2008年5月19日月曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その51
以前職場の先輩だった前田さんが自転車の読み方を「じてんしゃじゃないよ、じでんしゃだよ!」とつよく主張していたことをさっきふと思い出しました。なんとなく否定しきれない説得力を感じてうやむやにしてしまったことを覚えています。
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洗濯機さんからのしつもんです(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)。たまにはこういう潔いペンネームもいいものです。
Q: 「keep left」という歌詞についてです。安全な方を走ってろ(於・日本)、逆走しかないだろ(於・どこか異国)、保守にだけは走るな(党派のはなし)、いったいどんな意味なんだろうね、という会話をしました。それ以来、keep leftが出て来るたびに気になっています。どれもありうる…。「keep Left」は、どんな精神の表れですか?
キープレフトとはこの場合、「無用な混乱に陥らないようあらかじめ設けられた、最低限のルールにしたがう」という、わりとそのままの意味です。それを守ったからといって何かが保証されるわけではまったくないし、逆にないがしろにしたからといって切符を切られるわけでもないけれど、すくなくとも自分自身の平衡を保つ気の持ちようとしては、ある程度有効であると僕は考えています。そこから派生する具体的なアクションを挙げるなら、朝決まった時間に起きるとか、玄関では靴をそろえるとか、たとえばそういうことです。
習慣といってもいいけれど、厳密に言うともう少し意識的なものですね。起床にかんして言うなら、「7時にはしぜんと目が覚める」ではなくて「どんなにくたびれていても7時には起きることにしている」というかんじです。自分が自分であるためのゆるやかな拘束と言ったほうが近いかもしれません。「ゆるやかな」というのは、「これをしないと気が済まない」というほど頑固なものでもないからです。なんというかそれだと、罰則がつきそうな気がしませんか?そんなにきびしくはないのです。
この例でまとめてみるとこうなります。
A. 7時にはしぜんと目が覚める
B. 7時には起きることにしている
C. 7時に起きないと気が済まない
Bがつまり、キープレフトです。
だからここでは、外に向けてのメッセージというよりもむしろ、自分に対するおまじないみたいな意味合いで使われているわけですね。
ただこれは、「こう聴いてほしい」という意味ではありません。それこそ、「安全なほうを走ろう」だってぜんぜんかまわないのです。どんなに細かく言葉を規定したって解釈の余地は必ず(必ずです)のこるし、もともと与えられた意味よりもずっとしっくりくる場合だってあるとおもいます。僕もメールをいただいて、「なるほどなあ」と新鮮な気持ちになりました。僕にとっては、100パーセント伝わるかどうかよりも、こんなふうにして真摯に言葉と向き合ってもらえることのほうがずっと大事です。
どうもありがとう!
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洗濯機さんが投票してくれたことで、詩人の刻印(ほぼ)全曲レースがひさしぶりに更新されました!「アンジェリカに、特大の1票!」ということなので、コロッケをひとつおまけにつけましょう。うれしいです。ありがとう!
バミューダ 9
ボート 8
蝸牛 7
話咲く 7
アンジェリカ 4(とコロッケひとつ)
紙屑 4
ユリイカ 4
腐草為蛍 3
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とうとう数字以外のものまで加わって、レースからますます目がはなせません。質問だけでなく、もちろん投票もお待ちしています。というか、いつまでやる気なんだ?
dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)
その52 につづく!
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