さて、まだちょこちょことスピンオフがお目見えする予定とはいえそろそろほとぼりも冷めてきたことだし、ここらでまた普段どおりの、耕せど耕せど一向に実を結ばない枯れ果てた不毛の大地に戻るといたしましょう。今さらあらためて申し上げるようなことでもないですがこのブログ、ひいては僕にとってどこか活動的な報告というのは、季節の変わり目にひく風邪みたいなものです。そしておかげさまで風邪はぶじ、治りました。こじらせずに済んでよかったと胸を撫で下ろしております。
パサパサおからさんからの質問です。(珍しくペンネームがあったのでムール貝博士の出番はありませんでした)
Q: 今朝「ミレニアム」を読んでいてふと「この言葉の選択!詩人が翻訳してそう~」と思ったのです。ダイゴさんは翻訳してみたい小説はありますか。
好きな海外の作品は基本、翻訳も含めて好きなので(ここで触れたことのあるもので言うと、渡辺一夫訳の「パンタグリュエル物語」、堀口大学訳のルパンシリーズ、藤本和子訳のブローティガン作品、石井桃子訳のプーさん、野上弥生子訳の「アルプスの山の娘」なんかがそうです)、みずから訳してみたいというのはあんまりないですね。どちらかというと「あの人が訳してくれたらいいのに!」ともどかしく感じることのほうが多いかもしれません。
ちなみにもどかしく感じる、もしくは燃やして焚き火にしたほうが身も心も温まるのではないだろうかとおもう翻訳小説の筆頭は国書刊行会からたくさん出ている、とある人気シリーズです。次から次へと矢継ぎ早に刊行されるのでそのたびに「たのむからもうやめてくれ……」と泣き崩れてました。
とここまで書いてふと思い出したけれど、そういえば二葉亭四迷が訳したツルゲーネフの短編数編も、四迷節がエゴイスティックなまでに活き活きとうねりまくっていて最高です。
「あ、ルキヤーヌイチでがんすか!」
「然うだ。」
「ルキヤーヌイチは……その……何ちふたら可かんべえ……」
「然うだ。」
「ルキヤーヌイチは……その……何ちふたら可かんべえ……」
何ちふたら可かんべえ!
話を戻してしいて一冊挙げるなら……アレクサンドル・デュマの「三銃士」ですかね……。銃士たちというよりも、ミレディのビッチぶりが「南総里見八犬伝」の船虫に匹敵するくらい、それはそれはみごとなので、じぶんの言葉でも浮かび上がらせてみたいです。
A: 大デュマの「三銃士」です。(主にミレディのために)
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質問はいまも24時間無責任に受け付けています。
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その241につづく!
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