む-よう-の-ちょう-ぶつ【無用の長物】あってもかえって邪魔になるもの。あって益のないもの。
その一例
何のための何なのか、という根本的な点からしてもうわからない。
つくるほうもつくるほうなら、使うほうも使うほうだし、これほど虚ろな共犯関係もそうそうありません。
よろしい。世界とはかくも謎に満ち満ちています。科学では説明のつかない事象なんて世の中にはいくらでもあるし、これがそうでないと誰に言えましょう。「ん」から始まる分類があってもいい。目くじらをたてる理由もない。僕にだってそれくらいの度量はある。とはいえ、誰かエヘンとひとつ咳払いをして、「これ、いらなくね?」とやさしく指摘してあげたってばちは当たらないともおもうのです。
もしそこで店員が首をふりながら
「何を言うんです!あるでしょう、ここには…詩情が」
と言うのなら、それはまったくもってそのとおりであると認めないわけにはいきますまい。グウの音もでないし、じっさい僕もそうおもう。ここには、まごうかたなきポエジーがたしかにある。
あるから何だ、と跳ね返して然るべきではありますけど。
それにしても、ぐうぐうと気持ち良さげに眠っていた先入観を平手で叩き起こされるような光景です。何度見ても。
3 件のコメント:
永遠に絶句している彼は、
「なにかを言い終えた後」なのかもしれないな
彼の口から飛び出した言葉はどんなだったか…
気高くかなしいその姿を地上から仰ぐようにして見ていては、目を外せなくもなるというものです。
詩情であふれていますね。
> f.kさん
どこかで聞いたことのあるような文言だけれど、そりゃちょっと大仰というものですよ。ともあれ、筒井康隆の「残像に口紅を」を思い出させる光景ですよね。
「なんの不幸か、ありえない頭文字の作家の皆さん、そんな貴方の本も、当店は並べる準備できてますよ。」という優しさかもしれません。
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