ジャンヌ、ダルいってよさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)
Q: 博士はなにパンが好きですか?えっと、ひもパンとかは無しで。ひとつ。よろしく。
「ジャパンだな」
「いきなり切り札で始まった!」
「何だというんだ」
「それはウルトラマンが登場2秒でスペシウム光線を放つようなものですよ」
「放てばいいじゃないか」
「ものごとには順序ってものがあるんです」
「何を言ってるんだかちっともわからん」
「最初はあんパンかな?食パンかな?とかそういうのから始まって……」
「食パンは好かん」
「そういう話じゃありません」
「じゃあどういう話だ」
「それでこう、途中で縞パンをはさんだりして……」
「しまパン?」
「たとえばの話ですよ」
「しまじろうのパンツなんぞどうでもいい」
「僕もべつにしまじろうは……え?しまじろう?」
「そんなものを好きかと言われても困る」
「縞パンはしまじろうのパンツじゃないですよ」
「しまさぶろうだったかな」
「いえ、しまじろうで合ってますけど」
「合ってるじゃないか!」
「まちがってるのはそっちじゃありません」
「わかったわかった」
「何がわかったんです?」
「しまじろうなんだろ」
「しまじろうですけど」
「わかっとる!」
「そうじゃないんです」
「イエスと言ったそばからノーを持ち出すな」
「そうじゃなくて、パンツの話なんです」
「パンツなんぞどうでもいい」
「僕だってどうでもいいですよ!」
「お前が言い出したんだろうが!」
「ちがいます、縞パンというのは縞々のパンツのことで……」
「パンツなんぞどうでもいい」
「そういえばそうですね。あれ?」
「パンツ談義に付き合う気はない」
「なんでパンツの話になってるんですか?」
「お前が言い出したんだろうが!」
「へんですね」
「変なのはお前の頭だ」
「あ、そうだそうだ、あのですね……」
「…………」
「お茶をすすりながら遠い目をしないでください」
「もういいじゃないか」
「何がですか」
「縞パンが好きなのはよくわかった」
「そういう話じゃないですよ」
「好きじゃないのか」
「スキかキライかと言われたらスキですけども」
「煮え切らん男だ!」
「紆余曲折あってのカタルシスだと言いたかったんです」
「話をずらすな」
「初めからその話しかしてません」
「パンツの話だったろうが」
「それはもういいんです」
「そうだ、それはもういい」
「切り札を出すタイミングの話なんですよ」
「切り札?」
「今回で言えば『ジャパン』がそれです」
「ああ……」
「何年も前の話みたいな顔しないでください」
「たしかにそんなこともあった」
「最後に切り出せばすごい破壊力だったのに」
「何がだ」
「ジャパンがです」
「日本と言え」
「僕だって好きで言ってるんじゃありません!」
「そう怒るな。冗談だ」
「じょっ……」
「ジャパン人はクールが身上らしいぞ」
「そこは日本人でいいんじゃないですか」
「わかったわかった、煩わしい」
「せっかくいいオチというかカタルシスが……煩わしい!?」
「要はこういうことだろ、つまり……」
「いま煩わしいって言いました?」
「小腸が6mも7mもあるのは目が覚めるような爽快なお通じのためだと」
「え?」
「そういうことだろう」
「お通じ?」
「有り体に言うとうんこだな」
「何の話をしてるんですか?」
「紆余曲折とそれに比例する大きなカタルシスの話だよ」
「パンの話ですよ」
「何だと?」
「パンの話です」
「なら初めからそう言え」
「そう言ってます」
「言ってない」
「言いました」
「聞いてない」
「聞いてくださいよ!」
「聞くに値しないのがわるい」
「だからジャパンが出てきたんじゃないですか」
「はっはっは!」
「何がおかしいんですか」
「パンの話なのにジャパンとは傑作だ」
「博士が言ったんですよ」
「そうとも、だから天才だと言っとるんだ」
「それで話を終えられても困るんです」
「なぜだ」
「なぜって……オチにはなっても答えにはなってないですよ」
「オチになってるならいいじゃないか」
「それを最初に言っちゃうからこんなことになってるんです」
「ああ、出オチか」
「それはちょっと意味がちがいますけど」
「わかったわかった、じゃあアルセーヌ・リュパン」
「え?」
「仕切り直せばいいんだろうが?」
「それはそうなんですけど、そうじゃなくて……」
「3世じゃなくて初代のほうだぞ!」
「わかってます!」
「わかってるならいい」
「そうじゃなくて、そうじゃないんですよ」
「何がそうじゃないんだ」
「食べるほうのパンなんです」
「じゃあピタパン」
「だからちがうんですってば!」
「何がちがうんだ」
「むしったりちぎったりするほうのパンなんです!」
「むしったりちぎったりするほうのパンだろうが」
「本気で言ってるんですか?」
「これ以上どう本気を出せと言うんだ」
「むしったりちぎったりして食べるんですか?」
「むしったりちぎったり具をはさんだりして食う以外に何をするんだ」
「具をはさむ?」
「そのためのパンだろうが」
「ピーターパンに?」
「お前はバカか?」
「だってピ……あっ」
A: ピタパンです。
*
質問はいまも24時間無責任に受け付けています。
dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)
その200につづく!
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