なんの因果か旧営団地下鉄エドガー橋駅にほどちかいエリアで、かつてミス・スパンコールと呼ばれていたうちの人が古書店「アルスクモノイ」を開いたのは2019年の9月20日、それも今年と同じ金曜日でした。僕にとっても初めてのアルバムを作るきっかけとなった思い出深い1曲、「棘/tweezers」で言及している馴染み深い土地でもあり、オープン当時は実在しないのではないかと考える人もいたといいます。ムリもない。
しかし今もまちがいなく存在するアルスクモノイは今年、そして今日、おかげさまでめでたく5周年を迎えることができました。
しみじみと思い返せばいろいろあったような気もします。店の2軒隣が消防車4台、消防士20人以上で消火にあたる火事になり、「避難したほうがいいですか」と消防士さんにおそるおそる聞いたら「危なくなったら避難してください」と言われたので、数メートル隣のビルがごうごうと炎を吹き散らしているのにソワソワと店の中で待機するしかなかったとか、2日間の臨時休業を強いられる災難に見舞われたあげく訴訟に発展したとか、うちの人が20年以上推しとして崇めつづけているアーティストがちょっとした巡り合わせから常連のように店を訪れてくれるようになったとか、それこそ枚挙にいとまがありません。
お店は生きものだと諸先輩から聞かされていたとはいえ、ほんとうにまったくそのとおりだと強く頷かされる日々です。棚や商品が増えるだけでなく、お客さんの来訪が栄養としてお店を活き活きと育ててくれる、そんな実感がたしかにあります。人のいない空き家があっという間に朽ちるとはよく言われることだけれど、その意味が今は心の底からよくわかる。至近距離にいる僕としてもこんなに誇らしいことはありません。
そんなアルスクモノイが、5周年を記念してA2サイズのポスターをつくりました。
「あらゆるジャンルを越えて、遠く離れているように見える点と点を結び、その線と線が網のように広がっていく、その触媒でありたい」という、店名の由来でもあるコンセプトを図案にしています。
ご希望の方には店頭で差し上げますので、お気軽にお声がけくださいませ。
そして6年目に向かう古書店アルスクモノイを、今後ともどうぞよろしくお願いします。
(繁盛すればするほど巡り巡って僕も助かる仕組みになっているのです)(小声)
あと、20年来の親友であるイラストレーター、オノダエミ姉さん(@himatan_desyu)が上の画像に最高のイラストを描き足して祝ってくれました。姉さんありがとう!!!こっちのほうが圧倒的にいいな…。
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