七転びギャン泣きさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)
Q: リズム感がよくなる方法はありますか?当方リズム感が悪くライブ会場などで人と手拍子が途中でズレたり、音楽にあわせて体を揺らしてみてもこれもまたほかの人とズレてしまいます。ビートの申し子、リズムの権化でもあらせられる大吾さんにコツのようなモノをご教授いただけたら幸いです。
はてどうお答えしたものか、腕組みをしたり、頬杖をついたり、ちょっと横になってみたり、すやすやと寝息を立てたり、翌日は井の頭で象のはな子を眺めたりして、気がつくとまた夏が訪れようとしています。なぜ腕組みをしたり、頬杖をついたり、ちょっと横になってみたり、すやすやと寝息を立てたり、井の頭で象のはな子を眺めたりすることになるのかといえば、僕も決してリズム感のよいほうではないからです。
そんな身もふたもないことを言ってしまったらじぶんの首をしめることになるのは僕もよくわかっていますが、今さら格好をつけてみてもしかたがありません。僕自身、こういう立場になるまではてっきりリズム感のあるほうだと勘違いしていたのです。
しかし実際のところ、ビートに声を乗せるようになってから十数年たった今でも、踏み抜くべきタイミングを呆れるほどみごとに踏み外しています。裏を返せばこの十数年は、「バカだな、だからこそいいんじゃないか」と開き直って嘯けるようになるまでの月日でもあったのです。
そんなたよりないリズム感の一助になるものがあったとすれば、20年以上ひたすら身にしみこませてきたヒップホップやR&B、ソウル、ファンクといったブラックミュージックであったと申せましょう。なんとなればそれは、耳だけでなく身体で聴く音楽でもあるからです。
身体で聴くというのは、要は自然に身体が揺れる状態のことですが、この反応が病的に進行すると、いわゆるドラムブレイクひとつで血圧が上がるようになります。ヒップホップにいまいちピンとこない人がいるのは、もっぱら耳でメロディを追って、身体で聴くことに慣れていないからです。
たとえば1968年にリリースされたマーヴィン・ゲイ(Marvine Gaye)最大のヒット曲「I Heard It Through The Grapevine」はその13年後、ロジャー(Roger)のカバーによって再び脚光を浴びましたが、これなんかは身体的な聴覚なくしては絶対にありえないカバーだと個人的にはおもいます。
↓
↓
リズムとは、身体的な聴覚に訴えるものです。その感覚を強化したいとおもったら、その身をどっぷりとフィジカルな音楽に浸けこむのが何と言っても手っ取り早いとおもいます。なのでまずはじぶんにとって身体が自然に揺れ動く音楽を探してみましょう。それでたしかに身につくかといったら僕みたいな例もあるのでまったく当てにはならないとおもいますが、すくなくとも顔はほころびます。
またもしどうしてもリズムだけを抜き出したいというのであれば、そうですね、大道芸人に弟子入りしてジャグリングを極めるとか、公園で子どもたちが興じる大縄跳びに文字どおり飛び入りで参加させてもらうのもひとつの手かもしれません。うまくいけばリズムの体得はもちろん、ダブルダッチで世界も狙えて言うことなしです。
A: 縄の回転に合わせて身体を揺らすのがコツです。
*
質問はいまも24時間無責任に受け付けています。
dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)
その248につづく!
0 件のコメント:
コメントを投稿