<前編のあらすじ>
輪ゴムっぽいような気もするけど、パッケージに「リストバンド」と書いてあるのでこれはひょっとするとファッションとしてのあたらしい何かかもしれないというある種の期待をこめて開封してみたダイゴくんがそこで見たものとは……
やっぱり輪ゴムであった。
すくなくともリストバンドということばの響きから連想される形状とは、それこそ天文学的な隔たりがあります。事件の謎を解くどころかあらたな謎に直面してふりだしに戻るようなものです。ミステリーならここから俄然おもしろくなってくるとおもうけど、僕はちっともおもしろくない。
輪ゴムと呼ぶにはその実用性を初手からかなぐり捨てているような印象がなくもないですが、これはおそらく何らかのシルエットを模しているのです。そうおもってみるとなんとなく形がわかるような気がしてきます。ペガサスとか、ティンカーベルっぽいのもある。かなり豊かな想像力を必要とする点をのぞけば、それなりに凝ったつくりをしているような気がしないでもない。リストバンドのことはもう忘れましょう。
ファンタジーの世界をモチーフにした輪ゴム、というところまでは辿り着いたとみてよさそうです。それがわかったからといってどうにもならないことには変わりないですが、しかしそうすると左下にある黄色いヒトデみたいなやつは何だろう?
たぶんいっしょくたにされて歪んだだけだとおもうけど(そうなると初めからわかりきってるのになぜそうまでして輪ゴムなのか?)、それにしても不可解なかたちです。
とおもったらパッケージの下部にその絵が描いてありました。
歪んでなかった。
むしろ驚くほど忠実に再現されています。にもかかわらずそれが何だかわからないというのはいったいどういうことなのか?
しかしもうやめましょう。これ以上は心がささくれ立つばかりです。結論としては「何だかよくわからないものは、開けてみたらある程度わかったような気がするけれども、それでも最終的にはやっぱり何だかよくわからない部分がちょっとだけ残った」ということでまず問題ありますまい。これはもう、心置きなく堂々とうっちゃっていいものだとおもう。実用性はみごとに失われているし、誰がこれと何を交換してくれるっていうんだ?
とおもったらミス・スパンコールが姪っ子にやるといって持っていきました。行き着くところに行き着いたという気がする。
【教訓】大人からちびっこへのプレゼントは必ずしも良かれと思って用意するものばかりではない。
それにしてもスペインでは壮麗な景色の数々を堪能したと言って自慢げに写真を見せびらかしていたのに、なぜ土産となったら何だかよくわからないものばかり買ってくるのか、理解に苦しみます。いちど腹を割った話し合いを持たねばなるまいとおもう。
10 件のコメント:
こんばんは!実用性が全くないと思いますがユニコーンが意外と可愛いですね。この先の人生でスペインに行くことがあれば購入してみたいと思います。
でもよく考えたら手にはめたりお菓子の口をしばっておいたら形歪んじゃいそうですね。
あんなファンシーな形なのになぜゆがませること前提な使い方なんでしょうか。ちょっと可哀想です(笑)
なんだろう、その星?ヒトデ?見てるとなんともいえない気持ちになりますね。
関係ないけど「歪」って字はバラすと「不正」になる事にいま気づいてすごい感心しました。
初めてコメントさせていただきます^^
私の姉もそのリストバンドをこの前大量に買ってきました。
友達の中でも流行っていたのですが、みんな腕にはめて使用していました。
一種のおしゃれなのでしょうか。私にはなんともわかりませんが(笑)
思い出した!
昔なんかのTV番組で見たことがある!
なんかこの他にもいろんな形のがあって、「いろんな形があって面白い!」という考えと「やっぱり輪ゴムをアクセサリにするのは無理があるんじゃないか?」と、もやもやさせられたのを思い出しました。
ちょうど昨日、美術館の中にある雑貨屋さんで同じものが売られてました。楽器の形などがありましたよ。
パッケージの角度から類推するに、トンボではないかと思うのですが……
しかし、人魚やティンカーベルの中に、トンボ?
コメントの多さにびっくりした・・・。
トンボ、だと私も思いました。
時々こういうの欲しくなり、雑貨屋さんで立ち止まってしまいます。
いつも数分間葛藤しますが、今のところ理性が勝っています。
この輪ゴム問題、みなさまの意見をいただいたことで当初とは異なる様相を呈してきました。今やじぶんが単なる口うるさいおっさんのように感じられてなりません。
> しろさん
こんばんは。そうですね、使う、ということにはたぶん主眼を置いていないと僕もおもいます。これは愛玩するものです。けっきょく使わないのに集めてしまうビーズみたいなものかしらという気がしてきました。
> 赤舌さん
「忙」という字も「心」と「亡」が合わさったものですが、よく考えたら漢字ってそもそも、そういうものですよね。ぱっと見わかりづらいだけで。
> もよよさん
お姉さんが大量に買ってきて、しかも友だちの間で流行った、というのはこれ以上ないくらい重要な事実ですね。貴重な情報をどうもありがとう!僕が魅力をわかっていないだけ、ということがだんだんハッキリしてきたようです。
> 柴田"Big-Dream"大夢さん
「面白い!」という印象はだいじです。そしてこの輪ゴムの肝はおそらく、そこにあります。もっと言うならそこにしかないのです。僕の旗色はだいぶわるくなってきました。
> じゃぱなさん
美術館で売られている、という事実はひょっとすると例の輪ゴムが「感性に訴えるもの」であることを示しているのかもしれないですね。楽器か…うーん…楽器か…。
> hollyさん
僕はあれからさらに考えつづけた結果、妖精(ティンカーベル的な)を別の角度、たとえば正面からみたものなのではないか、という見解でひとまず落ち着きましたが、どうでしょうね?トンボかな。
> ぽいこさん
葛藤するくらい魅力を感じるなら理性に勝たせる必要はぜんぜんないとおもいますが、そうなるとやっぱり僕の感性が萎れているか、よほど鈍重ということになりそうです。
*
結論:輪ゴムだとおもうからいけないのだ。
たしか、元々デザイン輪ゴムとして日本で開発されてそれを外国人が見て手首につけたらカッコイイやん的な感じで外国の子供の間で広がったらしいですよ。
なんでどっちも正解!
> 大阪市営地下鉄鶴見緑地線はリニアモーターカーさん
こんにちは。なるほど、そうなんですね。
「手首につけたらカッコいいやん」には
全力で異議を唱えたい気もしますが
ともあれ貴重な情報をどうもありがとう!
ペンネームが長くていいですね、すごく。
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