2008年1月31日木曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その10
何しろ4つもあるので、前置きなしでまいります。
でべその宙返りさんからの質問、4連チャンです。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)
Q1: スナークは飼えますか?餌はなにをあげれば良いですか?
僕がおもうに、スナークというのはいつも僕らと一定の距離をたもち、容易に近づかせてはもらえない、非常にIQの高い何かです。アンジェリカはいつも丁々発止のやりとりをチャンチャンバラバラと交わしていますが、音ばかりが聞こえて一向にその姿をみることができません。プレデターみたいなものですね。達人同士の立ち回りというのはえてしてそういうものだし、だからすくなくとも僕なんかがどうこうできる相手ではないです、おそらく。現時点ではどんなかたちをしているかさえ、さだかではない。
ただ、アンジェリカの行動をみるかぎり、彼女はスナークのことをよく知っているようです。飼っていたかどうかまではわからないけれど、かなり至近距離にいたことはまちがいありません。仮にアンジェリカがスナークをある程度まででも手なづけていたとしたら、このさい「飼える」と言ってもいいんじゃないかと僕はおもいます。
問題はエサですが…
「アンジェリカ!」
「…」
「アンジェリカ!」
「あ、ダイゴくん。なに?」
「スナークって何たべるの?」
パカン
「いたい!」
「つかまえたなら何でさっさと言わないの!」
「つかまえてないよ!質問がきたんだ」
「質問てだれに?」
「だれに…たぶん僕にだとおもう」
「なんでダイゴくんが質問されるの?」
「ちょっとね」
「ふーん」
「僕だっていろいろあるんです」
「ハハハ!」
「なんでわらうの!」
「ゴメンおかしくて」
「質問なんだけどね」
「そうだった!ゴメンなんだっけ?」
「スナークのエサってなに?」
「さあ…」
「たよりないね」
「子どもじゃないんだから、自分でどうにかするとおもうけど」
「ああ、子どもではないんだ」
「ていうか、何?なんでそんな正体不明みたいな扱いなの?」
「正体不明だもの!」
「ダイゴくん、見てたじゃない」
「逃げたとき?」
「いなかったっけ?」
「はやすぎて見えなかったよ」
「1回追いつめたじゃない」
「アンジェリカもはやすぎて見えなかったよ!」
「ああそう…めんどくさいなあ」
「前につかまえたときは?罠ならエサとかさ」
「素手」
「ああ…素手ね…そうだよね」
「イゴール!ねえイゴール!」
「なんでございましょう」
「スナークつかまえたときって何かゴハンあげたっけ?」
「そのころはまだわたくしお仕えしておりませんでしたので」
「そうだった!あれ?イゴール、エプロンしてる」
「ちょうど夕餉にとりかかったところです」
「きょうのゴハンなに?」
「今夜は子ブタの丸焼きでございます」
「まさか!」
「3匹目の子ブタです」
「レアものだ!」
「てこずりました」
「レンガづくりとは思わなかったものね」
「ねえ…あの」
「お手柄!」
「恐縮です」
「ねえ…マウスだよね?」
「ダイゴくんもいっしょに食べよう」
「いや、うん。ていうか…」
「なに?」
「いや、なんでもないです」
A: もう、子ブタの丸焼きでいいですか?
では次!
Q2: アンジェリカの好きな下着の色は?
いろいろ質問がきたけれど、もっとも意外だった質問がこれです。フーム。質問をくれたでべその宙返りさんも女性なのだけれど、ムチャなこと訊くなあ。
「アンジェリカ!」
「あれ、ダイゴくんどこ行ってたの」
「いや、ちょっと質問を」
「また?子ブタ食べちゃったよ」
「次回でいいです」
「あれレアなんだから」
「わかったよ!あのさ、…いいや、これ読んで」
「好きな下着の色?これが質問?」
「そうみたい」
「これ女の子?男の子?」
「女の子だよ」
「そっか!ウーン。オレンジかなあ」
「え?」
「ぱきっとしたオレンジが好き」
「そうなんだ」
「何?」
「いや…そうか、なんか別に突っこんだ質問でもないんだな、これ」
「なんかマズい?」
「マズくはない。一時は死を覚悟したよ」
「なんで?」
「誰を介してもけっきょく僕が訊くことになるんだ」
「まあ、そうでしょうね」
「いのちびろいした」
「ああ、それで剣道の防具つけてるわけ?」
A: ぱきっとしたオレンジ
ホッとしました。参考になりましたか?では次!
Q3: ムール貝博士の助手のピス田さんとは誰ですか?小林大吾さんですか?
ピス田さんは小林大吾ではありません。たぶんこれ、ブログの投稿者が「ピス田助手」になってるからだとおもうんだけれど、これはですね、もともと彼が小林大吾に関するもろもろの情報をアップすると言ってくれたから、こういうことになっているのです。いざ始めてみたらピス田さん別に何もしてくれないので、けっきょく僕が投稿しています。名前だけです。何しろムール貝博士の助手なので、その存在からして当てにならない。そのくせブログにはしょっちゅう顔を出すんだから、釈然としないものがあるのは当然です。すみません。
ちなみにピス田さんはこんな姿をしています。
もともとはとある諜報機関から遣わされた腕利きのスパイだったのですが、そのへんの経緯はまたお話しする機会があるかもしれません。
では最後のしつもんです!すごいボリュームだなしかし
Q4: 小林大吾さんの好きな映画を教えてください。
でべその宙返りさんはジョン・カーペンターの「要塞警察」がお好きなんですね。これ、聞いてすぐ「わかるわかる!」ってうなずく人どれくらいいるんだろう?ノルシュテインの「話の話」も好きとのことなので、僕なんかよりはるかにたくさんの映画を観てるとおもうんだけど、聞いてガッカリしないでくださいね。そういえばジョン・カーペンターって僕観たことないです。かなり異能の監督であることだけは知っているのだけれど、いい機会だから借りてこよう!
僕の好きな映画ですが、これはもう、断トツで「パリ、テキサス」です。古着屋で「Paris, Texas」と刺繍されてるジャケットをみつけて買ってしまうくらい好き。サントラに収録されたセリフの部分だけで浸れるくらい好き。ハンターの"Left, Dad."って大人びた一言が好きだし、ジェーンが鼻にかかった独特の訛りで" 'bout what?"って聞き返すとこもキュン死にする。85年の公開(だよね?)なのでさすがにリアルタイムでは観ていなくて、スクリーンで観たい観たいとおもっていたら、あるとき足立区の東京芸術センターで上映されていることを知ってあわてて観にいきました。区の施設だけあってガラ空きで、貸し切りみたいなものでもう、泣き放題というか、ウワーン!
ことこの1本に関しては、「良い映画だね」と言うことが僕にはできません。思い入れがつよすぎて、冷静に話をすることができないのです。良し悪しという相対的なものではなくて、僕のなかに絶対的なものとして居座ってしまっています。
ちょっと冷静になって「好き」と言えるのはあと、ビリー・ワイルダーの「情婦」です。「この結末を誰にも話さないでください」とエンドロールで流れた、初めての映画ですね。これ、オイディプス王の物語なみに頑強なプロットがとにかく圧倒的なんだけれど、個人的には弁護士役のチャールズ・ロートンがほんとうに魅力的で、好きなんですよね。どうしたらあんな人物が描けるんだろうといつもおもう。性格をひとつひとつ箇条書きで書き出しても、ああはならないとおもうんだよな。結末がわかってるのに、飽きないです。いまだに。
さいきん観たのでは、「メルキアデス・エストラーダの三度の埋葬」がすごく好きでした。さいきんでもないか。「吉原炎上」も好きです。「ユメ十夜」で実相寺昭雄が監督した第一夜も好き。彼が監督したウルトラマンティガの37話「花」もそうなんだけど、和洋と新旧がさりげなくクロスオーバーする奇妙な様式美に、しびれます。だって、ウルトラマンが歌舞伎だよ!
そういえば、黒澤明の「夢」も、小林大吾の形成に一役買っているほど好きであった。
A: パリ、テキサス
すんごい量になってしまった。
でべその宙返りさんが選んでくれた1曲は、「饗宴/eureka」でした!でもこれも、あえてえらぶなら、という但し書きつきですね。ありがとう!みんなそれぞれ思いがこもっていて、感涙です。
それから彼女は「アンジェリカ」の「"鎌で刈って"のところの声が特に好きです。」という、びっくりするくらいピンポイントで好きなぶぶんをおしえてくれました。なんだか丸裸にされたきぶんです。言われてあらためて聴き直してみたんだけど、ホントに一瞬でぜんぜん違いがわかりませんでした。どうもありがとう!おそらく世界でいちばん「詩人の刻印」を聴いているFKPDこと古川さんなら、あるいはわかるかもしれません。古川さん、どうですか?
*
これ、長すぎない?
という不安もなんのその、質問箱はなかみが尽きるまでつづけます!あと、質問とは別に、ツンデレカルタ買った人いたらメールください。
dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)
その11につづく!
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1 件のコメント:
PDFK、古川です。
「鎌で刈って」……?
ああ、うん、舌っ足らずでいいんじゃないかな!(うろ覚え)
“話咲く種をまく男”の「あんたの唇は甘い匂いがするな」も萌えポイントですよ。
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