傘だ!
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骨折りゾンビのくたびれ儲けオブザデッドさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)
Q: 読書の際の栞は何を使いますか。
そうですね、ページの間に何かがはさまっていればよいので、あまりこだわりはありません。山ごもりのついでに拾ってきた葉っぱとかでも個人的にはオーケーです。枯れ葉はぱりぱり砕けてしまうので、できればしっとりと手になじむ新鮮な葉っぱがよいとおもいます。イチ押しはクヌギですね。形といい、薄さといい、とくに青葉は日に透かしたときの色合いがきれいで、しおりにはうってつけです。ドングリごとはさんでおけばちょっとしたアクセントにもなるし、読書に飽きたらドングリに爪楊枝を刺してやじろべえにしたり独楽遊びもできます。アク抜きをすれば食料として保存も可能です。読みながらナッツのようにぽりぽり食べたいという人はクヌギよりもアクの少ないスダジイを選びましょう。
徹底したインドア派で、葉っぱなんて拾いに行ってられないよ、という人にはバランもいいですね。バランとは寿司とか弁当によく入っている、緑色のぴらぴらした仕切りというかムードメーカーというか、あるとそれっぽく見えるけどなくてもそんなに困らない、ビニール製のアレのことを言います。本来は「ハラン(葉欄)」という植物を模したものだそうです。画像を検索するかぎり共通するのは緑色をしていることくらいなので、どこをどう模すとこうなるのかさっぱりわかりませんが、とにかく社会通念上はそういうことになっています。本にはさむときは一度洗って、乾かしてから使ってください。またバランにも「山型」「関所型」「三本杉1号〜3号」「豆バラン」といろいろ種類があります。スーパーやコンビニの弁当コーナーでしおりのための品定めをする際には注意が必要です。
ドングリに戻って、いえもちろんしおりの話のつづきですが、小腹が空いてもへっちゃらなスナックしおりとしては、ビーフジャーキーがその威力を遺憾なく発揮してくれます。何しろ肉です。実際のところ何の肉だかよくわかっていなかったり、もぐもぐやりながらふとパッケージを見たらオーストラリア産のカンガルーでびっくりしたこともありますが、肉にはちがいありません。これとナッツ類と水さえあれば多少の遭難も恐るるに足らずです。そして本も読める。鼻歌まじりの充実した遭難が期待できます。
他にもためした例を挙げると、干しイモはカビやすく、するめはにおいがあり、韓国海苔は油っぽく湿気に弱いため、しおりにはあまり向かないようです。菜食主義にはかんぴょうあたりがいいでしょう。
お金が湯水のようにあって使い切れないよ、というときはしおりに紙幣を使います。気っ風の良さでは一万円札ですが、デザイン的にはやはり二千円札がすてきです。また海外には美しい紙幣がいろいろとあるので、外国文学ならその国に合わせたコーディネートも楽しめます。僕が好きなのはフランス領ポリネシアの紙幣です。
いえ、断じて空しくなんかありません。どのみち果敢ない人生です。夢くらいみたって罰は当たりますまい。
A: ビーフジャーキーです。
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dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)
その202につづく!
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