空振りするにしたって豪快でなくてはいかん、との反省をこめてこんな夜更けに更新しています。
*
長靴を履いた下戸さんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士が適当につけています)飲み会を断った帰り道が雨だったんでしょうね。
Q: 粒餡 こし餡 どっち派ですか?
どっちにしても餡なのに、舌触りだけでこうも好みがはっきり分かれるというのも不思議なかんじがします。しませんか?それとも、舌触り以外にも明確なちがいがあるんだろうか?僕はつぶ餡のほうが好きです。
こし餡がキライというわけではもちろんありません。一卵性双生児の女の子のどちらと恋に落ちるかというようなものです。
ただし、あんまんに限ってはちょっと話がべつになります。つぶ餡に対するきもちは変わりませんが、僕が知るかぎりあんまんにおけるこし餡というのはいつも無神経で、あつかましく、しかも傲慢です。また、たいていの場合こっちがおもっている以上に高温で、これ全身凶器とも言うべき残虐性を秘めています。上あごにぺたりと貼り付いたときの恐怖と悲しみを言葉に尽くすことはできません。始めから敵として相対していればまだ心構えもできようというものだけれど、その凶暴性があらわになるのは常に(常にです)、こちらが気を許して迎え入れたときのみです。いくらなんでもひどいじゃありませんか。粘膜の生死を賭けたコシアンルーレットなんか望んだ覚えはありません!
(うまいこと言った)
それでなくとも戦々恐々とさせられているのに、去年の暮れにその猜疑心をものともせず襲ってきたさらなる悲劇は生涯忘れることができません。おもわず犯してもいない罪を自白しそうになったほどのおそろしさをどうして忘れることができましょう。あの夜のコシアンマフィアどもときたら、おそるおそるひらいた唇のスキをついて、あろうことか舌の裏側に(文字通り裏をかいて)ずかずかと押し入ってきたのです。
舌の裏側…!
それがどれほどの惨事か、ちょっと想像してごらんなさい。貼り付いたのが上あごなら多少のダメージを被ってもまだ舌での除去作業が可能です。しかし舌の裏側にたっぷり流れこまれたら除去もへったくれもありません。どうあがいても抵抗するすべがないのです。手も足も出ないか弱き粘膜の上でのびのびと寝そべるコシアンマフィアの狼藉ぶりを、文字通り歯ぎしりしながら好きにさせておくほかないとはまったく、これが屈辱の2文字でなくて何でしょう。彼らの昂りが冷めるまでの数秒間が永遠とも言うべき長さに感じられたことはここであらためて申し上げるまでもありますまい。
これ新しい拷問として有効だと思うな。
A: コシアンマフィアは口腔の威信に賭けて徹底的に撲滅せねばなりません。
もしかしたらつぶ餡かもと期待した楽観的観測がそもそものまちがいであった。
*
質問はいまも24時間無責任に受け付けています。
dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)
その117につづく!
7 件のコメント:
自分はこし餡派です。
つぶ餡は歯に挟まりますし(挟まる方にも問題あり)、こし餡の方が甘みが強いじゃありませんか。
あの甘美な甘みに酔いしれる事が出きるなら、コシアンルーレットだろうがコシアンマフィアからの襲撃だろうが、甘んじて受け入れようぞ。
(うまいこと言った)
ただあんまん、苦手なんですよね。
わたしもこし餡派です。
コシアンマフィアは、ふぅふぅして退治すればなんとかなりますよ!多分。
僕はつぶ餡派。
こし餡はなにを食べてるのかわからないので嫌です。
断然つぶ餡派です。
かといって、赤福のあんこがつぶつぶしてたら泣いて抗議することでしょう。
おはぎみたいな「両方あり」な場合はつぶ餡を希望する、といった程度ですね。
あんまんは、黒ゴマのはいってるやつが一番好きです。
口の中が熱さに鈍感なので、マフィアに襲われてもそれに気付かずにもぐもぐやっています。
が、のちほど舌をやけどしていることが多いです。
案の定、好みがはっきりわかれましたねえ。
> アジさん
言われてみればこし餡のほうが甘いような気もしますね。
砂糖の量をそのために変えるともおもえないけど、
舌ざわりのせいかしら。
> もよよさん
どんなに苦手な相手でもふうふうすれば恐れるに足らない、
というのはちょっとした処世訓みたいでいいですね。
ふうふうして乗り切ろう。
> 赤舌さん
無慈悲すぎる全否定に座布団一枚です。
食べ物からしたらこんなショッキングな感想もないでしょうねえ。
> グリチルリチンさん
赤福のあんこがつぶつぶしてたら、
というのはたしかにそうですね。
マフィアに襲われても気づかないのは
いくらなんでも豪傑すぎる気がしますけども。
まったくもって同感です。
あつあつのあんまんと、
からし入りシュークリーム、
どちらか食せといわれれば迷わず後者を選択します。
> 三ツ星シェフさん
……。その二択ならさすがに前者じゃないですか?
コメントを投稿