2022年4月8日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その369


ムーンライト演説さんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q. 私は37歳なのですが25歳の彼女がいます。気はすごく合うのですがたまに育ってきた年代が違うせいでギャップを感じることがあります。その溝を埋めるにはどうすればいいでしょうか?


かれこれ400回近く続けてきた質問箱ですが、その中でも群を抜いて忌々しい質問です。37歳で25歳の恋人がいてなおそのギャップを埋めたいとはふてえ野郎だと舌打ちするほかありません。どちらかといえばスコップを持って集まるように呼びかけて大勢でその溝をマントルあたりまで掘り下げたいくらいです。「大富豪ですがお金で買えないものが欲しいです」と言うのに近いものがあります。望んで得られる境遇ではまったくないことに毎朝感謝しまくらなくてはいけません。

怪獣だったら町を片っ端から破壊して回りたい今のわれわれの心中はさておき、というのはつまり恋人云々をちょっと脇に寄せてお話しするなら、それなりに長めの年月を生きてきた僕も世代のギャップを感じることはもちろん、ままあります。

そこでいつも思い浮かぶのは、自分もいつかこうなりたいと願わずにはいられない、先輩方のことです。そう願うのはもちろん、人としての魅力に溢れているからなんだけれども、彼らはいつもおしなべて年齢差を感じさせません。言い換えるなら視点がいつも「今」に置かれていて、かつてはこうだったと過去に照らし合わせて考えることがほとんどないのです。

ギャップが生じるのは、常に過去を持ち出すときだけです。彼らは人に訊かれれば普通に過去の話をするけれども、日ごろ自ら振り返ることはありません。そしてここにこそ重要な、ゆるがせにできないポイントがあると今の僕は考えます。自戒を込めて言えば実際、多くの人は歳をとると過去との違いにいちいち驚き、そのひとつひとつに感傷を表明せずにはいられないのです。

その上で認識しておきたい点は3つあります。

ひとつは、年の差があればそこにはギャップが厳然と存在すること。もうひとつはそれを自ら持ち出さないこと。そして最後は常に自身のOSを時代に合わせてアップデートし続けることです。僕もなるべくそうありたいと心がけているけれど、少なくともこうなりたいと思わせてくれる先輩方はみんなこんな感じです。溝を埋めるのではなく、むしろ溝があると相手に感じさせないわけですね。

パートナーとして側にいるならどうでもいいや知るかこのやろうと思わないでもないけど、仮にそうじゃなくても今後あらゆる局面で有効だと思うので、参考にしてみてください。


A. 自身のOSを常にアップデートしておきましょう。




質問はいつでも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その370につづく! 

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