2012年10月16日火曜日
茜さす小春日和のインタールード
枝ぶりのよい木を目にするとよじ登る習性が大人になった今もなかなか抜けずにいるのです。氷の張った水たまりを踏みたくなるきもちとほぼ同じだから、そこに太い枝があるならみんな登ったらいいじゃないかとおもう。手とか足がよろこぶよ!
とまあそんな具合でよじよじ無心で登っていると、思いがけず女子から「ダイゴすごーい!」と尊敬のまなざしを向けられて一瞬うろたえるわたくし。文字通りおだてられて木に登る気の毒な中年予備軍の是非についてはいずれ然るべき向きから詮議もされましょうが、なにぶんちやほやされることに慣れていないのだからここは大目に見ていただきたい。
2歳児だし。
何だか王女に仕える庭師のようだ。(さるかに合戦のサルではない)
木登りとはべつに、枝ぶりに目を細めながら「こりゃ豪邸ですぞ」「こっちはマンションですかな」とリス的な視点で不動産鑑定をする高尚な趣味もあります。あまり人には共感してもらえないですけど。
2012年10月9日火曜日
左目にこめられた想い、その他の切り抜き
ある朝ミス・スパンコールから送られてきた1枚
待ち合わせだろうか?
*
写真といえば、撮ったところでろくすっぽ見返しゃしないケータイのフォルダからこんなのが出てきたのです。
ブッキ(©古川耕)という単語はこの耳慣れない文房具のためにあると言っても過言ではありません。あッおまけに3(冊)Pだ!と尾籠なことをとくいげにのたまうのはやめておきましょう。
それにしてもこういうのを嬉々として見せびらかすようになったら先も長くないな、といやにメランコリックなきもちになります。
…待てよ、コレずいぶん前にもここに載せたことがあるような気がしてきた。2回目だったら先も長くないどころかすでに今際の際だぞ!
(まあいいや)
食卓における四葉のクローバー的なよろこび
長年朝食に卵を割りつづけていてもそうそうお目にはかかれない希有な光景です。だからどうということもないけれど、ある種のよろこびを与えてくれているだけに、くずす前のちょっとした葛藤にはえも言われぬものがある。
*
ずらずらと並ぶそれなりにお買い得な食料品を流し読みしていくとその下に、飲んでいたお茶を吹き出すくらいにはびっくりするお買い得品が
ふーむと唸るポイントがあるとすれば2つです。
1. 食料品とアダルトグッズが同列であること。
2. とても安い。
これが新聞の折り込みチラシであることを考え合わせるといまいち解せないのはその訴求対象ですが、しかし…
……(←このへんにものすごく多くの行間がある)
(まあいいや)
そしてその夜おそくに再びミス・スパンコールから送られてきた1枚
どうやらすっぽかされたらしい。
2012年10月4日木曜日
プラグ氏にまつわるその後のちょっとした話
【簡潔にして明快な後日談】
あたらしいプラグ氏がやってきました。
*
それはそれとして、もう数ヶ月前のことになるけれど、長年酷使してほとんどゾンビみたいになっていたヘッドフォンがとうとう朽ち果てたのです。内部で断線してどうにもならないからやむなくあたらしいのを調達しようとしたちょうどその折、ちかく二児の母になんなんとしている妹からメールが届きました。
「部屋の整理してたら使わないヘッドフォン出てきたんだけど、いる?」
ふだんはろくに連絡もとらないし、もちろんヘッドフォンの話なんてしてなかったから、まるでストーキングされていたかのようなタイミングに絶句したものです。そんな都合のいい話ってそうそうあるだろうか?
それほど音楽に散財するような妹ではないこともあって、性能については望むべくもないという気がするけれど、それを差っ引いてもありがたい話です。ないよりはあったほうがそりゃもちろんずっといいに決まっています。渡りに船、夜道でタクシーとはこのことです。ありがとう!ありがとう!持つべきものは妹だ!
…と小躍りしていたのに、いつまでたっても届きそうな気配がない。
住まいが近所ならともかく、ヘッドフォンのためにわざわざ出向くにはいささか距離があるし、はっきり言ってしまえばそれはめんどくさい。それでまあ、もともと棚から転がり落ちてきたぼたもちなのだから、しかたがないと肩をすくめて、けっきょく新調したのです。
それからいくばくかの月日が小川のようにさらさらと流れていきました。
(さらさら)
今ではあたらしいヘッドフォンもエイジングでだいぶ馴染んできたようにおもえます。ありがたいけどありがたいだけだった妹の話はもはや完全に忘れていたと言ってよいでしょう。実際忘れていたのです。
それがふと思い出したように今日とどきました。
まさかのBOSE!(ちょっとした高級品です)
それだけではありません。
妹がなぜこんなものを持っていたのかも唖然とするに足る謎ではあるのだけれど、今の僕からするとそれ以上に愕然とさせられるものがそこには付属していたのです。
標準プラグ。
後手だ。何もかも後手だ。
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