2023年10月27日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その404


スタンドバインミーさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q. 遠距離恋愛をしていますが毎回自分が行ってる事に疲れてしまいました。私が実家暮らしなので泊まれないのがこうなった原因ではありますがどうしたら良いのでしょうか。


単純に考えれば家を出るなり結婚するなりしたらいいじゃないかで扉をピシャリと閉めても良さそうな話ですが、ここはひとつそうもいかない何らかの事情があるという前提で考えてみましょう。

疲れてしまった、と言えるのはパートナーの存在が日常かつ当たり前になっているからです。週一にしろ月一にしろ、そんなにしょっちゅう会わなくても絆は失われないという無意識かつ一方的な信頼がここにはあります。少なくとも良い関係を築いているからこその正直で率直な印象ではあるでしょう。

疲れてしまうのはすごくよくわかるし、そりゃそうだよなと僕もおもうんだけど、とはいえここはどうしても、パートナーさんの側に立って考えてしまいます。なんとなればこの状況では、たとえこの先いっしょに暮らすことになったとしても、やっぱり同じ理由で一方的な信頼を持ち出されかねないからです。こうなると逆にパートナーさんにとっても見つめ直すいい機会かもしれません。どうしていきたいのか早急に二人で向き合うべき話であって、こんなところに相談している場合ではない。

一方でこれがもし週末だけ通う別荘の話だったらこんなこと考えないだろうな、とも思います。そして実際のところ機能的にはほぼ別荘と同じです。何なら通うのに疲れることさえリッチマンの特権という気がしてきます。おまけに愛する人がそこで待っているとなったら幸福以外の何物でもありません。だとすれば疲れようと疲れまいと定期的に通うことになっているラグジュアリーな別荘として向き合うのが最適解ということになりましょう。

生まれも育ちも大いに異なる赤の他人と同じ道を歩き続けるというのは、どうあれ生半可なことではありません。僕はうちの人と20年以上連れ添った今でもそれを肝に銘じています。最後まで常にアップデートし続けていく必要があるのです。まだいっしょになってもいないのだから長い目で見たら片腹痛いにもほどがある、と言うほかありません。

この先の道をいっしょに歩いていきたいと思える人がいることと、それがいかに幸運で当たり前では全然ないことか、もう一度よく考えてみてください。いっしょにいたいけど疲れるのもなあ、と考える先に待つ未来など自明すぎます。今ならまだ間に合うはずです。たぶん。


A. ラグジュアリーな別荘に通っていることにしましょう。




質問はいつでも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その445につづく!

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