つい先日のこと、とあるライブハウスに「小数点花手鑑」の特装版を持っているという、たいへん貴重な青年がいたのです。
注意:スターウォーズ的に言うと「A long time ago in a galaxy far, far away……」くらい古い話なので、ひょっとするとご存じないかもわかりませんが「小数点花手鑑」というのは、小林大吾というこれまた検索してもろくにひっかかりもしない地味な中年男性が世界に向けてほそぼそとリリースした4枚目に当たる音楽アルバムです。歌は入っていません。
そんなレアアイテムをお持ちだなんて、それはさすがにちょっとしたことだとおもうし、四葉のクローバーをみつけたようなよろこびもあってあれこれお話をしていたところ
「ツイッターとかやってないんですか」
「一応、やってるんだけど、でも……」
「えー!まじですか!検索します!」
「ごめん、検索しても出てこないかも……」
「ライブとかやらないんですか」
「あ、えーと去年からちょこちょこ……」
「まじすか!どっかで告知してます?」
「うん、ブログで……」
これはまあ、このブログが普段いかに情報の発信地としての用を成していないか、やんなるほど如実に表している格好の例といえましょう。実際、2007年まで遡ってみても、それらしい活動履歴を記してあることのほうがよほど少ないのです。「需要はあるのか?」と問われれば「そのへんの石ころだって需要があるから転がってるわけじゃないだろ!」と論点を若干ずらしながら逆ギレするほかありません。
詩人を名乗る男が詩人らしい活動をせずに何をするかというのはもちろん、考え出すとキリがない難しい問題です。しかししいていえば毎週土曜日にTBSラジオで絶賛オンエア中である「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」、通称タマフルが今週末の「ラジフェス2016」@赤坂サカスにて販売する缶バッジをデザインしたりしています。
なぜだかは僕もよくわかりません。
ちょうどオントローロの「09」と「10」の間の時期だったとおもいますが、経緯はどうあれこのときほどタマフルリスナーのことを恋い焦がれんばかりに考えまくっていた男は僕を置いてほかになかったはずです。
最初にポンと思い浮かんだのはこれだったのですが
プーさんから耳を取ってサングラスをかけると宇多丸さんになることを発見した pic.twitter.com/a3yorHKcRL— P.P. ピンカートン (@p_p_pinkerton) 2015年3月10日
冷静に考えてみるとこれはタマフル愛というより宇多丸さんに対する僕の個人的な愛情表現にすぎません。これではダメだ……身につけるのはリスナーなのだから、リスナー同士がお互いに一目で通じ合うような、そしてできれば連帯感をより高めてくれるようなものでなくてはダメだ……!とひたすらリスナー視点を突き詰めた結果、12種類の図案をこしらえ、そこからさらに厳選された5種類がぶじ、缶バッジと相成ったのです。
図案は当日のお楽しみということなので、ここで流出するような野暮はいたしますまい。でもタマフルリスナーであればきっとご満足いただける仕上がりになっているはずです。問題はタマフルリスナーがこのブログを訪れることはたぶんないということですが、そんな身もふたもない現実はこの際脇にうっちゃっておきましょう。どうかリスナーのみなさまがほくそ笑んでくれますように。
使われなかったラフ図案
3 件のコメント:
でもそんな緩いブログっぷりがお好き
> 匿名さん
だよね!
タマフルリスナーですぞ
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