2011年5月23日月曜日
中庸とはかくもむずかしい(メキシコ果実の場合)
或る日のアボカドとその種。
種というより鈍器だよ!
のさばりすぎて食うとこほとんどないじゃないか!と囂々たる口調でブツクサ言っていたら後日こんなアボカドが
小っさ!
ああもう、ああ言えばこう言うんだから!
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そういえばお伝えしておきたいとボンヤリおもっていたのですが
4月からTBSラジオで日曜夜のメロウな憂鬱なぐさめミュージック・プログラム「Happy Sad」がスタートしておるのをご存知ですか。音楽ジャーナリストにしてア↑コガレ師匠、高橋芳朗せんせいが今度は Mr. ジュークボックス としてその豪腕を遺憾なく発揮した、たいへん甘酸っぱい洋楽番組です。
ボケちゃった。
勘のよい方はもうお察しのこととはおもいますけれど、例によって詩人の肩書きをポイとうっちゃり、番組ロゴを手がけさせてもらいました。そのまま流れでホームページもまるっと。全ページにわたってアレコレ意匠を用意したので、あちこちクリックしてみてね。
そしてもちろんここには裏で暗躍する男がひとり…。
もう一生頭が上がらないです、ホントに。
それはともかく、洋楽好きには現時点でこれ以上の番組はありません。ジャーナリストとしての他にない「視点」を活かして古今東西のグッドミュージックをすべて自らの手で選りすぐる(←じつはここがいちばんスゴいところ)のだから、心躍らないわけがないのです。美女アシスタントの川瀬さんに翻弄される師匠のキュートな人柄も、番組の親しみやすさを確実に高めていて必聴です。それに師匠のお話、タメになりすぎ!
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今日のおまけ:獲物を狙う鷹のような眼差し
2011年5月18日水曜日
ミダス王の血を引く3人の打楽器奏者
よりによってお知らせが前夜になってしまいましたが(前売りも間に合わない)、しかしそのへんの不義理には普段どおりバチンと目をつぶり、ぬけぬけと宣伝したい稀なる夜がございます。
触れるものすべてを黄金に変えたミダス王のごとく、手に触れるものすべてを音楽に変える超絶パーカッションユニット、Asoviva!の聴覚的錬金術をその耳と肌でとくと御覧じろ!
カチャ
キュルキュルキュル
(巻き戻しています)
カチリ
触れるものすべてを黄金に変えたミダス王のごとく、手に触れるものすべてを音楽に変える超絶パーカッションユニット、Asoviva!の聴覚的錬金術をその耳と肌でとくと御覧じろ!
2011年5月19日(木)
Asoviva!ワンマンライブ 『 imaginary numbers vol.3 』
@代官山 晴れたら空に豆まいて
【出演】Asoviva! 高橋結子(percs)、朝倉真司(percs)、中北裕子(percs)
【ゲスト】良原リエ(trico! / small color)
OPEN 18:30 / START 19:30
前売 ¥3,000 / 当日 ¥3,500 +1D 500
予約はasoviva108*gmail.comへ (*を@に替えてね)
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説明せねばなりますまい。
Asoviva!とは、3人の凄腕パーカッショニストがライブハウスの文字どおりフロア(床)に「楽器+叩くと音の出そうなもの」を所せましと敷きつめて、最小限の打ち合わせと最大限のアドリブで夢のような音と振動のサーカスを繰り広げる、スーパー打楽器ユニットです。何しろ基本メンバーは
パーカッション:高橋結子
パーカッション:朝倉真司
パーカッション:中北裕子
というまるで誤植のようなラインナップ。3人とも、引く手数多なプロフェッショナルです。格がちがいます。そのお仕事歴をいちいち書き記していたらそれだけで図書館が建ってしまうくらいです。
ことほどさように多忙な打楽器奏者3人が年に一度、日常をはなれて紡ぎ上げる万華鏡のような音世界は本当に、ラブリーとしか言いようがありません。肌でかんじるフィジカルな旋律!そしてその心地よさといったら!彼らの手のひらは言葉が面目を失うくらい、饒舌です。ぜひいそいそとお出かけくださいませ。
…前夜ですけど。けっちゃんゴメン!
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また、とくに今回のフライヤーにはAsoviva!の発起人、高橋結子の並々ならぬ思いと願いがこめられています。一義的には、3人のパーカッショニストを表す3つの手のひらから音が大輪の花を咲かせているというものですが、それだけではありません。ご覧のとおり、ここにはそれ以上の大きな意味がふくまれているのです。見かけることがあったらぜひ、手に取って見てみてください。
と、ライブ前夜になってぬけぬけとのたまう男。
…ヘックショイ!
2011年5月10日火曜日
明かりのように灯る声がある。
ミス・スパンコールが撮ってきた「ビジネスツール」の一例
※写真は本文と関係ありません。
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真夜中の新宿歌舞伎町でもの言いたげな人々が、色とりどりのスポークンワーズとパフォーマンスを繰り広げるSSWSという風変わりなイベントがあって、僕はそのごく初期にエントリーしていたのです。2003年の話ですね。
何しろもう8年も前のことだし、8年といえば小学生が成人する(!)くらいの年月です。いろいろあったような気もするけれど、語れることはそんなに多くはありません。だいたい朝型なので、夜はとにかくねむたかったということだけはよくおぼえている。
豆ちしき:SSWSのオーガナイザーであるさいとういんこ女史が20年以上前にリリースしたレコードは、和モノDJの隠し球として今もカルト的な人気を誇っています。
SSWSは原則として事前にエントリーした人がステージ上で競うイベントですが、終了後にオープンマイクのコーナーがありました。エントリー不要で、順番さえ待てば誰でもパフォーマンスを披露できる、ある意味無法の時間帯です。
僕がそこにいるときというのは、つまり本体のトーナメントにエントリーしていたということでもあるので、当然イベント終了後は目も当てられないほど困憊していて、とてもじゃないけれどオープンマイクを鑑賞する余裕はありません。ともだちと来ていたわけでもないし、ひとりフロアの隅で抜け殻みたいになってボンヤリと始発を待つだけです。多くのラッパーがハイレベルなフリースタイルをばしばし披露していたはずだけれど、その記憶もなんだか夢のように霞みがかっている。
でも一度だけ、オープンマイクのときに驚いてステージを振り向いたことがあります。それまでにもいろいろな詩人とラッパーを目にしていたはずだけれど、フロアに響く声にびっくりして耳を奪われたのは、後にも先にもこのときだけです。
どこまでものびやかで、せせらぎのように澄み渡り、遠くまでよく通って一度耳にしたら絶対に忘れられない、そんな声は今まで聞いたことがなかった。どうしてこんな人がエントリーしないでオープンマイクに出てるんだ?と愕然としたことを今でもよくおぼえています。
その人はその時点ですでに揺るぎない礎を持っていました。このとき抱いた鮮烈な印象は、8年たった今も変わっていません。"gift" という意味での天賦の才を、"natural-born" というもののすごさを、僕はこのとき初めて目の当たりにしたのです。誰にも真似のできない世界を築いて、彼女はひらひらと自在に飛び回っていた。
それがtotoさんです。
長く奇妙な年月をへて、ようやく形になった彼女のアルバムにはだから、曰く言いがたい感慨があります。
totoさんの音源は、じつはSUIKAが初めてではありません。たしかその前にFlow Wordsというユニットがあって、自主CDをつくっていた…とおもう。その音源を(なぜか)御大・古川耕のお宅で聞いたときも、リーディングをしようという気持ちがしおしおと萎えるほどショックを受けて…
それはともかく、満を持してリリースされる彼女のフルアルバムは、SUIKAを経由してというよりも僕にはむしろFlow Wordsからの延長に見えます。賑やかなヒップホップバンドのMCとしてこれだけ板についていながら、8年前に初めてふれたあの世界にふたたび足を踏み入れたようなきもちになるのです。ブレがないにもほどがある。
吟遊詩人、というのは言葉に重きを置くミュージシャンによく使われる形容です。タカツキさんも昔からよくそう呼ばれているし、あまつさえ僕のアルバムにもそういうコピーがついています。でも「吟」という文字はそもそも、「詩歌に節をつける」という意味です。少なくともリズムではない。節というのはメロディを意味することもあるけれど、厳密にいうともうちょっと控えめで抑揚とか旋律的と言ったほうがちかい。
だとすれば、totoさんこそが吟遊詩人という肩書きに他のだれよりふさわしいと僕はおもうのです。歌うように読むということ。それが吟じるということ。やってみたいとおもって真似できる類いのものではありません。
今週末の日曜日に渋谷Flying Booksでおこなわれる先行リリースパーティは、初めから終わりまでその声と言葉の味わいをイヤというほどたっぷりご堪能いただける、ちょっと稀なる機会です。どいつもこいつもおいであそばせ!
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5/15(日)
「toto『○to○(わとわ)』 先行リリース・ライブ」
【ポエトリー・リーディング、ライブ】
open 17:00 start 17:30
出演:toto、Tatsuya Yamada(MAS/Tyme.)
ゲスト:(未定)
会場:渋谷Flying Books
料金:3000円(CD+特典付) ご来場の方全員にCD『○to○(わとわ)』(特典「windy」DVD-R付)を差し上げます。
予約前売制:(限定40名様)
【ご予約方法】
予約はメール、電話(03-3461-1254)、及び店頭にて (営業時間12~20時 日曜定休)
メール:info[a]flying-books.com ※[a]を@に換えて送信してください。
HP→ totonote.net
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よく考えたらこのアルバム、僕も1曲参加しています。言うの忘れてた。
あと、キャッチコピーも。
2011年5月4日水曜日
「輪突きのクサヴィエ」とはいったい何か?
それにしても、(とまるで昨日もお話ししていたかのように始めましょう)インターネットの万能ぶりには今なお、舌を巻かずにいられないのです。知りたくても知り得なかったことが当たり前のようにいっぱい書いてあるし、ずっと探していたものがクリックひとつで簡単に、しかもビックリするほど安価で手に入ったりする。これまでに費やしてきた長い長い時間がゼロコンマ数秒で霧散してしまうものだから、逆にかるい失望をおぼえるくらいです。物心ついたときからインターネットに触れていれば、そこにすべてがあると錯覚してしまうのもムリはない。
失望という意味では、ある日ふと啓示のように舞い降りてきた天才的なひらめきが、検索してみたらじつはわりとよくある思いつきだったと知ってしょんぼりすることもあります。インターネットにアクセスするということはそれだけで、井戸の中で安穏と暮らしていたカエルが強制的に大海へ放りこまれるということでもあるのです。広さはともかくカエルなんで塩水はかんべんしてくださいと悲鳴をあげても、もう遅い。
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今でもよくおぼえている例をひとつ挙げると、肉体労働で汗水をたらしていた10年以上前、炎天下で弁当をぱくつきながらふと、「肉じゃが」と「ミックジャガー」が似ていることに気がついて得意になったことがあります。こんなことで得意になったってしかたがないけれど、他に得意になれるものがあったわけでなし、じぶんがちょっと特別な脳みそを持っているかもしれないと自惚れて、じっさい何のお咎めがありましょう。
しかしそんな若かりし僕の高く伸びた鼻も、大海を目にしてポキンと折られることになります。何しろ「ミックジャガー」と「肉じゃが」で検索をすると0.2秒でじつに6000件を超える結果が表示されるのです。
6000件…。
そしてこの程度の思いつきで鼻を高くするダイゴくんの小物ぶり。
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もちろん、検索にいっさい引っかからない情報もあります。膨大な知識にアクセスできるからといってそこにすべてがあるわけではない、というごくごく当たり前の事実を思い出させてくれることもあって、今ではそれがちょっとたのしいくらいです。けっきょくそれについては何ひとつわからずじまいであるにもかかわらず、却って入手不可能な何かを手に入れたようなきもちにならないでもありません。なりませんか?
いちばん最近の例で言うと、「輪突きのクサヴィエ」という言葉がそれに当たります。本のタイトルです。ある作家のデビュー作がこれだというので、検索してみたら「そんな言葉は知らん」とグーグルにそっぽを向かれました。海外の物語なんだけれど、邦訳は出ていないらしい。さもありなんという感じですね。でも「輪突きのクサヴィエ」って、何だかそそられるタイトルです。「輪突き」ってなんだ?「クサヴィエ」は人か獣の名前だろうか?
書いたのはドイツの作家です。邦訳された作品のいくつかは今もふつうに手に入ります。「輪突きのクサヴィエ」というタイトルは、彼の中でもよく知られている作品の、著者プロフィールに書かれていたものです。ただし、現在流通しているB6版ではなくて、40年前に福音館書店から出ていた判型の大きなバージョン。そもそも福音館から出ていたこと自体ちょっとした驚きなんだけど、何しろ著者の手になる挿絵がすばらしいので、判型の大きいほうが見応えもあってよいのです、すごく。また、それだけ古い物語が形を変えて今も絶版になっていないということは、名作として広く認められている、ということでもあります。ちなみに、日本で有名なのはむしろ翻訳者のほうだとおもう。
誰だかわかりますか?
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ホントはtotoさんについて書く、その前置きのつもりで始めたらこのありさまです。
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