レオナルド大ピンチさんからの質問です。(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)
Q. ついついYahooを開いて知りたくもないニュースを見てもう見ないと思いつつまた開いてしまいます。開くのを思いとどまる方法を教えてください。
これは世界各地でちらほら報告されている、「ついついYahooを開いて知りたくもないニュースを見てもう見ないと思いつつまた開いてしまう症候群」ですね。実直な人ほど罹患しやすい傾向があると言われていますが、自覚があることからまだ軽度であると見てよいでしょう。
身近な例で言うと、僕の老父がまさにこれです。あまつさえ「最近はYahooニュースを楽しんでます☺️」とポジティブな印象を絵文字つきで伝えてきます。よかったねと返すほかありません。どちらかというとスマホに慣れてもらうことのほうが優先だったので放置していますが、このままいくと取り返しがつかないところまで突き進むことになるでしょう。
重度になると当然、Yahooなしではいられなくなります。ニュースはもちろん、天気、クーポン、ショッピングから占いやBEAUTYまで高速で網羅してはページの再読み込みを分刻みで繰り返すようになります。日常における支払いはすべてPayPayになり、山のてっぺんで叫ぶのもヤッホーではなくヤフー!になります。日本を代表する超絶奇書のひとつである沼正三の「家畜人ヤプー」も、ヤフーと誤認したまま読了するはずです。
そうした事態を避けるための対処法は、2つあります。ひとつは、閲覧するポータルサイトを分散することです。Yahooだけでなく、excite、livedoor、goo、BIGLOBE、Infoseek、niftyといった国内の主要なポータルを一通りブックマークしておき、曜日によって開くサイトを決めるのです。つまり、月曜がYahooなら火曜はexcite、といった具合にですね。
ただ難点はこれによってついついYahooを開いて知りたくもないニュースを見てもう見ないと思いつつまた開いてしまう症候群が寛解に近づいたとしても、代わりについついexciteを開いて知りたくもないニュースを見てもう見ないと思いつつまた開いてしまう症候群に罹患してしまう可能性があります。もちろんそうならないために分散するわけですが、最悪の場合ついついYahooとexciteとlivedoorとgooとBIGLOBEとinfoseekとniftyを開いて知りたくもないニュースを見てもう見ないと思いつつまた開いてしまうぜんぶ盛り症候群を発症してしまう特大のリスクは否めません。そこまでいくと逆に何かしらの専門家になれそうな気もしますが、そうなったらそうなったで一生完治は見込めなくなるので、悩ましいものがあります。
もうひとつはシンプルに、PCもしくはスマホをYahooごと一思いに叩き壊すことです。叩き壊したところでYahooには痛くも痒くもないですが、閲覧は強制的かつ物理的にできなくなります。叩き壊すのが会社のPCだったりして業務に著しい支障が出る、もしくはYahoo以上の何かを片っ端から失う可能性も大いにあるものの、Yahooどころではないという点で効果は覿面かつ絶大です。
気がつくと目の前には広大な荒野が広がっています。もはや行く手を遮るものはありません。何もかもがリセットされた今、この世のどこかに存在するとまことしやかに語り継がれる伝説のYahoo本社を探して旅に出るのもよいでしょう。そして長い長い放浪を続けながらふと、こうも思うのです。Yahoo!ニュースくらい好きに見ててもよかったのではないか、と。
A. 端末を破壊することです。
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その381につづく!