2008年12月19日金曜日

桶屋が吹いて風がもうかる式の論理


どうしても捨てることのできない折り込みチラシが、一枚あるのです。

近所にある貴金属店(創業40年)の広告なんだけど、書かれた日本語がいちいちおかしなことになっているので、必要ないのになんとなく捨てられない。たとえば、



風が吹いたので、桶屋がもうかりました。



という文章が、このチラシだと



桶屋が、風が、吹くとともに、もうかりました。



という見事なまでにわかりづらい、翻訳ソフト並みのパッチワークテキストに置き換えられているのです(もちろん実際にはこんな内容ではないけれど)。溶接をまちがえて手と足がごっちゃになったロボットみたいなことになっています。力づくにもほどがある。

チラシの1行目から早くもザワザワと漂いはじめた不穏な空気は、読みすすめるにつれて解消されるどころかますます濃密になり、手に負えなくなっていきます。しかし兎にも角にも表をすみずみまで読み、裏もおなじように熟読し、チラシに対してさんざん口角泡を飛ばしまくった最後の最後、もう満腹というきもちで広告の隅っこに目をやったときのショックたるや、いまだに忘れられません。






表だとおもって読んでた面が裏だったことにショックを受けたのか、チラシの裏を当然のように「B面」と呼ぶことにショックを受けたのか、それは今もって定かではないのです。








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