2008年3月23日日曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その36


ふと見ると向こうがわいわい賑わっていて、何かとおもったらサイン会をひらいているのです。取り巻く人はそれほど多くもないのだけれど、そのほぼ全員がケータイを取り出してパシャパシャやっている。どなたかしらと思って首を伸ばしてみたら



加藤鷹だ…



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質問箱 その12で登場いただいた靴下がぜんぶ片方しかない…さんから追加の質問というか、半小説家・古川Pに関するちょっとした確認がきているのでお答えしましょう。



三角バミューダの中で古川さんが活躍してるというのは「でももう逃げる気しないしお断りします」って台詞を言ってるとか!ですか??教えてください!



おっしゃるとおりです。わざとなのか僕にもよくわからないのだけれど、地声よりもだいぶ湿った高い声が出ています。レコーディング風景、映像にのこしておけばよかったな。ちなみに古川Pの出番は、あと1箇所あります。でももうたぶん、おわかりですよね?


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K.D. Japon のライブにも来てくれた、ベーキングパンダさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)現役パン職人だそうですよ。どうもありがとう!小麦粉100gに対してパンダ3匹が目安です。



Q: お気に入りの粉モノはなんですか?



粉モノに関しては基本的に、着飾らないものであればどれも分けへだてなく愛しているけれど、手軽でかつ奥の深さが底なしという意味ではホットケーキに尽きるとおもいます、やはり。中華料理における炒飯みたいなものですね。ことこれに関しては他人のレシピを拝借するのがシャクなので、毎回こまめに分量を調整しながら、いまだにフラワーズならではの基準(Flours Quatlity)を模索しつづけています。ふわふわで舌ざわりもなめらかというだけでなく、粉の味わいをこそ心ゆくまで堪能したい。というと聞こえはいいけど、実際はいちいち計るのがめんどくさいだけです。でもたまにびっくりするくらい美味しい1枚が焼けたりするので、決まりきったレシピに従うよりもずっと緊張と驚きに富んで楽しいですよ。失敗するとタマゴパンみたいになっちゃうけど、そうなったらそうなったで、もともとそのつもりだったことにしてしまえば問題ありません。きのう焼いた1枚はすごく上手に仕上がったので写真に撮って記録しておきたかったのだけれど、例によって食べ終わってから気がついたので後の祭りでした。僕はそうしていつもいろんな機を逸している気がする。

パンも大好きです、もちろん。10代のころは昼食に食パンを1斤買ってバターもつけず、もさもさとウサギみたいな食べかたをしていたくらいだから、一途というかストイックというか、今と同じかたぶんそれよりもちょっとだけ馬鹿でした。現在へとつながる半ば狂信的なフラワーズスピリットの萌芽が、このころすでに見られたわけですね。タイムマシンができたらそのころに戻って、「たまには他のパンも食べなよ」と言ってあげたい。でも、ほっといてくれって言われそうだな。何しろ相手が僕だからその気持ちは誰よりもわかる。

先に「基本的に着飾らないもの」と書いたけれど、要はプレーンが好きなんですよね。フルーツとかフィリングによる味の変化ってじつはそんなに重要じゃありません。ドーナツならオールドファッションだし、クレープなら足してもカスタードと生クリームだし、パンはたいていフィリングのないものを先に選びます。ひとりで宅配ピザを頼むとき(月に一度、給料日とかにそういうことをしてました)必ず1枚はトッピングなしのチーズピザを注文していたし(食べるのはだいたいMサイズ2枚です)、「トッピングはよろしいですか?」っていつも確認されるからしまいには「おうちでのせるんです」と先に弁解するくせがつきました。さすがに今はそういうことをしなくなったけど、だからやっぱりちょっと、馬鹿だったんでしょうね。そういえば近所のカレー屋さんでナンだけ買ってくることもときどきあります。それでカレーを用意しないんだから、何をか言わんやという感じです。

こうしてあらためて書き起こしてみると、じぶんがいかにプレーン好きであるかをまざまざと見せつけられるようで、憮然としてしまうな。こうでないとやだ!という拘泥ではなくて、5つ選んでいいよと言われたらそのうち3つをプレーンにする、この割合が大事なのですが、しかしあんまりこういうことを一所懸命話していると良識ある人々から人格を疑われかねないので、そろそろ打ち切りにしましょう。というわけなので答えは



A: プレーンです。



とんちんかんな受け答えをしているように見えるかもしれないけれど、でも僕にはこれ以上答えようがないのです。



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朝起きたらベランダ前の桜に花がついていました。そうして昼ごろもう一度みたら、もう花が増えているのです。「ウフフ」という感じでつぼみがひとつひとつあらわに花ひらいていくさまは、艶かしくて目をうばわれます。妖艶な満開まできっとすぐだな。



dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)



その37につづく!

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