2012年9月22日土曜日

火災報知器とかけてシイタケととく心の話


うっかり気を抜くと日々がテケテケと小走りで去っていきますね。チャリで追いつけたらいいのにとおもう。

先だって参加したDJではとくに大難もなく、あえて言うなら1ミリくらいの瑕疵ですみました(フェーダーの右と左をまちがえた)。ホントに好きな曲ばっかりかけたので満足です。オープン直後だし、誰もいないと高を括ってかけた1曲目だけ載せておきましょう。

あげてよかった/ペア・スズラン


ふむ…何をでしょうね?



それはそうと、ウチはキッチン脇の壁に火災報知器があるのです。

取り付けたってそのために楽しくなるわけじゃなし、もうかれこれ長いこと住み着いていて1年前までなかったのだからべつに必要も感じていなかったのだけれど、ある次第から設置しなくてはいけないようなことになったので、「そうですか」と是非なく成り行きを見守った結果、今は壁のあらたな出っぱりとしてそこに報知器がしがみ付いています。

「いちおう取り外しができるようになっていますので…」
「はァ」
「火事ではないのに作動した場合は外してください」
「外すと止まるんですか」
「煙を感知しなくなれば止まります」

煙もないのに誤作動した場合はどうするのだ、という思いがふとよぎったものの、そのときはトンカチで粉々にしてやればいいし、根掘り葉掘りたずねて業者を困らせることもあるまいと思い直すあたり、われながら大人になったものだとおもう。だいたいこれはいざというときの備えであって、作動しなくて当たり前の機械じゃありませんか。いちいちほじくり返すほうがおかしい。心配するならむしろ火事を心配したまえよ君、と言われればそういう気もする。


ところがいざ設置してみたら豈図らんや、コイツがまた全身性感帯みたいなビンカンさでのべつまくなしにビービー鳴りやがるのです。たいがいにしろよコノヤロウ、とこれまでに何度堪忍袋の緒を切ってきたかわからない。

もちろん誤作動をしているわけではありません。ちゃんと煙を感知しています。見方を変えれば身を粉にしてせっせと働いてくれているだけと言うこともできる。

ではなぜ煙が出るかというと、ウチはコンロでコーヒー豆を煎っているからです。ロースターという専用の機械を使わずにただ火で煎ろうとすれば、油分をふくむコーヒー豆はその過程でかならず煙が出ます。

ただ換気扇を回せばそれで事足りるくらいの煙です。それに20年来くり返してきた習慣でもあるから、今さら気にもならない。実家にいた10代のころは豆の焼けるにおいに父親が辟易していた(ときどき本気で腹を立てていた)けれど、報知器にしてみたら部屋にどれだけにおいが立ち籠めていようと関係ありますまい。

問題は感知器の性能がこっちの望む以上に良すぎることと、僕が三日にあげずコーヒーを煎る、どちらかといえば特殊なその習慣にあります。三日にあげずということは、つまりそのたびに必ず感知器が大きく息を吸ってビービーわめくのです。

おまけにその音ときたらゾッとするような高音で、わかっていても耳にすると身がすくみます。その上「火事です。火事です」と親切に音声アナウンスまでのっけてくるのだから、どうにもなりません。緊急事態を知らせる警告音なんだからあたりまえだけど、しかしこれを風が心地よい秋口のおだやかな宵に聞かされてご覧なさい。おまけに3日に1度は欠かさず鳴り響くとなったら、ちゃぶ台をひっくり返した挙げ句マシンガンで蜂の巣にしたくなるのも道理といえましょう。もうほっといてほしい。

そういうわけで昨夜もきっちりビービーと鳴り響き、全身の毛を逆立てながら電光石火でベランダにぽいとうっちゃっておいたのだけれど、朝になってふと思い出して窓を開けてみたら



シイタケと一緒に文字どおり干されているのです。


ぜんぜん意図していなかったこともあって、落語のオチみたいな偶然の光景にポンとひざを打つわたくし。

優秀すぎてひどく扱いづらい火災報知器にも、山田くんに座布団をもってきてもらうくらいの価値はあるらしい。



※意味のわからないおともだちは「干す」を辞書でしらべてみよう!

4 件のコメント:

東 さんのコメント...

こんばんわ。

何をあげるのか、それは処女みたいですよ。
どこかの記事にありました。

アジ さんのコメント...

炒る豆と要らない報知機…

すいません、忘れてください。

赤舌 さんのコメント...

キノコっぽいといえばキノコっぽいですしね。
いや、ぽくないですね。ぽくないです。

ピス田助手 さんのコメント...

> 東さん

えーと、そうですね、僕はレコードを持っているからわかるし、持ってなくてもタイトルからだいたいそれと察せられるんじゃないかなとおもいます。ジャケもジャケだしね。

とすれば、みなまで言わず、いろいろとふくむところあって想像力を刺激する粋なタイトルですわね、というところでとどめておくのがいちばんです。世界はときとして目をつぶるほうが広く感じられたりするものですよ。

でもきもちはうれしいです。どうもありがとう!


> アジさん

忘れようとおもいましたが、やっぱり思い直して座布団1枚にトリの唐揚げをひとつつけましょう。


> 赤舌さん

ふむ、たしかにキノコっぽいといえばキノコっぽいですね。いや、そうでもないかな?そうでもないです。