2008年7月3日木曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その61(a)


昨夜は古川プロデューサー夫妻が夜ふらりとウチを訪れて、コーヒーを飲んでいかれました。キュートな奥方とは何度もお会いしているのだけど、ウチに足をお運びいただくのははじめてだったので、何か粗相がありはしなかったかと今ごろハラハラしています。


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ダブルスコップ(通称ダブスコ)さんから、ふたつめの質問です(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)。どうもありがとう!



Q: 好きな動物は何ですか?(ムール貝博士にも聞いていただけますか?)私はカバが好きです。



そういえば、ずいぶん前に「人間以外の生きものに生まれ変わるなら何がよいか」という質問に答えたことがあったので、これはたぶんベクトルが同じだろうとおもって読み返してみたら、そうでもありませんでした。ハシビロコウはたしかになれるものならなってみたいけど、好きかと言われるとべつにそれほど好きでもない。こういう、似て非なる感情の境界に明確な線を引いておくと、いろんな局面で役に立ちそうな気がしますね。

好きな動物…そもそも「日高敏隆」という名前にピクっと反応するくらいなのでひとつにしぼるのはむつかしいですが、牛が四六時中もぐもぐやっている様子をえんえんと眺めるのは好きです。生きるというシンプルな状態を非常にわかりやすく体現してくれているような気がします。「だれも自分のことをわかってくれない」という気分のときに眺めると効果的です。デザインとしての美しさを考慮に入れるなら、青草を食む乳牛(ホルスタイン)がベストですね。

もっと突っ込んで言うと、角のある偶蹄類はだいたい好きです。ヌーとか、シロイワヤギとか、アオヒツジとか、カリブーとかですね。なぜかというと僕には角がないからです。だから角はなるべく大きいほうがうれしい。ジャコウジカも神秘的で惹かれるものがありますが、角があるかどうかは覚えてないです。なかった気もするな。


あとはもう絶滅してしまったけれど、かつて南太平洋のハイアイアイ群島に生息していた鼻行類ですね。説明するよりじっさいに見てもらうほうがいいとおもいますが、嗅覚器官としての鼻が極限まで進化してついには歩行器官にまでなったという、変わった動物です(別名ハナアルキ)。ここにリンクしたのはその種類と生態、はては骨格標本まで網羅したすばらしい書物で、以前はハードカバーを持っていたのだけど、むかし付き合っていた女性の部屋に置いてきてしまい、買い直そうとおもうころには絶版で手に入らなくなっていました。僕の生涯でもっとも悔やまれることのひとつです。

15年くらい前、今とは書架の配置が異なる池袋リブロで、はじめて手に取ったときのドキドキを今もときどき思い出します。



A: 角のある偶蹄類(あるいは鼻行類)



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博士にも、ということでしたが、例によって長くなってしまったので2回に分けてお答えします。ちなみに、今回いただいた質問が今のところ最後の質問です。とうとうきたかというかんじですね。

しかしまあ実際のところこんなに長くつづくとはおもっていなかったし、60回もやればりっぱなものです。みんなどうもありがとう!ここまできたら締め切る気にもなれないので、これからも気軽にお送りくださいませ。



dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)




その61(b) につづく!

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