2011年12月3日土曜日
カモノハシの体にもふれるとマズい部分がある
野暮用のためにある場所へおもむいたら、居合わせた青年が開口一番「ダイゴさんはミュージシャンなんですか?」とたずねるのです。とつぜんそんな、饅頭を口にねじこむようなことを言われては困ります。のどに詰まって言葉になりません。うなずけば鬼が笑うし、かぶりをふるのも後生がわるい。それはカモノハシに「あなたは鳥ですか?」と迫るようなものです。のびのびと天駈けるあの龍にすら、ふれるとマズい鱗が1枚あるじゃないか?
どうせのどに詰まると決まっているのだから、こういうときのためにあらかじめゴクンと流しこめるお茶をそなえておけばいいとおもうけど、人体にとって都合の良くないものというのは、のど元をすぎれば自然と忘れるようにできているらしい。日頃から何かとおぼつかない身にはたいへんありがたい仕組みであって、だからえーと、どうにもならない。
いずれにしても、そう問われるうちが華ではありましょう。憚る目があったわけでもないし、せっかくだから「まあね」と涼しい顔でうそぶいておけばよかったとおもう。
*
前作のリリースと同時に続編の告知をしておきたいという彼らのいささか前のめりな希望によって半年前にはすでにアートワークが出来上がっていた、SMRYTRPSのクラフトシリーズ第2弾「パープルギガント」がぶじ発売の運びと相成りました。今回もせっせと(また必要以上に)裏工作に励んでいます。
アートワークからもろもろのこまかいデザイン、キャッチコピーといったパッケージングはすべて前回同様一身に請け負っていますけれども、今回はそれだけではありません。
1曲目の「偉大な詩人による慎重なイントロダクション」と12曲目の「暮らしの情報バラエティー番組『たそがれロンリー』」には何食わぬ顔で僕が出演しています。というかそこに出演しているのは僕だけです。もっと言うと1曲目はウチでつくられています。12曲目の口上はそのついでに何となく録音しておいたものです。どちらもその場で思いついたタイトルを便宜上つけておいただけなんだけど、そのまま採用されてました。「パープルギガント」全体を通して曲タイトルが長いような気がするのは、ひょっとすると僕のせいかもしれません。
しかし詩人・小林大吾の正しい使い方としてこれ以上のものはない、と当の本人が力を込めてここに断言しておきましょう。これほど僕に似合うふるまいが他にあるだろうか?詩人の本領発揮というか、面目躍如というか、古川Pをして「イイ仕事してるなー」と言わしめたその無駄骨ぶりをぜひともご堪能いただきたい。われながらじつに活き活きしているとおもう。べつに詩は読んでないですけど。
(ひさしぶりのセルフボーストにたいへん満足しています)
あ、そういえばこないだコーヒーの本にちょこっと載せてもらったのでした。いま思い出した。
ここでごくごく稀にポツンと記載するアドレスからコンタクトをとってくださったということは、よほど前から注意深くご覧いただいているということです。船山さんどうもありがとう!
ごくごく稀にポツンと記載されるアドレス↓
dr.moule*gmail.com(*を@に換えてね)
おまけ:「たそがれロンリー」をYouTubeで検索してみよう!
登録:
コメントの投稿 (Atom)
11 件のコメント:
おおお…ジャケットすげぇかっこいいです。
コーヒーの本、エイ出版の「コーヒーの基本」ですよね。
全然知らずに買って読んでいて、大吾さんが出ていてびっくりしました。
コーヒーを煎る網で生アーモンドを煎るというのに興味を持ちました。今度やってみようと思ってます。
> 匿名さん
どうもありがとう!身を粉にした甲斐がありました。よかったら試聴してみてね。評判もなかなか良いようですよ。
> とくさん
ハハハ!おっしゃるとおりです。ホントにコーヒーお好きなんですねえ。昔は生のアーモンドを手に入れるのにひどく難儀したんだけど、最近はわりとどこにでもあるから助かってます。
全く関係ような、あるような、そんなコメントをします。
1/8,000,000 を最近アマゾンで買いました。MP3というやつです。がっつりヘビロテさせていただいてます。ありがとうございます。
> じゃぱなさん
たしかにまったく関係ないような、あるようなお話ですね。どうもありがとう!ちなみにMP3だとわからないかもしれませんが、「棘/tweezers」に出てくる地下鉄の駅は「江戸川橋」ではありません。お気をつけあそばせ!
久々に大吾さんのブログを遡っていたら、弊社の本を紹介していただいているではありませんか! ありがとうございます。(※船山に仕事とリストを押し付けた編集担当です)
『VAGANCE』読んで以来、“コーヒーの本を作れば大吾さんとお仕事できる!”と思い込んでお仕事していました。アドレスはピンカートン先生の処女作をいただく際に、密かに登録してありました。
この度はご協力いただきありがとうございました。
またひっそりとコメントさせていただきます。
久々に大吾さんのブログを遡っていたら、弊社の本を紹介していただいているではありませんか! ありがとうございます。(※船山に仕事とリストを押し付けた編集担当です)
『VAGANCE』読んで以来、“コーヒーの本を作れば大吾さんとお仕事できる!”と思い込んでお仕事していました。アドレスはピンカートン先生の処女作をいただく際に、密かに登録してありました。
この度はご協力いただきありがとうございました。
またひっそりとコメントさせていただきます。
あ、コメント2つついちゃいました。。。緊張のあまり手が震えて高速クリックしちゃったみたいです。
失礼しました。
> hollyさん
こんばんは。なるほど、黒幕はhollyさんだったんですね。思いのほか扱いが大きくて、びっくりしました。うれしかったです。VAGANCEからとはまたずいぶんな以前から…しかも「ジビエとしてのバニー・ガール」もお持ちだなんて!もう、はやく仰ってくださればよいのに…こちらこそありがとうございました!古川Pも買ってくれてましたよ。
『オーディオビジュアル』のリリパで、“アルバム全部持ってる人”かなんかの質問で挙手もしましたよ。終わってからサインもいただきました。えへへ。
年明けから書籍(小説)へ異動になったので、ホント、あのときお仕事お願いできて良かったです。古川Pにも買っていただけてたなんて、それこそ仰ってくださればお送りしたのに! ありがとうございました。
> hollyさん
オーディオビジュアルのリリパに来てくださっていたというのは、相当な猛者ですね…!何だか胸にこみ上げるものがあります。人知れず紡がれていた縁に感慨もひとしおです。どうもありがとう!次はぜひパンドラ的質問箱を本にしてください。
コメントを投稿