2008年5月12日月曜日
世界でいちばん過酷な現場とは
6時間昼寝をしてもその6時間後にはまたふつうに眠れる睡眠的大食漢が、じつに34時間の断食(不眠)という気の毒な苦行をへて、ようやくおとずれた凪をしみしみと味わっています。
土曜の夜はまったく、ホストであるSUIKAはもちろんのこと、SONPUBもALOHAもドカンドカン爆音をぶっぱなして山火事みたいな騒ぎでした。勢いよく燃えさかる山火事のうちがわで、ちょろちょろと花に水をやる立ち位置のわたくし。SUIKA自身は「まだまだ」とどこまでも貪欲な意気込みを口にしていたけれど、家庭的な温かさに、それとはそぐわぬ破壊力、プラス職人的向上心で彼らにかなうものなんかいやしないんだ。夜話とは、いつわりなく、太陽のようにまぶしいイベントです。名古屋や北海道(!)からもわざわざ足を運んでくれた人がいましたね。でも、来た甲斐はあったでしょう?
どうもありがとう!
夜話バッジにしても、おまけCDRにしても、すこし多めにつくって余ったのをもらうつもりでいたら、スッカラカンになってしまってメンバーのぶんなんか全然残りませんでした。なのでけっきょく僕はまだ、おまけCDRの実物を目にしていないのです。どんなかんじだったんだろう?
多くのパフォーマーとちがって僕のばあい、絵を描くつもりで教室に行ったらヌードモデルをやる羽目になったというのにちょっと似ているので、合計400個ちかくの目玉に見つめられるなんて、考えるだけで目まいがするし、しぼんだ風船のごとくしおしおになってしまうのだけれど、ものすごくファミリアな雰囲気のなかで、どうにかつつがなく終えることができてホッと胸をなでおろしています。
ちなみにSUIKAの演奏による夜話限定セッションは、「手漕ぎボート」でした。ぜいたく!しあわせ!
まだ小学生の桔梗ちゃん、直筆のお手紙をどうもありがとう。SUIKAのライブを、最前列で食い入るように観ていましたね。桔梗ちゃんのご家族は、4月のFNSR感謝祭@渋谷フライングブックスで僕が、「お客さんをじゃがいもだとおもえば緊張しないですむかしら」うんぬんと話した(こうして書き起こしてみるとずいぶん失礼な話だな)ことをおぼえてくれていて、野菜が描かれた手づくりのお面をライブ中に一家でかぶってくれたのです。ワハハ!馬鹿だなあ。なんて愛おしい家族だろうと、あんまりうれしくて、草葉の陰でぽろりと泣きました。
たとえばSUIKAにこんな素敵なエピソードがあったって驚きゃしないけど、相手が小林大吾となると話はべつです。ですよね?ありがとう。ありがとう。
手紙と言えば、さかのぼることちょっと前、献上したアルバムについて丁寧な自筆のおたよりをしたためてくださった印刷屋さんの社長夫人(!)も、遊びにきてくれて感激しきりでした。詩人の刻印の初回限定パッケージの印刷に力を尽くしてくれた印刷屋さんです。僕もお会いするのは初めてだったのでご挨拶できてほんとうによかった。ライブハウスに足をはこぶのは人生初とうかがいましたが、だとしたらよろこびもひとしおです。すごい!
それから、御大ロバート・ハリスが「女と紙屑」をしめくくる最後のフレーズに耳を留めてくれて、血圧上がりました。まさしくあの一文があるゆえにこそ、僕は「女と紙屑」をとても大事な作品ととらえているのです。それにくらべたら、この曲で描かれる男女のやりとりなんて何でもない。だって実際とくに何も起こらないし。
そのほか、多くの人に声をかけてもらいました。ほんとうにありがとう!
次回のSUIKA夜話は9月です。ゲストはステルスなので、きっとまた会場はホモサピエンスで埋め尽くされることでしょう。僕は出演者としてではなく、町を歩けば警官に呼び止められるごくごく普通の観客として足をはこびます。
いい夜であった。
眠りについたのはそれから15時間もあとのことですが、それはまたべつの話。
ダブルヘッダー後半、渋谷NEOでのライブは、曲出し担当・古川Pの勇姿を観にきたライムスター宇多丸さんに「こりゃあ(小林大吾にとって)世界でもっとも過酷な現場ですよ!」と耳打ちされた心温まるエピソードからなんとなく察してください。
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3 件のコメント:
タマフルで知って以来のファンです!
アーティストにこういうのを聞くのもどうかとおもうのですが、手漕ぎのボートの元ネタ?声ネタ?の「Don't Be Afraid~」と歌っているのは誰なのでしょうか?もし差し支えなければお教えください。お願いいたします。。。
こんにちは。
なりふりかまわない姿勢はともかくとして、そのきもちは僕もすごくよくわかります。
でも、そうですね、グーグルで検索すればエリザベス女王のスリーサイズだってわかってしまいそうなご時世に、調べるためのとっかかりさえ見つからない謎があるというのもちょっとロマンチックな話だとおもいませんか?
それに、願いつづけて、ふとしたときに思いがけず謎がとけたときのよろこびったらないですよ。音楽にかぎったことではないけれど、僕にもいくつかそういう経験があります。
本気で待ち焦がれていればいつか必ず、出会えるときが来るはずです。
ちなみに、SUIKA夜話のセッションで"don't be afraid〜"と歌っていたのはタケウチカズタケでした。
返信ありがとうございます。
コメントにひどく感銘を受け、気長にいい音楽を聴いてたら出会えるだろうな と思ってたら全然聴いてなかったCDで発見することができました。
新しい物に手を伸ばすのも良いですが、自分の持っているものを把握してからでも遅くないものですね。
ちょっと焦ってました。
ありがとうございます。
こういう出会いや再会はサンプリングミュージックならではで、確かなロマンを感じることが出来ました。
野暮な質問、本当に失礼しました。
もうちょっとロマンチックに音楽と接してみます。
タケウチさんバージョンにもいつか出会える事を願ってます。
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