灯油の巡回販売で量を1リットルばかりごまかし、浮いた数十円をポッケに入れて小遣いにしてしまうふらちな輩がいるらしいですな。たしかに17リットルなのか18リットルなのかなんて入れてもらう側からしたらわかりっこありません。まったく世の中にはわるい奴がいるものです。
これと同じ不正を、僕はグラム売りの焼き芋屋にやられたことがあります。ちょっと遠い目をしてしまうくらい昔のこと、週末の夕暮れ時で腹がグーと鳴ったところにたまたま例の軽トラが近所を通りがかったから、慌てて部屋を飛び出して声をかけたのです。
「1本ください!」
「グラム売りだけどいい?」
「グラムだとよくわからないです……」
「500gで中くらいの1本くらいだね」
「じゃあ750gで!」
「750だと……こんなもんかな」(と1本選んで計る)
「わくわく」
「よし、おまけしとくよ」
「ありがとう!太っ腹!」
とまあ、うろおぼえだけれどたしかこんなかんじのやりとりで、熱々のイモを手にいそいそとアパートに帰ったのです。靴を脱ぎながらもう食っちまおうとイモを割りかけたところで、冷蔵庫の上に置いてあるプラスチックの秤が目に入りました。その瞬間までとくに気にもしていなかったけれど、手におまけしてもらったイモがあって目の前に秤があるとなれば、とるべき行動はひとつしかありません。
(イモをのせる)
ガシャーン!
600gしかねえじゃねえかぁああああ!
おまけって何だよ!足りてもいないよ!「リップサービスもおまけのうちだよ(・ω<)☆」くらいなら「こいつは一本とられた!(焼き芋だけに)」で済みもするけどまさか代金分さえクリアしてないなんて、それとも何か?おまけってのは、いつもならたっぷりピンハネするところを今日は特別にあんまりしないでおいてあげるよとかそういう意味だったのか?
もう一度計ってみよう……
(イモをのせる)
ガシャーン!
せっかく焼きイモでぽかぽかになろうとおもってたのに、頭から湯気が立ちのぼって食う前からぽかぽかです。こんな形で果たされるはずではなかったことさえ目をつぶれば、イモはたしかにその目的を果たしたと言っていいでしょう。こんなことなら何も知らずに小躍りしながら食ってたほうがよほどハッピーだったと悔やんだところで後の祭りです。
それ以来、みずから焼きイモを買ったことはありません。僕はなぜだか昔からしっかりしているように見られがちですが、そう見えるだけで実際にそうだったためしはかつて一度もなく、言いたかないけどドジっ子レベルでわりとちょいちょい痛い目にあっています。
それにしても「おまけしとく」とか言いさえしなければこっちだってそのままほくほくおいしくいただいて秤なんかにのせることもなかったのに、じぶんから進んで馬脚を露わしやがってまったく、バカな野郎だ。そのうちイモに訴えられるぞ!
3 件のコメント:
それは芋々しい
田舎の芋は最高ですよ!
> tofumakerさん
山田くん座布団ぜんぶ持ってって!
> 小笠原さん
じぶんで焼けばよかったです、ホントに。
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