原宿は東郷神社の超合金的狛犬
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謎解きはウィンナーのタコでさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)
Q: 好きな国の好きな時代にタイムトラベルできるとしたら、どうしますか?
「どうしますか(What you gonna do?)」とあるからには「行く」のほかに「よろこぶ」「ひとっ風呂浴びる」「結婚する」「次の角を左に曲がる」「部長に楯突く」等々、無数の選択肢がありそうですが、ここはひとまず「行く」の一択として、そうですね、ひとつあげるなら、うーん、1000年くらい前の日本にします。できれば人の多くいる都の中心がいいです。
というのもかつて日本語は「い」と「ゐ」、「え」と「ゑ」、「お」と「を」が字だけではなく音として明確に区別されていて、ハ行も「ha」ではなくて「fa」だったり、またいくつかの文字については2種類の音に分けられていたりと全体に今とはまるでちがった発音だったそうなんですよね(※)。今も数十年前は当たり前にあった鼻濁音が失われつつあるといってときどき話題に上るけれど、古代の日本語における発音の多様さはその比ではなかったというのです。古語でさえ現代の僕らには手に余るところがあるのに、発音までちがっていたらそれはもうほとんど別の言語じゃないですか?
なのでそのころの日本に遡って日本語を聴いてみたいです。あんまり遡りすぎると今度は「日本」という概念もあやふやになってくるから、やっぱり平安時代くらいにしておきましょう。下手をすると単語ひとつさえ聞き取れないんじゃないかとおもう。
それとは別に、エジプトはギザの大スフィンクスがいったいいつ建造されたのかを突き止めにいくのもいいですね。定説では文明の初期につくられたことになっているけれど、いつだったか「スフィンクスの周りには雨による浸食の跡がある」という話をきいて、がぜん興味が湧いてきたのです。エジプトに雨が降っていた時代となると紀元前5000年よりさらに遡ります。つまりピラミッドとかほかの建造物とちがって、スフィンクスだけは王朝の成立するよりもはるか以前に完成していたことになるのです。ではいったい誰が、何のために?真偽はさておき、こういう話ってわくわくしませんか。
しかしそうすると邪馬台国とかアトランティスだって確かめないではいられなくなるからこれ以上はよしましょう。
A: 平安時代の日本ですね。
※ 国語学者である橋本進吉の講演記録「古代国語の音韻に就いて」では、本来形に残らないはずの「大昔の発音」がなぜわかるのかを平易に説明されています。解きほぐしていくその過程がまたむちゃくちゃスリリングなので、みんな読むといいよ!
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その186につづく!
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