2008年3月3日月曜日

シロノワール嬢の行方を追え! その3


僕はそれをすごく前向きな最大限の賛美として、「100%のB級感」と言ったのです。決してA級にはなり得ないし、またなろうという気もさらさらない、そしてだからこそ仄かな影のさす美がそこに花ひらくと思っていたし、今でもそういうモノの見方は揺らぐことなく僕のなかにはあるのだけれど、ことこの件に関してはパウル・クレーの絵を「このヘタウマ感がいいよね!」としたり顔でうなずくのに近い物言いであることに気がついて、絶望にも似た後悔の念にとらわれました。

失礼じゃないか、シロノワールに!あやまれ!床に額をすりつけてあやまれ!すみません。

何しろ





1/3を口いっぱいにほおばり終えてから、「あ、写真」と思い出してあわててカメラを取り出す動転ぶりです。

舌の上で優雅に舞う天使たちの、高らかなラッパの音色とともに享受する至福の味を、あなたはこれまでに一度でも経験したことがあるだろうか?

プリア・サヴァラン言うところの「美食家判定器」のように広く万人の舌を測るものではないにしろ、これが「フラワーズ判定器」としてほぼ絶対的に有効な一皿であることはまちがいありません。この皿を前にしてマタタビにまみれた猫のごとく恍惚の表情を浮かべることがないならば、フラワーズの一員になること未来永劫決して能わずとここにわたくしは断言し、うやうやしく宣言するばかりか、あまつさえ広言するものであります。

シロノワール、おまえは美しい。




おまけ

ミニシロノワールを余裕しゃくしゃくで味わうフラインスピンレコーズの重役たち




 *


そして前後がすっかり逆になってしまったけれど、この旅2番目にだいじなライブ@名古屋鶴舞K.D Japon "Flying Books Night (あるいは山路和広ショー)" はぶじ終了しました。来てくれた人、どうもありがとう!


思っていた以上に小林大吾を知ってくれている人がいてビックリしました。それもこれも、呼んでくれた cesta の山守さん、YEBISU ART LABO の岩上さん&黒田くん のおかげです。名古屋における小林大吾の認知度ってほとんどこの2店の店内BGMによるものだとおもいます。すごいですね。どちらも渋谷Flying Books と同じにおいのするドープ&キュートな古書店なので、覚王山や丸の内近辺に足をお運びの際はぜひお立ち寄りください。

それから、わざわざ東京から足を運んでくれた人もいて、感激しきりでした。だって2週間後には新宿でインストアがあるのに!ほんとうにうれしかったです。ありがとう。



でも、なんていうか、これまでは「ちゃんとやらなくちゃ」という気持ちでいっぱいいっぱいだったのが(何せライブというものに縁のない男です)、この夜は初めてライブを心の底から楽しめたような気がします。K.D Japon というハコの特異な温かさがすごく大きいとは思うけれど、こんなふうに思えたことって全然なかったから、僕にとってはこの先いつまでも胸にのこるとてもだいじな夜になりました。

また名古屋行きたいです。行けるといいな。


ちなみに、ウーリッツァとサンプラーとカオスパッドを同時に駆使するタケウチカズタケの超絶ソロライブはぶっとぶくらい峻烈な、SUIKAとはまたずいぶん異質のカッチョ良さなので、機会があればぜひ足を運ぶことをおすすめします。いやホントに、目を疑うから。

タカツキさんには陶酔する女子が全国各地にわんさかいるので、ここでどうこう言わなくてもいいや。彼らが心を通わせながら同じ月をみているとき、わるいけどこっちもひとりでその月をみてるんだよ!

K.D Japon に備えつけてあるウーリッツァのピアノ(エレピではない、年代不明のヴィンテージピアノ!)をバックに、シンプルなベースラインで弾き語る「同じ月をみている」のうつくしさといったら、ずるいよな、あんなの。

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