2024年3月29日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その422


キングオブ混沌さんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q. 通勤するのに往復で2時間、自動車を運転しています。当初は「歌っていればすぐ着くし」と気楽に考えていましたが、毎日2時間うたうには体力が足りませんでした。そんなこんなで運転中(とくに帰路)の眠気が酷くて辛いです。何かよい方法があれば教えてください。


生きることの不条理が凝縮したような質問です。異星人なら脳裏が大量のクエスチョンマークで埋め尽くされることになるでしょう。職場へ瞬時に移動できるとか、100%自動で運転してくれるとか、眠いときにちょっと時間を止めておくとかすればいいじゃないかと高度な文明の価値観からは一蹴されてしまいそうですが、実際のところまだテクノロジーがそこまで到達していない地球においては、それが人生というものです。なぜと言われてもそんなのこっちが聞きたい。

眠気の克服に最も効果的なのは、言うまでもなく睡眠です。なのでまず第一に考えられる解決は、勤務時間中にめっちゃ寝ることです。仕事が進まず、クビになるリスクも著しく高まる上にそもそもなぜ車の運転をしているのかもちょっとわからなくなってきますが、少なくとも溌剌として元気いっぱいな帰宅の実現には有効であると言えましょう。

次に考えられるのは、勤務後にさんざん寝てから満を持して帰ることです。帰宅前に6時間も眠っておけば眠気の介入する余地はなくなります。そうなると帰宅とは何かという哲学的な問題が新たに生じないでもないですが、それはまた別の問題なので別の機会に考えたらよろしい。

ただ、これらの方法は言うまでもなく大きな犠牲を伴います。

長時間の運転における最大の問題は、いつ何が起きるかわからないので、運転中どれだけ平穏かつ退屈であっても常に最大限の注意を払い続けなくてはいけない点です。適度な刺激が必要なのに気を取られるわけにはいかないのだから、理不尽なことこの上ありません。

この理不尽に対抗できる策があるとすればそれはラジオをおいて他にないと、僕はおもいます。動画や映画と違って視線を奪われることもないし、会話と違ってリアクションを求められることもない。なんなら聞き流してもべつに困りません。

ひと昔前なら、ちょうどその時間に聞きたい番組がないことも当たり前にあって難渋したものですが、今はちがいます。radikoによって好きな番組を好きな時間に楽しめる時代です。毎日就寝後に流れている番組を、毎日帰宅時に聴くこともできます。それはつまり、すべての民放ラジオ局で最も聴きたい番組をいちばん聴きたいタイミングで気兼ねなく聴けるということであり、妥協どころか日々をより豊かにし得る可能性が高いということでもあるのです。

自分の嗜好にぴったりと合う、ラジオ番組を探しましょう。眠かった帰宅時の運転がめちゃ楽しみになってしまう可能性、あるとおもいます。


A. ラジオがあります。




質問はいつでも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その423につづく!

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