安らかな寝床を求めて、雨のなかヨタヨタと転がるように部屋を飛び出した彼はとうとうニッポン列島を後にした!



ピンポンパンポン


船内のみなさまにお知らせいたします。来たる3月14日の土曜日は、名古屋は鶴舞K.D Japonにて、ハレー彗星並みに珍しい小林大吾のライブアクトが予定されております。山椒魚のように部屋から1歩も外に出ようとしない生来の出不精が、ありったけの気力をふりしぼって挑むある意味K点越えまちがいなしのパフォーマンスです。どなたさまもうまいこと言いくるめて赤の他人だろうとかまわずにお誘い合わせの上、火災報知器が鳴り渡って非常口に殺到する群衆のごとくご来場ください。心よりお待ちしております。

 *

また、現在名古屋のあちこちで騒々しく展開している本の祭典「Bookmark Nagoya」にちなんで、ライブの主催者でもあるSCHOPさんによる完全限定生産ミニコミ「そうぞうしい本」が同じくあちこちで販売されているもようです。海千山千の猛者たちが「そうぞう」=「想像・創造・騒々(しい)」から連想される本を1冊紹介するという、とてもユニークな冊子ですが、ここにダイゴくんも1冊選んでひとこと書き添えています。多くの書物のなかから彼が選んだ、読み手の期待を100%裏切る予想外の1冊とは?少なくともそのコメントを読んで「じゃあわたしも」とは絶対にならない本です。たぶん。

 *

なお、当のダイゴくんは現在、体育座りでいまだ深くうなだれながら(長いな)船内のすみっこに潜伏中です。ヒゲも剃らずに一見すると浮浪者みたいな出で立ちですが、できることならこのままそっとしておいてくださいますよう、お願い申し上げます。


ピンポンパンポン





*************************

ミニマガジンSCHOP Presents「そうぞうしいな」

出演:小林大吾(東京) / たゆたう(京都) / NARCO(名古屋)

日時:2009年3月14日(土)
18:30開場 / 19:00開演

料金:前売¥2,000 / 当日¥2,500
※入場時に1ドリンクオーダー代¥500が別途必要になります。

会場:K.D.Japon(ケーディ・ハポン) (名古屋・鶴舞)
愛知県名古屋市中区千代田5丁目12-7
TEL 052-251-0324
・JR鶴舞駅北口より高架沿いに北上(千種方面)徒歩約3分
・同じく地下鉄鶴舞駅2番出口より徒歩約7分


<予約>
メール:schop_mag@yahoo.co.jp
件名を「スコップイベント予約」として下記内容をお送りください。
・希望日
・お名前(カタカナフルネームで)
・予約人数
・連絡先(メールアドレス、または電話番号)

電話:052-251-0324(K.D Japon)


*イベントについて詳しい情報はこちらをご覧ください。

2009年3月7日土曜日

三角バミューダへの大脱走(出航編)


<前回までのあらすじ> 解決の糸口が一向に見つからず、途方に暮れ、肩を落とし、煙草をふかすベランダがだんだん虫カゴに見えてきたダイゴくん。しあわせの青い鳥を追いかけて、あるいはとこしえの安らかな寝床を求めて、雨のなかヨタヨタと転がるように部屋を飛び出した彼の足が向かうその先は…





さらばニッポン…


ふり返るな前へすすめ


待てよ、前ってどっちだ?


杉本博司か?

2009年3月6日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その86b


テレビまわりにはコンセントがいっぱいあるので、混乱しないようにコードにネームタグをくくりつけているのだけど、こないだ「ビデオ」と書かれたコードがなぜか2本あることに気づきました。ビデオは1台しかないのに、これはいったいどうしたことだろう。

…あれ?ひょっとしてみんな今ビデオデッキなんて持ってない?



 *



ザ・きっちょむズさんからの質問のつづきです。どうもありがとう!



Q: 今後の音楽活動でfeaturingしてみたいアーティストは誰かいますか?



A: 考えてみたんだけど、ぜんぜん思い当たりませんでした。



交遊範囲がせまくて声をかけられる相手がほとんどいないという実質的な事情ももちろんあるのだけれど、いっぽうで僕に「音楽活動をしている」という自覚が不足しているからだともおもいます。僕の場合スタート地点がちょっと特殊なので、遠くでいつもステキな音楽を奏でているあの人々と、じぶんを結びつけて考えることがいまいちうまくできないのです。どちらかというと朗読者みたいな気持ちで彼らを眺めているのかもしれません。「だって僕は本を読んでるし、彼らはラッパを吹いてるし」というかんじです。音楽的ということは言えても、音楽であると言い切るのはやっぱり憚られるものがあります。それなのに、「誰々をフィーチャーしたい」なんてそりゃどうしたって思えないですよ、畏れ多くて。

でもいずれ「僕は本を読んでる。君はラッパを吹いてる。だからいっしょにやろうぜ」という具合に結びつけて考えることができたらいいですね。呼べる呼べないはひとまず置くとしても。

しかしわざわざ質問を2回に分けてその答えがこれなんだから我ながらイヤになっちゃうな。


 *


そんなザ・きっちょむズさんは「女と紙屑」に1票を投じてくれました。10年後もこんなふうにポチポチつづいていたらいいのにと最近ちょっとおもいます。うれしいです。どうもありがとう!


1 三角バミューダの大脱走 22.2% (ウゴウゴ含む)
2 手漕ぎボート 14.8%
2 蝸牛の憂鬱 14.8%
2 話咲く種をまく男 14.8%
5 饗宴 9.3%
5 女と紙屑 9.3%
7 アンジェリカ 7.4% (とコロッケひとつ)
8 腐草為蛍 5.6%
9 二度ふれる前に消えてなくなれ 1.9%


 *


dr. moule*gmail.com(* を@に替えてね)

その87につづく!

2009年3月3日火曜日

「くのいちエレジー」作詞/作曲 ジャックとニック


♪愛の〜くさ〜りかたび〜らー


♪あーあ〜


♪愛の〜くさ〜りかたび〜らー





♪あーあ〜