ついにその厚いベールを脱ぐ日がやってまいりました。
着るだけで日焼けを軽減してくれるばかりか、心まで軽くなる、もしくは軽薄になると早くも各方面でバズりまくりだったらいいのになぜかそうはならない超体感型幻覚誘引Tシャツ「アグロー案内」がいよいよリリースです。
苦節数年…つかみどころのないままひたすら廻り道を繰り返したひとつのプロジェクトが最終的に工場で美しくプリントされた目もあやなTシャツとして落着するとは一体誰に予想できたでしょう。たとえ人外の妖であってもTシャツさえあればそれだけで人間社会に違和感なく溶けこめる……そんな夢にも似た未来がこの1枚であっさりと叶うのです。感無量と言うほかありません。
またそれを記念して制作されたわけでは全然ない何らかのシリーズ音源「アグロー案内 VOL.1」が明日、もしくは今から数時間後の30日(土)0時から配信開始となります。
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トラックリストには「紙芝居を安全に楽しむために」という、一見するとTシャツとは何の関係もなさそうな、そしてどう見てもまったく同じ文字列がなぜか4つも並んでいますが、もちろんコピペではありません。4つで1つの組曲です。
たしかふたりで「ソウルミュージックをつくろう」と意気込んでいたはずなのに、歌どころかラップですらなく、おまけに配信のプラットフォームではなぜか「ロック、ブルース」ジャンルにぶちこまれています。いったい何がどうなっているのかをこれ以上どう説明したらよいのかも今となってはさっぱりわからない、「問題児」と同じ意味での問題作です。
しかし、剣呑で殺伐とした一寸先は闇の現実世界にいま最も必要なものこそこれである、とプロジェクトの発起人たるわれわれは考えます。
以前にも書きましたが、おそらく一聴しただけではただ呆然とするだけでピンときません。実際これまでに聴いてもらった人々からは、賛辞よりも困惑の声をはるかに多くいただいているくらいです。この塩辛い事実を踏まえて、少なくとも最初に3回は通しで聴いてみてください。御大タケウチカズタケがいみじくも申していたように、言葉と発声のテンポ、リズム、間合い、意味合い、構成の面白さ、それらすべてを考慮しながら、曲のテンポや曲調を調整した上で制作されている、とんでもない奥行きと破壊力を持った奇跡の徒花であることに気づくはずです。
ぜひ全身で、目いっぱい、楽しんでください。みなさんの身の安全と紙芝居の安泰を、心から祈っています。
※ヘッドフォン超推奨です。