まあそんなわけで金曜の晩は渋谷でぬるぬるとレコードを回してきたのです。そういえば言ってなかったような気もするけれど、僕のなかの小さな人も「気にすんなよ」と肩を叩いてくれていることだし、言語に絶する寒風のなか心おだやかにこうして事後報告をしたためております。宇宙服くらいの完全防備でないと路上でうっかり命を落としてしまいかねないさむさです。ご機嫌いかがですか。
それにしても「重たいから持っていくレコードをなるべく少なくしたい」というDJにあるまじき了見から、選ぶのは自然と分数の長い70年代後半の曲ばかりになり(僕がいちばん好きな年代の曲はどれも2分強しかないのです)、結果としてレコードは18枚しか持っていかなかった(←すごい)あたりに意気込みのぬるさがよく表れていたと申せましょう。本職のDJならまずまちがいなく沽券にかかわる、10分越えのメドレー曲をかける禁じ手まで真剣に検討したくらいです。誰もやらないならむしろやれば良かったと今になっておもわないでもないですけど。
こんなレコードを持っていきました
Idris Muhammad "I Believe In You"
ヒップホップ/レアグルーヴ世代にはBarnerd Purdieと並んでド渋なジャズファンクの数々を世に送り出した超絶ドラマーとして知られているけれど、後期のアルバムになるとこんなラブリーな曲が収録されていたりするのです。ヒゲもじゃなおっさんドラマー名義の作品とはおもえない。
前期はこんなのが多い
"Super Bad"(JBのカバー)
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ティファニーで住職をさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)
Q: 24時間以内という制限つきで銀幕の世界に入り込めるとしたら共演(饗宴)したいスター、ヒロインはいますでしょうか?またその時の役どころは?
銀幕のスターに会いたいとか共演したいとおもったことはあんまりないですが(むしろその距離は遠ければ遠いほどいいと考えているくらいです)、そこをあえて曲げるなら、そうですね…三船敏郎の存在感に圧倒されたいです。「羅生門」のあのギラギラしたかんじもいいし、「天国と地獄」の静謐だけれどだからこそ息をのむ重厚な貫禄も捨てがたい。でも役どころが思い当たらないな。「羅生門」なら縛られて冴えない貴族の役がいいですね。
ミフネで思い出したけど、志村喬も大好きです。とくに「野良犬」の前半、取調室で交わされるあばずれ(という表現がしっくりくる)とのやりとりは、ふたりしてだるそうにアイス食ってるだけのようにも見えるのに、ベテラン刑事としてのタフネスと古狸ぶりがここだけでありありとわかる(!)最高の場面です。となると演じたいのはそこに居合わせる若きミフネ…ではなくて、やっぱりあばずれの役ですよね。女装して。
「トロピック・サンダー」でのトム・クルーズも筆舌に尽くし難いくらいチャーミングなので、間近に見られたらうれしいだろうなとおもいます。80年代のアイドル俳優がほぼすべてのシーンで怒鳴り散らす小太りのハゲを演じているだけでもおなかいっぱいってかんじなんだけど、エンディングの目を疑うようなダンスシーンにいたってはまったく、シビレるほかありません。ベン・スティラーとかロバート・ダウニーの印象がほとんど残ってない。この映画に入り込むことができるなら、地雷を踏んでバラバラになる雇われ監督あたりを目いっぱい演じて盛大に吹き飛ばされたいです。
A: 踊るトム・クルーズとバラバラに吹き飛ぶ雇われ監督
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質問はいまも24時間無責任に受け付けています。
dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)
その129につづく!
3 件のコメント:
いいね!!
トム・クルーズなんでもできていいですよね。
m:i ゴースト・プロトコルも最高でした。
ハスラー2だと超バカそうなのに・・・
> りえ姐
ありがとう!
…というか、何のことだろう?
> 赤舌さん
ハスラー2…わかります。
僕が言いたいのもそういうことです。まさしく。
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