2012年12月30日日曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その111 晦日版




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温かいコメントをいっぱいもらってじーんと胸ふるわせる年の瀬です。どうもありがとう!

そしてピス田助手の手記がそんなに好評だったとはおもわなんだ。






110回を数えた9月を最後に更新が止まっていたパンドラ的質問箱ですが、あとちょっとだと多寡を括っていた質問がおもいのほか大量に残っていたので(すごい汗でた)、年末でもあるし、ちょうどこうゾロ目で縁起もいいし、大盤振る舞いの超拡大版でお答えします。




クエンさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q: 大吾さんが質問されて困ることってなんですか?(その質問に対する答えは必要ないです)


ゆるゆると長くお付き合いいただいている方々はすでにうすうす感づかれてもおりましょうが、これはもう、考えるまでもなく、ライブやアルバムについての質問です。質問を募集するとだいたい5つに1つはどちらかが入っています。とくに最近ここに辿り着いてくれたはじめましての方に多いですね。至極もっともなことすぎて返す言葉もありません。「もう活動はされていないのですか」と聞かれることもありますが、「これでフル稼働です」とはさすがに言いづらくていつも難儀しています。


A: 察してください。




イノシンさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q: 犬派ですか?猫派ですか?アルパカ派ですか?私は猫派です。


じつはこの質問、以前にもお答えしたことがあります。あるのですが、そのときの選択肢にアルパカは入っていませんでした。入ったからといって、うわー困ったなこれじゃ選べないよ、というようなことにはもちろん全然ならないんだけど、せっかくだからアルパカにしておきましょうか。アルパカ、可愛いですよね。ちなみに僕がこの動物を知ったのは筒井康隆の「残像に口紅を」を読んだ中学生のときです。いまだに覚えてるくらいだから、よほどのインパクトだったんだとおもう。


A: アルパカ派です。




オレインさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q: ビールに合うさいこうのつまみは何だと思いますか?僕は絶対に茄子の一本漬けだと思います。


僕はそもそも茄子が大好きなので一本漬けに1票入れたい気もするのですが、それじゃアレだから、うーん、なんだろう。おいしいソーセージを食べるとビールが飲みたくなります。すごく。ヴァイスヴルストという白いソーセージが好きです。そんな耳慣れない舶来ものを食べる機会ってあんまりないとおもうけど、その昔住んでいたアパートの近くに、ドイツでマイスターを取得した(!)職人の小さなお店があったんですよね。日々の食卓にのせるにはちょっとハードルが高いから、バイトの給料が出たときとか年末に2、3種類買ってみる、とかそういうことをしてました。しかしまあ、それはまたぜんぜん別の話ですわね。

この質問、いろんな人に訊いてみたいです。


A: 皮をむいて食べる白いソーセージ




グルタミンさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q: 今年を漢字一文字であらわすなら。


僕はいまだに世間一般とはうまくやれていないようなところがあるので、「辰」でいいや、という投げやりな気持ちがなくもありません。このぶんだと来年は「巳」でお茶をにごすことになるとおもいます。

あるいは「虚」あたりならわりとアリな気もするんだけど、どうでしょうね?僕個人の話でいえば、じぶんでも空恐ろしくなるほど大風呂敷を広げて乗り切る危うい日々だったので、「虚栄」の「虚」です。


A: 「虚」

正直に告白すると、この質問における「今年」とは2011年のことです。




ヒアルロンさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q: 以前お行儀良く並んでいた6粒の豆たちはいかがお過ごしでしょうか?ちんぷりかえってはいませんか?どーでもいいですが、珈琲豆はグァテマラがたまりません。

そうですね、彼らの辿っていった道のりを想像するに、今ごろは海に出て地球との一体感を噛みしめているのではないかとおもいます。やがては雨となってインドネシアにふりそそぎ、すくすくと育つコーヒーの木を支え、運がよければジャコウネコのお尻からぷりっと吐き出されるコピ・ルアクとして新たに収穫されることでしょう。案外、谷中あたりで売られるかもしれません。

ちなみに僕はコーヒーを焙煎し始めた20年前からずっとマンデリン一筋です。20年もたつとおいしいかどうかよりも「ずっとそうしてきたから」という慣習的な意味合いがつよくなり、もはや味は二の次になってきます。今さら乗り換えたところで舌がぎょっとするだけなのです。たまに別の豆をためしたあとでマンデリンに戻ってくると、旅行から帰ってきたときの部屋みたいな落ち着きがあってホッとします。


A: グァテマラもおいしいですよね。




アスパラギンさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q: 最近よく思うんですけど誰も見ていない鏡は一体何を写してるんでしょうか。ちなみに俺は物が見えるのは光の反射を受け取る網膜があってこそだと思うので 誰もみてないとなんにも写ってなくて、鏡はのんびりしてんじゃないかと思ってます。


その真偽をたしかめようがないという意味では宇宙のはしっこと同じくらいむずかしく、深遠で、かつどうでもいい問題です。網膜の仕組みをもちだすくらいなら「壁じゃね?」と即物的な解答であっさり退けて牛丼でも食べに出かけてしまいそうなものですが、そこにはおそらく自然科学を学んでも拭いきれない一片のやわらかな信仰みたいなものがあるのでしょう。リチャード・ドーキンスみたいに世界を論理で一刀両断にばっさりやってしまうよりは、はるかに角の取れた心のありようだと個人的にはおもいます。とりあえず吉野家でも行きませんか。

待てよ、と僕がおもうのは、僕らが見ているあいだ鏡は本当にキリッとしているのか、という点です。そもそも僕らは鏡が気を抜いてのんべんだらりとしている状態を知りません。正面から向き合っているときの鏡がだらしなく寝そべっている状態ではない、と誰に言うことができましょう。僕らにはそう見えないだけで、鏡からしたらごろりと横になって頬杖をつきながらぽりぽりお尻をかいている真っ最中かもしれないのです。ことによると鼻をほじったり屁をひるような暴挙に出ていないともかぎりません。とにかく前に立つ僕らの姿を写しておけばよいのだから、裏で何をしているかなんてわかったものではない。ふわっとしてどことなくメルヘンチックだったはずの話がいつの間にか目を覆いたくなるような現実とクロスオーバーしてきて業腹です。鏡の野郎……!

とふくらむ空想に地団駄を踏んでも詮無いことです。ね?だから牛丼食いにいこうぜ。


A: 松屋でもいいです。





アスコルビンさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q: 大晦日は何しますか?or何食べますか?


本当は夜まで何もせずにただ空を眺めていたりしたいのですが、元旦に料理を持ってこいと実家から厳命されているため、たぶん朝から台所にはりついて、揚げたり煮たり蒸したりしているはずです。5年くらい前まではもうすこしのんびりしていたような気がするのに、ちかごろは意に反してあわただしいから困ります。せめて甘栗は食べたいです。


A: 台所に釘付けの予定です。




グリチルリチンさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q: 1)「手漕ぎボート」で唄っているのは誰ですか?歌詞も知りたいです。 2)アンジェリカはスナークを捕まえてどうするつもりなんですか? 3)ぴかぴかに研いだ死神の鎌をかついだアンジェリカのお供をしていた奇特な方は誰ですか?大吾さんですか? 4)大吾さんの作品は、詩と音楽とジャケットイラストなどが同時に作られているんでしょうか? 5)ライブの予定はありますか?ぜひ生で聴きたいです。


A: 1) 歌っているのは50年ちかく前のすばらしいシンガーです。"Don't be afraid, do as I say, baby."と歌っています。 2) 何か頭にくることがあったようなので、ひどい折檻をくわえるんじゃないかとおもいます。 3) 僕ですね。 4) これは別々です。回路が異なるのか、同時に進行することはたぶんできません。もうちょっと厳密に言うと、完全に切り離されているわけではなくて、脳内に色のちがう椅子がいくつかあって、そのときどきで少しずつ配置が変わる、というイメージです。陣形、と言い換えてもいいとおもいます。同時に複数の陣形をとることはできないのです。 5) 予定はありませんが、まったくやらないというわけではないので、いずれお会いできたらうれしいです、僕も。どうもありがとう!




デオキシリボ核さんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q: 2011年で5番目に衝撃だったニュースは何ですか?


これにお答えするにはまず2011年にあったできごとをどうにかして思い出さないといけないわけですが、1番や2番なら格別、5番目となるとそうですね…ちいさいころときどき境内で遊んでいた神楽坂の赤城神社の目をうたがうような変貌ぶりでしょうか。

古色蒼然たる往年のたたずまいは今や影もありません。隈研吾(!)の手によって、本殿がガラス張りで境内には草木が一本も生えていない、シンプルに洗練された清潔感ある超モダンなつくりに一新されています。「歴史のことなんてキレイさっぱり忘れようぜ!」という熱く前向きな意気込みがひしひしと伝わってきて、おごそかなきもちも豪快に洗い流されました。狛犬よりヨークシャーテリア、二拝二拍手一拝よりハンドクラップ、雅楽よりクラブミュージックがよく似合う神社です。


A: 赤城神社@神楽坂の改築




ドコサヘキサエンさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q: 好きな色があれば教えてください。


A: これも以前にお答えしたことがあります。菜の花色(やや緑みのある黄色)も好きです。




エイコサペンタエンさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q: もしも羆に生まれ変わるとしたらどんなマタギに撃たれてみたいですか?


鉄砲に撃たれること前提の転生ならむしろ誰か他の人に快くお譲りしたいところですが、そうも言っていられないとなるとやはりマタギを厳選しなくてはならないでしょうね。

クマたる僕がマタギに望む条件を、いくつか挙げるとしたら以下のとおりです。

1. 射撃スキルがゴルゴ13並み
2. 趣味はモンハン
3. クマ語がしゃべれる
4. 前世がクマ
5. じつは女子高生

1はやっぱり、一発で息の根を止めてほしいからです。撃たれたことに気づかないくらいの腕前が望ましい。むかし知人が注射の苦手な看護士に当たって腕を穴だらけにされていたのですが、そういう事態は痛いし怖いしかなしいのでなるべく避けたい。

2には、獲物を見つけて昂る気持ちはそちらで解消していただきたいという願いが込められています。うっかり仕留め損ねても「まあいいや、今日はもう帰ってモンハンでもやろ」ときもちを切り替えてもらえたらうれしい。

3は、ひょっとしたら交渉の余地があるかもしれないというむなしい願望のあらわれです。

4も重要です。マタギに撃たれて亡くなったクマならなお良いでしょう。これから撃たれるクマのきもちは、かつて撃たれたことのあるクマにしかわかりません。そんな前世をもつマタギになら、よろこんでこの身を捧げようという気にもなろうというものです。うまいこといけば「おれには撃てねえ」的なハッピーエンドも期待できます。

5は単純に「え、女子高生?まじかよ」みたいな驚きに目をみはって息絶えるのもわるくないな、という話です。わるくないですよね?


A: 前世がクマの女子高生







まだまだ残ってるとかそういうちいさなことにこだわらず、質問はいまも24時間365日年中無休でバリバリと受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)



 その112につづく!




例によって今年もとくに何をしたでもないのですが、そのせいもあってかどうか、音楽を求めてではなくデザインや古書、土木(!)といった別のカテゴリからここに辿り着き、そのまま今もお付き合いくださる方がちらほらといてうれしくおもいました。それもこれもかりんとうとか正直いらないスペイン土産とかどうにもならないような話をこりずに延々とつづけてきたおかげです。ちがうか。ちがう気もするな。でもそういう遠く隔たった点と点をむすんでいくような広がりほど僕にとって冥利に尽きることはないし、音楽にかぎらずゆるやかな世界観を全体としてたのしんでもらえているのだとすれば、それはやっぱり感無量であると言わないわけにはいきますまい。どうもありがとう!晦日はいかがおすごしですか!

(手を振っています)

去年の今ごろも書きましたが、これだけのろい足取りだと、やめる区切りもありません。閑古鳥をやたらいっぱい飼うことになってもあんまり気にしないで細々とつづけているだろうし、すくなくとも僕自身はそうしていきたいと望んでいます。もともとちっぽけな無人島で始めたようなことを、大陸規模にするつもりは毛頭ありません。それは誰か別の人の役目です。この島は大海原をひとり漂流して自然と辿り着いた人のためにこそありたい。

ときどきはメリハリもありつつ、でも基本的にはずっとこんな感じです。島はここにあります。もちろん、来年も。

今年も本当にありがとう!みなさま、よいお年を!



長い!


3 件のコメント:

下町の端っ子改めグリチルリチン さんのコメント...

やっとペンネームがついた!
甘っそーなあだ名をありがとうございます。

ライブの予定についてお尋ねしましたが、これはアイララセッションズ#6に行けたのですでに叶いました。ちょー楽しかった!!
開場時刻6分前にフライングで乱入したカップルがいましたが、それが私です。
失礼致しました。

またライブがあれば万難排して向かいます!


PS.今度アンジェリカの助手席に乗る機会があったら、是非ガンラオヤン君に譲ってあげてください。

f.k さんのコメント...

ゆるやかな世界観を全体としてたのしんでもらえている

ダイゴくんは僕の中でファンタジーです。むしろファンタジーの住人であって欲しいと夢見る毎日です。いえ、そんな2012年でした。2012年はそんな年でした。
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!

ピス田助手 さんのコメント...

> グリチルリチンさん

開始6分前!おぼえています!そうだったんですね。
本当にたのしい夜だったと僕もしみじみおもいます。
来てくださってありがとう!
ペンネームもお贈りできてよかったです。
お待たせしてスミマセン。
ガンラオヤン、また会えるといいですねえ。


> f.kさん

あけましておめでとうございます。
いつでもここに来れば味わえるようなちょっとした非日常に
今年も拍車をかけていけたらよいですね。
いつもありがとう!