あとは仕上げをごろ次郎さんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)
Q: ムール貝博士的略語とも言うべき自分略語はありますか?ちなみに我が家ではお腹がゴロゴロ下った時は、「女神が降臨した」と言います。「うんこ」→「こーうん」→「幸運」→「幸運の女神」と変化し、今は「女神が降臨」になりました。
わかる人にだけわかる共通語、つまり隠語とか符丁のことですね。うんこから女神への鮮やかすぎる反転はまったくお見事というほかありません。文字通りくさいものにふたをするようなロジックとはいえ、女神にまで昇格されたらうんことしても冥利に尽きるというものです。できればその名にふさわしい装いでしゃなりしゃなりと慎ましやかにおいで願いたいものですが、ゴロピカドンときているからにはなかなかそうもいきますまいな。
符丁か……。
そういえば最近、「BK!BK!」と言われててっきりバカの略だとおもい、「何だとこのやろう!」とあやうく血で血を洗う取っ組み合いのケンカに発展しそうになりましたが、よくよく聞いたらこれは「部長を消すよ」の略であり、「なんだ早とちりしちゃった(*´∀`*)」と朗らかに落着したことがありました。
しかし「部長を消す」という暗殺者めいた発言と、それを聞いて「なーんだ」と破顔一笑するこの耳を疑うようなやりとりには、肝をつぶす方もおられましょう。ちょっとおだやかでないというか、率直に言ってあまり家庭的に見えない、もしくは家庭にカウンセリングを要する類いの問題を抱えているのではないかと?
我が家が暗殺を生業とするゾルディック家のような一族であるかどうかについてはあえて否定するまでもないことだとおもいますが、というのはもちろん肯定したところで鵜呑みにする人もなかろうからですが、他のことはいざ知らず少なくともこの件に関してはカウンセリングを要するような話ではありません。何となればウチで「部長を消す」と言えばそれはまっすぐに「ストーブの火を消す」ことを意味しているからです。
ではなぜストーブを消すことを符丁のような物言いで表しているのか(暗殺稼業的にはむしろ「ストーブを消す」のほうが符丁に当たるとおもいますが)というと、これはストーブを日ごろから「部長」と呼び慣らわしていることに端を発しています。いつだったか質問箱でも言及したことがあったような気がしないでもありません。正式名称は「須藤部長」です。「須藤」ではなく「部長」のほうが残ったのは、おそらく彼なしではとても乗り切れない極寒期のパワフルな働きぶりに敬意を表した結果、自然とそうなったようにおもわれます。呼び捨てなんかしたらバチが当たってたんこぶです。そのわりに毎晩判で押したように暗殺されているような気もしますが、翌朝になれば何ごともなかったかのように生き返っているのだし、まああまり深く考える必要もないでしょう。
あとそうそう、いま思い出したけど、うちでは湯たんぽのことを「ぽんた」と呼んでいます。とくに理由はありません。しいて言えば湯たんぽより言いやすいし、可愛いからです。僕らの日々において「可愛い」は神にも似た概念のひとつであり、これに勝る理由なんか何ひとつありはしない、と良い機会だからここで声を大にして申し上げておこうとおもいます。
A: BK→部長を消す→ストーブの火を止める
*
質問はいまも24時間無責任に受け付けています。
dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)
その204につづく!
3 件のコメント:
我が家では【ビッグ・ベン】【ショーン・ベン】というのがありますね。でもこれ、わりとそのままですね。
物に名前をつけると暮らしが少し愉快になって良いですよね!
ぽんた、可愛いなあ…。
符丁といえば。我が兄は友だちのキョロちゃんと東南アジアを旅したとき、なぜか兄の洗濯物だけが異臭ともいうべきにおいを発するので
「洗濯する時は宣言しろ。おれ逃げるから。」
と言われてしまい、洗濯のたびに
「キョロ、ビッグ・イシューだ!!」
「よしきた!」
という符丁を交わしていたそうです。
日本有数のお利口大学へ通っていたふたりですが、歳相応におばかで大変よろしいと思いました。
ところで、ジャンプ読まれるんですね。
> miwaさん
たしかにこの方面に関しては
家庭の数だけ符丁があってもおかしくないですね。
というか却って口にしづらくないですかそれは。
> いくらのよしはさん
ネガティブなはずなのに響きがじつにポジティブです。
いい話だなあ!
ジャンプはまあ、新聞みたいなものですね。
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