2013年6月29日土曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その159a



チーム・オーディオビジュアルでは月に一度、ミーティングと称した食事会をひらく決まりになっています。称して、というのは(以下略)

「いま何曲できてるんだっけ?」
「(ごにょごにょ)」
1曲ふえとる!


千里の道も一歩からです。千里あることは正直考えないでおきたい。




愛という名のモツ煮さんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)3ついただいているのでいっぺんにお答えしましょう。


Q: ダイゴさんのやる気スイッチは何ですか?ぼくは焦りです。


のっけからしなしなと萎えることを言うようで何ですが、僕にはやる気スイッチがありません。というか、そもそもやる気がありません。あれば今ごろスマホにテザリングでツイッターどころかLINEやフェイスブックも片手間にちょちょいのちょいでアルバムも10枚くらいリリース(うち5枚はベスト盤)、一躍スターダムにのし上がりはしないかもしれないけどちょっとくらいはモテちゃったりして、いやーまいった人生バラ色だな!ていうか桃色だな!

と左うちわで天狗になっているにちがいありません。かたわらには美女を300人くらいはべらせておこう。

あるいはフレッシュ・プリンス(ウィル・スミス)のようにスターダムを駆け上がったあげく足をすべらせて真っ逆さまに転落、とおもいきや名前を変えて不死鳥のようによみがえる、劇的なシナリオもいいですね。ギャラが高すぎて続編のオファーが来ないなんて、考えただけでもゴハンがすすむじゃないですか。おかわりおねがいします!

えーと…

(話を思い出そうとしています)

ああ…

(現実に引き戻されています)

そうですね、しいて言えば「何もない空白の時間」がやる気を起こすことにつながっているとおもいます。頭がまっ白であればあるほど、「よし、やるか」というきもちに自然となりやすいのです。もちろんタイムリミットによる強制終了が間近にせまって焦ることはあるし、というかそんなのはしょっちゅうでむしろ今まで焦らずにすんだためしがないような気もするし、じつを言えば今も焦っています。ただこの焦りをやる気と結びつけて考えてしまうと常にやっつけ仕事の危険性がつきまとうので、できるだけ結びつけないようにしているのです。デッド・オア・アライブ感に思わぬ力を引き出される人もいるとおもいますが、僕の場合はこれだとまずデッドになることがこれまでの経験からはっきりしています。今やほとんどゾンビです。

しかし「何もない空白の時間」と言えば聞こえはいいけど、周りからしたらこれ、単なる「暇」にしか見えないでしょうな…


A: 「暇」です。


そして暇と言ったとたんに今度は聞こえがわるくなる。




Q: 世界の終わりが来るとして、何をしますか?


これについては明確な姿勢があります。5年前にもここに記した、ある母娘の会話を再録しましょう。

「今日で世界もおわりだね、お母さん」
「そうらしいね」
「もう明日はないんだよ」
「そうなのかね」
「だってもう決まったことなんだよ!」
「そう、じゃしかたないね」
「悠長に朝ゴハンなんか食べてる場合じゃないでしょう!」
「いいから食べなさい」

これはもともと朝食がいかに大切かということを示すために持ち出した一幕ですが、それ以上に僕が日々をすごすうえでひとつの基礎となる重要な哲学を如実にあらわしています。つまり「キープレフト」です。

さじを投げているわけではありません。悟りや諦観ともちがいます。前にも書いたように、「無用な混乱に陥らないよう、あらかじめ設けられた最低限のルールにしたが」っているだけです。内心ではぷるぷるふるえているかもしれない。どこへかはわからないけれども今すぐ逃げ出したい、と思っているかもしれない。それでもなお、じぶんがじぶんであるためにこうと決めた日々の手順をとばさず保とうと努力すること、その心がまえは相手が世界の終わりだろうと変わりません。だからすくなくとも朝ゴハンはちゃんと食べます。

しかしまあそういう観念的な話はともかくとして、何かひとつその日のためにとくべつことをしようということなら、大好きなレコードをかけるだろうな、とおもいます。人生のおわりにかけたいレコード、というのは最後の晩餐とおなじく僕がときどき考えることのひとつです。そういう曲が、いくつかあります。いろんな感情がいっぺんに押し寄せてきて、いまこの時点で涙目です。ありがとう、さようなら!そして愛してる!

あともうすこし荒唐無稽なことをいうと、ブルドーザーとか大きめの重機で高速道路に直接のりこんでみたいですね。

ポータブルプレイヤーと7インチを何枚かもって重機で首都高か…最高だな。最後の日くらいは雲ひとつない快晴であってほしい。


A: 青空の下、プレイヤーと7インチをもってブルドーザーで首都高です。



長くなりそうなので、のこりのひとつはまた次回にいたしましょう。その前に世界の終わりが来ませんように。




質問はいまも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その159bにつづく!


3 件のコメント:

f.k さんのコメント...

世界の終わりを控えて無粋なことを訊ねるかもしれませんが、ふと気になりました。大吾くんは大型特殊免許を持っていますか。うんてん、じょうずそうです。

匿名 さんのコメント...

・・・1曲増えてる。

良いですね!

ピス田助手 さんのコメント...

> f.kさん

持ってないですね。
こうなったら取得するまで世界の終わりを
先延ばしにしてもらうしかありません。


> 匿名さん

いいですよね!