2025年10月17日金曜日

ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その466


みつばち婆やさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)


Q. ワンルームなのですが、部屋のレイアウトがしっくりきません。模様替えをしては元に戻しの繰り返しです。これで良いと自分を納得させる考え方はないでしょうか。


模様替え、いいですね。僕も初めて一人暮らしをしたアパートがワンルームでしたが、ベッドとテレビとローテーブルを一度置いたらその先はもう何ひとつ移動のしようがない狭さだったので、言われてみれば模様替えという発想すらありませんでした。物もろくに増やせないし、いま考えると出入り自由の刑務所みたいなもんだったな、としみじみおもいます。模様替えができるということはそれだけで服役囚ではないことの証でもある、と言っても過言ではないのです。

過言な気もしますけど。

一方でオヤと目を留めたのは「元に戻し」という一言です。その「元」がしっくりきていないからこそ模様替えをするのだと思いますが、それがしっくりこない場合、選択肢は2つあります。そこから(1)さらに新たなレイアウトを模索するか、(2)元に戻すかです。そしてそこで元に戻すことを選択しているのだとすれば、元のレイアウトが相対的にまだましである、ということになるでしょう。

少なくとも、元に比べたら新しいレイアウトのほうがましだけどまだしっくりこないな、とはなっていないところがポイントです。

それはまた結果的に、「元」がその部屋で最も長い時間を過ごしているレイアウトである、ということになります。

とすればこれはただ自覚していないだけで、実は他のどれよりも満足度が高いレイアウトなのだ、と考えることもできるでしょう。

そんなことない!満足してたら模様替えなんかしない!と仰るきもちはよくわかります。ただ人が模様替えを望むとき、その理由は「しっくりこない」だけではありません。「飽きた」もあります。つまりときどき窓を開けて空気を入れ替えるように、日々に新鮮な印象を取り入れたいと感じている可能性もまた、大いにあるのです。

したがって、しっくりくるレイアウトよりも、むしろ模様替えそれ自体こそ重要で、かつ大きな意味があるのではあるまいか、と僕なんかは考えます。

そうなのだと決めつけるわけではもちろんありません。

どのみち正解があるかどうかなんて知る由もないのだし、それなら時たまの模様替えそれ自体を一時的に楽しんでもよさそうだな、とは言える気がするのです。ひょっとしたらいつの日か、めちゃめちゃしっくりくるレイアウトに巡り合ってワー!と狂喜乱舞する日が来ないともかぎらないですからね。


A. 模様替えそれ自体を心から楽しむのが吉です。




質問はいつでも24時間無責任に受け付けています。

dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)


その467につづく!

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