2014年8月27日水曜日

いつになく読むだけムダな前置きと失われた本題

のびのびとくつろぐ化け猫1ぴき


えー、では目立った動きも尽きたようなので、そろそろ通常運行とまいりましょう。ここで通常運行というのはとくにお知らせや報告もなく、埒もないことをもやもやと書きつらねてすきま風の吹くいつものブログに戻りましょうということです。「小数点花手鑑」から新たにここを訪れてくださったみなさまには僕もたいへん心苦しいのですが、ブログを立ち上げて7年このかた、ミュージシャンらしい風情を醸し出すのはいつもわずかにアルバムリリースの前後のみであり、その他はおおむね何の役にも立たない与太話で埋め尽くされています。明らかにここ数年で最大の話題を繰り出したにもかかわらず、ぶっちぎりのアクセス数をほこるエントリがいまだに「コロンブスの目玉焼き」であってこの先追い抜く気配がないことからしても、それは推して知るべしと言えましょう。アメブロ認定のオフィシャルブログを立ち上げて、主にスタッフがニュースを更新しつつ、ときどき本人が顔を出して「今日は撮影です」とか「お楽しみに!」とかそういう華やかな幻想を抱いてはいけない。スタッフも何も、ここには僕がひとりぽつねんといるばかりです。

とはいえ、いつ来ても同じ温度感なのがこのブログの唯一にして最大の長所です。燃料がないのだから、消える火もありません。華々しさや喧噪の代わりに虫の音があり、するりと流れこむ風に草や葉がそよぎます。あるかなきかの音楽活動に関する情報収集なぞこの際すっぱりとあきらめるのが吉です。いっそ縁側でお茶をすすりつつ庭に咲きほこるサルスベリやツルハナナスを愛でるような心持ちでおいでませ。

…とここまで書いたところで、ご覧なさい。もうだいぶ字数を費やしているのに、その虚ろなことと言ったらありません。話と呼べる質量もなく、しいて言えば栄養価の低さに定評があるキュウリのようなありさまです。

でも140字以内にまとめられた濃密な情報群がイグアスの滝のようにどうどうと流れるこのご時世に、今さらひとつふたつのトピックを放りこんで焼け石に水以外の何になりましょう。むしろこれくらいすっからかんなほうが、却ってオピニオン過多な巷間に一石を投じるようなメッセージ性を帯びないともかぎらないじゃありませんか。なんかしっかりしたこと言ってる気がする、いやそうでもないな、と小首をかしげながら「まあいいか」とブラウザを閉じる、もしくはくちくなるけど何も残らない、そんな水道水にも似たそっけない潤いが許容されてこそ世界は愛おしい、と打ち枯らした尾羽でせっせとつくろう8月の夜更けです。

考えなしに書き出した前置きが長くなりましたけれども、そうこうしているうちにうっかり肝心の本題を失念してしまったことだし、初めからこうする予定でしたと潔くふんぎりをつけて、今夜はこのままおいとまするといたしましょう。

何だったっけかな。まあいいや、思い出したらまた何ごともなかったかのように前置きから始めればよいのです。ごきげんよう!

2 件のコメント:

赤舌 さんのコメント...

なんだか、このブログの魅力そのもののような記事です。
自分でも掴みかねていた「自分はこのブログと、大吾さんの詩のどこに惹かれているのか」がわかったような気がしました。
ただ、あの目玉焼きめっちゃうまいです。

ピス田助手 さんのコメント...

> 赤舌さん

まさかこんなところでそんなことを
お掴みいただけるとは思いもよりませなんだ。
でも部分より全体で受け止めてもらえるのは
うれしいです、どんなことよりも。

いつもありがとう!

それでまあ、実際あの目玉焼きはうまいんですよね。