2008年7月27日日曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その63


水駒(50cc)に乗って明治通りをブンブン走っていたら、タクシーであってタクシーではない、車体に「指導車」と書かれたタクシー未満の車とすれちがいました。タクシーであればほぼ例外なく屋根にポチッとのっかっているアレがないのです。ザクに対する旧ザクみたいなかんじといったらわかるだろうか?ドライバーの他にぴちぴちはりはりとした青年ふたりが同乗していて、あとナンバーが緑ではなくて白であった。タクシーにも教習車があるんだ。


 *


ハイファイ弁当さんからのみっつめの質問です。いつもありがとう!



Q: どんな部屋で過ごしているのか出来れば動画で解説を、あと生活用品でこだわっている品は?



「そういうわけで、わたしたちはいま、ダイゴくんの部屋にせんにゅうしています」
「あんまり大きな声を出しちゃダメよ、スワロフスキ」
「ふほうしんにゅうです」
「むずかしい言葉を知ってるのね」
「アンジェリカがおしえてくれたんだよ」
「そうだっけ?」
「ないしょでおうちに入ることを言うんでしょ?」
「そうね。そういうこと」
「どうしてないしょなの?」
「証拠をさがしたり、弱みを握ったり、金品を奪ったりとか、いろいろよ」
「ばれたらおこられる?」
「怒られるだけですめば儲けものってとこね」
「…何してるの?」
「あっダイゴくんだ!ばれたよ、アンジェリカ!」
「この部屋ろくなものないわね、しかし」
「勝手に忍びこんでおいてその言い草はひどい」
「忍びこむ価値のある部屋になってから言ってちょうだい」
「カギはどうしたの?」
「窓ガラスを割ったんだよ。ね、アンジェリカ」
「うわっホントだ!こんなことならふつうにノックしてよ!」
「それじゃ何の意味もないでしょ」
「ふほうしんにゅうなの」
「動画で解説をって言われて来たけど、これじゃ映すものもないわね」
「動画?動画って、ビデオ?」
「これです!」
「スワロフスキ…」
「いまダイゴくんがうつっています」
「映さなくていいよ!」
「つまんない部屋」
「さんざんだな、もう!」
「ほとんどゴミみたいなものばっかり」
「あ、ダイゴくん、これだれ?」
「これはマリちゃんだね」
「何につかうの?」
「さあ…。ミス・スパンコールが連れてきたから」
「げきしゃ!」

パチリ



「この『たばこ』って書いてあるのは?」
「煙草屋のショーケースなんだけど、作業台として使ってる」
「これもとっとこう」

パチリ



「よし、このくらいでかんべんしてやろう」
「ありがとうございます」
「あとね、もうひとつしつもんがあるの」
「何?」
「えーと、せいかつようひんでこだわっている…ひん?」
「ひん?ああ、こっちは『しな』って読むんだよ」
「せいかつようひんでこだわっているしなは!」
「生活用品…」
「それってなに?ハブラシとか?」
「そうだね。何かあったかな」
「こだわるってなに?」
「こだわるっていうのは…しがみついて放さないっていうような意味だよ」
「いいことなの?」
「昔はあんまりいいことじゃなかったとおもうよ。でもさいきんはいい意味でつかわれてることが多い」
「どういうこと?」
「ゆずれない気持ちってことかな」
「かっこいいね!」
「しいて言うなら、野田琺瑯の保存容器かなあ」
「ホーロー?」
「エナメルの…まあ、そういう材質があるんだよ」
「箱なの?」
「おかずを入れて冷蔵庫にしまうためのものだね」
「ふーん」
「タッパーとちがってにおいがうつらないし、直接火にかけられるから好きなんだ。あと、なめらかで冷たい手ざわりがいいの」
「なるほど…」
「わかる?」
「わかんない」
「うち電子レンジないからさ、火にかけられるとべんりなんだよ」
「もえたりしない?」
「燃えないよ、もちろん」
「のだほうろう…」
「メモしなくてもいいとおもうけど」
「ダメなの。ちょうさだから」
「調査ね」
「じゃあこれでいいです。今日はどうもありがとうございました」
「窓をやぶって侵入したとは思えない態度だな」
「アンジェリカどこ?」
「あれ、いないな。どうしたんだろ」
「あっいた!お布団でねてる!」




A: 野田琺瑯のホワイトシリーズです。




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dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)

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