2011年11月11日金曜日

万事OKと名づけた閑古鳥を飼うことについて


 画:ミス・スパンコール

そういうわけでこないだから閑古鳥を1羽飼いはじめたのです。その存在からしてそもそも忌々しいので、腹いせみたいに「万事OK(Tout-Va-Bien)」と名前をつけたら、これがなかなか具合良く、却って功を奏しています。精神衛生上もたいへんよろしい。鳥ごときにおかげさまでと頭を垂れるのはなるべく避けたいとはおもうものの、暮らしは今日もそれなりに平穏です。すくなくとも、ホウレン草のごま和えにおける「ごまと砂糖と醤油の黄金比」について頭をなやませるくらいに平穏ではある。それくらいしか考えることがないとするどく指摘するような野暮はいけません。僕だって11年11月11日を100年に1度の記念日にしようというきもちがないではなかったけれど、夜更けになんなんとしている今ごろになってそんなこと言ってもどうにもならないとおもう。だいたい、過去に一度だけとはいえ、じぶんの誕生日を忘れ(て2日後に気づい)たことのある僕が記念日をどうこうするのは理屈に合わない。

そういえばきのう通りがかった池袋北口のパチンコ屋には「明日は混雑が予想されるので、早めに開店します」と貼り紙がしてあって、ハテ何のことだろうと首をかしげていたのです。もっと早く気づいていたらその剣呑ぶりを見物できたのに、惜しいことをした。


前回書いたたいへん困った状況も、今日の夕方になって奇跡のような信じがたいリカバリーを果たし、「最悪」から「ちょいワル」に格上げされたため、個人的な破綻をかろうじて免れることができました。こうしてキーをぽちぽちと叩くことができているのもそのためです。「ここが底辺なんだからこれ以上は落ちようがない」と安心しきっていたところへ突然「負の数もまた正の数と同じく無限である」という救いのない数学的事実を突きつけられて打ちのめされそうになっていたから、素直によろこばしい。「万事OK」(という名の閑古鳥)も、まるでそれがじぶんの手柄であったかのように得意そうな顔をしています。そう言われるとそんな気もしてくるし、却ってなおのこと忌々しいような気もする。このトリ風情が、とののしりながら夕餉のごま和えを分けてやる、つめたい雨の金曜日です。じっとしているとひどくさむい。パチンコ屋は雨でも熱気にあふれてたんだろうか?蒸発して湯気がたちこめるくらいに?

「万事OK」については、他にもまだ書くことがありそうです。こいつがまた何かにつけて、お腹を翼で抱えるようにしてゲラゲラとよく笑う腹立たしいたちの鳥なんだけれど、書きだしたら長くなりそうだし、今日のところは鼻ちょうちんで寝てしまおうとおもう。





おまけ :

その1
 

くちばしの下に口を描いて「何かがおかしい…」と首をひねるミス・スパンコール


その2

首をひねりながらも再びくちばしの下に口を描くミス・スパンコール

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