2008年4月29日火曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その48
わけあって25,000通ものメールの整理をしなくてはいけない羽目になりました。そのうち24,500通くらいまでスパムメールだとおもうと、気が遠くなる。
*
きのうJET SETでお取り扱いがはじまりました!というようなことを書いておきながら、さっきみたらもう在庫切れで目が点になりました。あれ???なんだかさみしい。売れなくてもいいから、いつもそこにあってほしいというか、ヘンな話ですけれど。
あと、"2008-04-24 JAPANESE POP 第12位" が "2008-04-24 JAPANESE POP 第9位" に変わってて、目が点になりました。アレ???過去のチャートが変動するとは思いもよらなんだ。どういうしくみになってるんだろう?
しかしまあ、春の日和のようにめでたいことであるなあ。狐にばかされてるんじゃないかともおもうけど、いいです、この際それでも。
*
10円まんじゅうさんからのしつもんです(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)。100円で10個買えてこの美味しさは、究極のコストパフォーマンスと言っても過言ではありません。
Q: らくだのコブには悪夢が詰まってると以前言っていましたが、鼻詰まりの鼻には何が詰まっているんですか? この息苦しさは、まるで悪夢のようなんですが。
鼻づまり、つらいですね。僕も以前はひどいアレルギー性鼻炎だったので鼻が鼻としての機能をまったく果たしてくれず、誰かが顔を登るときに手をかける出っぱりくらいの意味しかありませんでした。顔なんか誰が登るんだという意見もあるでしょうが、たとえばの話です。ゴーゴリの短編「鼻」みたいに勝手に顔をはなれて歩き回り、あまつさえ品格と貫禄をもって自分より出世してしまう(!)のも困るけど、鼻が利かないんだったらせめて取り外し可能であってほしいとい考えるのが人情というものですよね。その日の気分に合わせて形をいろいろ選べるんだったら、鼻づまりもまあゆるそうという気になる。なりませんか。ならない気もするな。
それはともかく、ガスや水道のように料金を滞納しているわけでもないのに、嗅覚の使用を一方的に停止されるのは誰だって納得がいきません。前もって封書で通知が届くならともかく、それさえないのだからこれは明らかに不法行為だし、だとすればここには外部の何者かによる明確な意図があってしかるべきだと僕も考えます。匂いをかがれては困る、何かしらの事情があるのかもしれないというわけですね。
あるいは、嫉妬の可能性も考えられます。「わたし以外のものなんて、嗅がないで!」という類いの激しくも直情的な反応です。つまり、いえつまりと言っても鼻づまりのことではないですが、ある特定の香りが他の香りをその独占欲によってすべて遮断しているのです。
香りが香りを邪魔している…これは意外な盲点です。しかしそもそも香水が、入浴の一般的でなかった中世ヨーロッパにおいて、体臭を打ち消すために発展した化粧品であったことを考えれば、それほど不思議なことでもありません。香りによって香りを制するというやりかたは、むしろ古くから受け継がれてきたひとつの知恵であると言えましょう。
ここまで考えて、ふと気がつくことがありませんか?老若と男女を問わず誰もがメディアでその名を知り、とくにちかごろはどこへ行ってもその話題でもちきりの香りといえば、つまり…いえ、つまりと言っても鼻づまりのことでは
A: Perfume です。
鼻の中に女の子が3人も入ってたらそりゃつまるだろうと思います。
*
10円まんじゅうさんが選んでくれた1曲はおそらく、「腐草為蛍」です。おそらくというのは、おたよりの最後にそれだけぽちっと書かれていたからですが、それでよいのですよね?どうもありがとう!忘れたころにぽろっと票が入るのってうれしいです。
バミューダ 9
ボート 8
蝸牛 7
話咲く 7
紙屑 4
ユリイカ 3
アンジェリカ 3
腐草為蛍 3
*
そういえば今日、大きなツツジの茂みにダイブしたら上半身が花粉まみれでベタベタになりました。ちょっと花に埋もれたいだけだったのに、まったくえらい目にあった。
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その49 につづく!
2008年4月28日月曜日
電脳的密林へのひそやかな進出
インターネットショッピングの密林、amazonで、詩人の刻印の取り扱いが開始されたもようです。フラインスピンのオーナーYMZが苦虫を噛みつぶしながら、道を切り開いてくれました。いろいろと大人の事情があって、たいへんなのですって。こういうことにはまったく力になれないので、ほんとうに頭が下がります。冷めかけたほとぼりが、またちょっと温むとよいですね。
でもよく考えたらここを読んでくれている人には、あんまり関係なくてすみません。手に入れづらくて難渋したとおもうけれど、それでも手を伸ばしてくれてありがとう。
あと、最近入荷したらしいJET SETでの紹介文に感激してぽろりと涙をこぼしました。ダイレクトな褒め言葉を抜きにしても、借りものではない自分の言葉で気持ちをこめてくれているのがよくわかります。熱い!ありがとう!なんかすみっこに "2008-04-24 JAPANESE POP 第12位" ってある!
あと、きのう古川Pと餃子食べました。曲をつくれって。
そうだよねえ。
2008年4月27日日曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その47 (b)
<前回までのあらすじ>
いただいた質問にお答えすべく、ムール貝博士の元にわざわざ足を運んだ小林大吾。博士は道のまんなかにあるマンホールに釣り糸をたらし、善良なる歩行者の往来を妨げていた。丁々発止のやりとりを交わしつつも、なんとか博士の気を引こうと奮闘する小林大吾だったが、あろうことか本題である質問へと話を移す前に立ち去られてしまう。前代未聞の事態へと発展したパンドラ的質問箱、果たして博士からまともな回答を引き出すことはできるのか?そもそもまともな回答を得られたことなど今までに一度でもあったのか?いまだ予断をゆるさない状況のなか、小林大吾はふたたびムール貝博士宅の呼び鈴を鳴らす。
ピンポーン
「博士は留守だよ」
「その手は前にも使いました」
「ますます留守だよ」
「きのう『また明日』って言ったじゃないですか」
「社交辞令だ、あんなの」
「じぶんで言わないでくださいよ!しかも面と向かって」
「質問だろう?答えはノーだ」
「まだ何も言ってないですよ」
「手間をはぶいてやったんだ」
「勝手に二択にしないでください」
「こっちにも都合ってものがあるんだ」
「お邪魔でしたか」
「君がくるときはだいたい邪魔だね」
「はいコレおみやげ」
「何だ?」
ヒソヒソ
「しかたないな。質問を聞こうじゃないか」
「今日はこれです」
Q: 眼鏡をかけている人は、レンズを通した世界が本当なのでしょうか?それとも肉眼で見る世界が本当なのでしょうか?
「君が答えりゃいいじゃないか!」
「博士にきてるんですよ。博士もかけてるでしょ」
「伊達だから意味ない」
「え、そうなの?」
「視力は10.0だ」
「ほとんどメカですね」
「機械といっしょにするな」
「じゃあかけなきゃいいじゃないですか」
「そうだな。じゃあそういうことで」
「あしらわれた!」
「いちいち付き合ってられるか」
「では本題に入りましょう」
「めげないやつだ」
「この方は生まれてからずっと視力が1.5なんですって」
「たいしたことないな」
「博士が異常なんです」
「奇特なやつに言われたくない」
「ヘンなとこでムキにならないでください」
「要はないものねだりってことか」
「そうみたいですね」
「しかしそもそもこの『本当』というやつが曲者だ」
「はあ」
「世界が絶対的なものとしてあることが前提になってる」
「なるほど」
「『正しくある』んではなくて、『そう見える』だけなんだよ」
「もっともらしく聞こえますね」
「幻肢痛(phantom-limb)のことを知っているだろう?」
「小林大吾の詩集、『2/8,000,000』の44と1/2 ページにちょこっと書いてありますね」
「見えている世界の重要性というのはそれくらい振れ幅の大きいものだよ」
「どっちが本当どころか、どっちも嘘かもしれないってことですね。そういえばおたよりにはこんなことも書かれてます」
眼鏡という、自分ではないものの力を借りて見た世界は、もしかしたらどこかで、自力で観る世界では見えないモノが見える可能性はないんでしょうか。
「ああ、論点はこっちなのか」
「そうあってくれたら、みたいな気持ちがありそうですね」
「ロマンチックな話じゃないか」
「博士に尋ねたりさえしなければね」
「しかしこんなのは視力に関係なくよくあることだよ」
「どういうことですか」
「だいたい、視界に入ってるものすべてが見えているわけじゃないんだ」
「友達とすれちがってるのに気がつかないとか?」
「視覚ってのはじぶんで思っている以上に意識的なものなんだ」
「ふむふむ」
「逆に言うと、他の人には見えないものが視界に入っていながら、本人がそれに気づいていない可能性もある」
「そうなんですかね」
「待てよ、これはしかし…」
「なんですか」
「眼鏡のほうがいろいろ見えてたのしいですとかそういうことを言っておいたほうがおもしろいのか、話としては」
「よけいな気を回さなくてけっこうです」
「どのみち確かめようがないんだろう?」
「視力、イイらしいですからね」
「じゃあそれでいいじゃないか。眼鏡をかけると人外のモノも見えることがあります」
「僕見たことないですよ」
「魔女を見たことがあるって言ってたじゃないか」
「それは眼鏡をかけてないちびっこの頃の話です」
「じゃ今は気づいてないだけだろう」
「あれ?でも気づいてないなら眼鏡をかけてようがかけてまいが同じことじゃないですか」
「だから君がそれを言ったら元も子もないんだよ」
A: 眼鏡はいろいろ見えてたのしいです。
「このぶんだと質問、こなくなっちゃいますよ」
「こっちはそのほうが助かるよ」
「そうするとブログが困るんですよ」
「知ったことか」
「人でなし!」
「メカだの何だのってさんざん言ってたのはどこのどいつだ」
*
ムール貝博士に励ましのおたよりを送ろう!
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その48 につづく!
2008年4月26日土曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その47 (a)
写真は新宿タワレコにて、SUIKAに便乗した詩人の刻印の様子です。カズタケさんのブログから勝手にひっぱってきました。
新宿店限定で大ブレイクしていたようなのだけれど、当の本人はまるで蚊帳の外です。「へー…」と感心しながら眺めるほかない。壊れたって意味じゃありませんように。
しかし吹けば飛ぶような実際の規模や程度はともかくとして、じぶんの人生の線上に「ブレイク」という単語が点としてぽつんとちいさく乗っているのは、いささか奇妙で、愉快なことです。たとえ嘘でもそう言ってもらえるのはうれしい。新宿店さんありがとう!
ちなみにここ、行くたびに何かモノを失くして、担当のNさんに迷惑をかけています。そんなことで覚えてもらってもしかたないんだけど。
*
百万枚の皿(ロシア製)さんから、みっつめの質問です(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)。百万本のバラ(ロシア歌謡)をもじったつもりだったんだけど、今みるとぜんぜんもじった感じしないですね。
Q: 眼鏡をかけている人は、レンズを通した世界が本当なのでしょうか?それとも肉眼で見る世界が本当なのでしょうか?
「イタタタタ!」
「む?何やってるんだそんなとこで?」
「博士こそ往来のど真ん中で何してるんです?イタッ、ちょっとこれ」
「板チョコ?」
「針!釣り針!ほっぺにひっかかってるから!」
「なんで君が釣れるんだ、まったく」
「こんなとこで釣りをするほうがおかしい」
「邪魔するなよ」
「歩行者の邪魔をしているのは博士です」
「お互いさまか」
「ぜんぜんちがいます」
「マンホールが道の真ん中にあるんだ。しかたないだろう」
「マンホールは釣り堀じゃないですよ」
「そんなこたあわかっとる。馬鹿にしてるのか」
「馬鹿にはしてないけど、やってることはそうとう馬鹿ですよ」
「ミサイルが釣れるんだよ」
「ミ…なんですって?」
「誘導弾だよ。これくらいの」(手を広げる)
「マンホールで?」
「いつもこうやって火薬を確保してるんだ」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。見てろ」
「いや、ミサイルの危険性じゃなくて博士の頭のことです」
「だから大丈夫だって言ってるだろう。オッきた」
ぴちぴちぴち
「ホントだ…」
「錆びてるな」
「しかもぴちぴちしてる」
「まあ、こんなものだろう」
「なんでマンホールに…」
「魚っぽいからな」
「魚っぽいけど、そもそも魚はマンホールにいないんですよ」
「またはじまった!」
「何がです」
「マンホールに潜ったこともないくせに」
「潜らなくたってわかります」
「5号マンホールなんてほとんどワンルームだぞ」
「どういうことですか?」
「みろ、知らないじゃないか」
「ム…」
「石頭を相手にするのは骨が折れるな」
「だからってミサイルはないですよ!
「ないって、ここにあるじゃないか」
「いったいどこから流れてくるんです?」
「ベオグラードだよ」
「ベオグラードって…」
「欧州だね」
「セルビアの首都じゃないですか」
「つながってるんだよ、このへんに」
「…それでミサイルがここに?」
「古いのを処分してるんだろ」
「そういう話じゃないですよ」
「オヤ、こりゃNATOのじゃないか。こいつぁもうけた」
「ストップストップ!いいかげん手がつけられなくなってきた」
「いいのが釣れたし、じゃお先に失礼」
「本題がまだなんですよ!」
「時間ないから、また今度な」
「さっきまで釣り糸垂らしてた人が何言ってるんですか」
「いいじゃないか、1日分ブログ水増しできるんだから」
「水増しって言うな」
「じゃまた明日」
「ちょっと!博士!博士ってば」
質問を掲げながらそれに触れもしない意外な展開に!回答はCMのあと!
*
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その47 (b)、回答編につづく!
2008年4月24日木曜日
ライオン1頭分の無意味とSUIKA全曲試聴
大きな買い物をしました。
大きいというのは金額のことではなくて、ただ物理的に大きいのです。空間を占める無意味の割合としては、部屋でライオンを1頭飼うのとそんなに変わらないんじゃないかという気がする。
側面には15センチ角のばかでかい筆文字で赤く「たばこ」と書いてあります。
*
きのうはSUIKAのあたらしいアルバム「カッコいい」発売日だったので、タケウチカズタケ、タカツキ、フラインスピンのボスYMZとともに、SUIKAの一員みたいな顔をして渋谷と新宿をねりねりと歩きました。基本的に僕ぜんぜん関係ないですが、成り行きもあって冷やかし半分です。渋谷タワレコの展開のデカさにはびっくり。1メートルくらいあるPOPに圧倒されます。すごいなー。新宿タワレコでは便乗した「詩人の刻印」が三たび試聴機に入ってました。
もしまだSUIKAにふれたことがないのであれば、全曲試聴がはじまったのでこの機会にぜひ聴いてみてください。それから馬車馬たる僕の労をたっぷりとねぎらってください。大儀であった。うむ、ありがとう。(自作自演)
ちなみにこの試聴用webプレイヤー、YouTubeといっしょでブログに貼りつけることができるので、よかったらあちこちに貼りつけてください。プレイヤー下方の "embed this" をクリックするとタグが表示されます。みんなで輪をつないでもらえたら、すごくうれしい。というようなことを詩人の刻印のときにもっとアピールすりゃよかったな、そういえば。
01: Juicy Fruity Spicy Funky
02: 麒麟が太陽(ほし)を食べる島
03: カッコいい the Booster
04: ジョナサン
05: 回天ひまわり feat.ICHI
06: ムジカフライト
07: ピクニック
08: 彩音西瓜号
09: Be Siwrlent
10: カゾエテミヨウ
11: カミナリとヘリコプター
12: つづれおり
13: 手をならせ
あちこちの店頭に展開されたSUIKAのアルバムを感慨深げに眺めながら、「8億枚くらい売れへんかなあ」とカズタケさんが言うのです。そのあとしばらくしてから、「いや、8億は言いすぎにしてもさあ、1億枚くらい…」と言い直してました。「ギネス、ギネス」とも言ってたな。
それを受けたタカツキさんが「8千万作品くらいつくったらいけるんちゃう?」
僕この会話すごく不憫だとおもうんだけど、どうですか。
2008年4月23日水曜日
ホーム・スイート・ハンガー
ベランダから前に立ちふさがる、鬱蒼とした木々をながめていたら、だいぶ上のほうのある一点に目が止まりました。
枝に青いハンガーがぶら下がっているのです。あんなところにぶん投げた記憶はないし、ずいぶん高くにひっかかっているものだとこの妙な光景にしばらく見入っていると、今度はそれよりも少し上にあるもさもさとした大きなかたまりに気がつきました。
巣みたいだ。カラスかな?そうかさっきのハンガーはカラスが巣の材料にくわえていったんだと、このへんでようやく合点がいったものの、まだどこかへんな違和感がある。でもその違和感がなんなのか、目がわるいせいもあっていまいちよくわからない。こういうとき望遠鏡があったらいいとおもうけど、あいにく遠くのものを拡大して眺める趣味をもったことがないので、うちにはそんなものありはしません。どうにか自力で解決しようとタバコをくわえながらじーっとみつめていて、ふとその正体に気づいたときはタバコをぽろりと落としそうになりました。
…ぜんぶハンガーじゃないか。
なにしろ木の上だし、ハンガーもたぶん10本目くらいまではしょっちゅう下に落としていたはずです。「あそこにハンガーまとめといて」と仮に僕がたのまれても、そうとう苦労するんじゃないかとおもう。うまいことやるものだなあ。この木のそばには古い民家があるので、ときどき空から降ってくるハンガーに首をかしげていたのではあるまいか。
巣に戻ったカラスがハンガーの山に埋もれて尾羽をぷりぷり振っている写真もとったんだけど、あんまり美しくないのでのせるのやめました。
しかし意図せず人の家をのぞき見たようで、バツがわるい。
2008年4月22日火曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その46
風がはらはらとほどけるようにして流れる、のどかな日和です。
*
まるかいてJETさんから、現実的なしつもんです(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)。SUIKAの歌詞に出てくるフレーズなんだけど、いまだに解けない謎のひとつです。
Q: suika夜話 は 未成年入場可能ですか?
助詞の両側にあるふしぎな空白が気になります。ひょっとしてここに何か都合のわるいものでも入ってたんだろうか?
それはさておき、SUIKA夜話はちびっこも遊びに来ているじつにアットホームな催しなので、もちろん未成年入場可能です。
と言いながら僕も考えたことがなかったので調べてみたのだけれど、年齢制限によって身分証明等のIDチェックが必要になるのはおそらく、真夜中の話だとおもいます。ついこないだ制定された都の条例によって、23時以降は18歳未満の入場を認めてはいけなくなってしまったのですね。なるほど。
しかしSUIKA主催のイベントで、未成年おことわりなんてそんなつまらないことを言うはずがありません。老若男女が心の底から笑ってたのしめる、それがSUIKA夜話です。こどもならひと晩で身長が数センチは伸び、大人ならたるんだ肌にぴちぴちとしたツヤとハリが戻ってくる、それがSUIKA夜話です。3児の母であるtotoさんが「こどもコーナーをつくりたいなぁ」と語るくらいだし、安心して遊びにきてください。
また仮に夜話が都の条例にひっかかったとしても、僕らが全力で抗議するので心配いりません。だいたいみんなが明日への活力を満タンにして帰るというのに、あたまでっかちな部外者にブーブー言われてたまるもんか。
もちろん、アルコールとタバコは販売できません。この禁をやぶると、反対に全力でほっぽり出されるので気をつけてくださいね。
A: 年齢なんて関係ない!
いま思い出したけど、そういえば少年のころ、AVを借りるために身分証明をムニャムニャしたことがありました。
動機がかわいいでしょ。
健全な青少年に似つかわしくないその知恵をもっと他のことに使っていれば、いまごろ大成していたかもしれないのに、残念なことです。まったく。
*
それから、まるかいてJETさんは「女と紙屑」に1票を入れてくれました。どうもありがとう!曲というよりむしろシーラカンスがお好きなみたいですが、ぜんぜん問題ありません。
バミューダ 9
ボート 8
蝸牛 7
話咲く 7
紙屑 4
ユリイカ 3
アンジェリカ 3
腐草為蛍 2
ちなみに、いただいたメールに「インストアでみた古川さん、可愛らしかったので好きです」とあったので古川Pにその旨を伝えたところ、「男子に言われてもあんまりうれしくない」とかなしげな返事がかえってきました。うーん、好意を示されているのになぐさめるのもヘンだし、なかなかむずかしい問題ではある。
*
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その47につづく!
2008年4月21日月曜日
割れたカードと2枚のエンゼル(銀)
10年以上つかっていない郵貯のカードが入り用になり、ひっぱりだしたら割れてました。
よほどのことがないかぎり、カードってあんまり割れないとおもうんだけど、割れている。しらんぷりしてATMに入れたら、案の定「お取り扱いできません」と吐き出されました。バレてしまっては仕方がない。
*
郵貯のカードケースには、カードといっしょに「郵便貯金 キャッシュサービス ご利用のしおり」という冊子がついていました。ずいぶん親切なことだなあと感心しながらぺらぺらめくっていたら、黄色いちいさな紙切れが2枚、ページの間にはさまっているのです。
おや、こいつァ…
銀のエンゼルじゃないか。
いったいだれがこんなまねをとおもうけど、残念ながら僕しかいないので僕のしわざです。チョコボール、じぶんで買ったんだろうか?しかし何も読みやしない郵貯のしおりにはさまなくたってよさそうなものじゃないか。どう考えても忘れるにきまってる。
へんな風情があって、どことなく物悲しい。
遺品からこんなの出てきたら、やりきれないだろうな。生きてるうちにみつかってよかった。
2008年4月20日日曜日
ホイップクリーム200mlのごちそう
めったに人と会うことのない僕が、先週はめずらしく毎日だれかと会ってました。なんとなくお茶をしたり、なんとなく来客があったり、ずいぶんとまあ心ゆたかな春です。いい気なものだ。土曜日にいたってはSUIKAのメンバー4人がそれぞれ別(!)の用事をもってウチにあつまり、総勢6人で鍋をつつく賑わいぶり。ノーフューチャーなかんじは相変わらずだけれど、こういう日々はだいじに箱にしまっておきたいです。平べったい日々がデフォルトだと、とくにね。
SUIKAのリーダー、タケウチカズタケの好物が生クリームであることを聞きつけたミス・スパンコールが、はりきって1パック200mlをホイップし、そのままむきだしで供したところ、コーヒーに浮かべたりロールケーキに塗りたくったりしてホントにぜんぶ食べきってました。出すほうも出すほうだけど、食うほうも食うほうです。
いつも読んでくれてありがとう。いきなりなんだとおもうかもしれないけど、なんとなく言っておきたくなりました。
2008年4月18日金曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その45
さて、これから幾度も告知することになる5月10日のスイカ夜話ですけれど、チケットの販売がスタートしているもようです。
渋谷フライングブックスでもお取り扱いしているので、ふらりとお店にもいらしてください。ついでに古本とコーヒーもたのしめるし、個人的にはいちばん小粋なお求めかただとおもいます。
SUIKA夜話 第11夜
2007年5月10日(土)
@青山月見ル君想フ
open 18:30 / start 19:00
前売り¥2,500 / 当日¥3,000(+drink ¥500)
チケットとはべつにドリンク¥500がかかるということですね。こういうのって、あんまりライブに行かない人にとってはけっこう戸惑うシステムだとおもうんだけど、そうでもないんだろうか?チケットを買って、さらに¥500徴収されるのって、なんだかふしぎだ。
【GUEST】
小林大吾、SONPUB、ALOHA(from福岡)
ちなみにスイカ夜話では、いつも来場者全員におまけで缶バッヂをプレゼントしています。今回で、11個目です。
それから今回はリリースパーティということもあり、最新アルバム『カッコいい』解説レイディヲCDRを配布するそうですよ!用意枚数がなくなり次第配布終了となるそうなので、これもぜひ。
なんというかこう、いろいろおまけがあって良いですね。
多くの人がきてくれるといいんだけれど。
*
FNSR感謝祭にも足を運んでくれたハイファイ弁当さんからのしつもんです(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)。好きなお店の味を忠実に再現できたミラクルなお弁当のことですね。
Q: 小林さんの好きな野菜は?スワロフスキの嫌いな野菜は?
小林さんと呼ばれることがふだんあまりないので、いっしゅん誰のことかとおもいました。僕のことですね。姓って所属している組織の名前みたいなものだし、いまいちじぶんのものという気がしないのです。こうして気持ちもつながっていることだし、よかったらダイゴとお呼び捨てくださいませ。
それはそれとして、家庭菜園をなさってるんですね。うらやましい!都心の野菜はどうもしょんぼりしていていけません。実家のちかくには野菜の無人販売所がわりとあちこちにあったので、思い出すとせつないため息がもれます。
野菜か…肉や魚より野菜のほうが断然好きなので、なんでもぱくぱく食べるほうです。どれにしようかな。
油と相性の良い野菜が好きです。茄子とか、ゴボウとか、ズッキーニとかですね。とくに茄子を揚げて煮びたしにするとすごいしあわせ。
でも、そうだな、ひとつだけ選べと言われたらズッキーニをえらびます。いちおう理由を考えてはみたんだけど、とくに思いつきませんでした。恋とおなじです、たぶん。好きなものは好きなんだ!にんにくとオリーブオイルでソテーにします。ずっと食べてそう。あとズッキーニってちょっと高いので、あこがれみたいのもあるかもしれません。
あ、オクラも好きです。とっつきにくそうで、わりと使い勝手がいいんですよね。おいしいし。まとまりがなくてすみません。
A: ズッキーニ
*
いったい誰のことだかサッパリ、という人もいるとおもいますが、スワロフスキというのは「アンジェリカ」に出てくるちいさな女の子の名前です。
「スワロフスキ」
「あーダイゴくんだ」
「テンション低いな」
「なーに」
「野菜はすき?」
「うーん、すき」
「きらいな野菜はある?」
「ないよ」
「ないの?」
「ないの。でもホントはあるの」
「おしえてよ」
「あのね、たまねぎ(ひそひそ)」
「たまねぎ?(ひそひそ)」
「からいの(ひそひそ)」
「アレ、からいよな(ひそひそ)」
「そうなの(ひそひそ)」
「からくなければへいき?(ひそひそ)」
「?」
「カレーに入ってるのは?(ひそひそ)」
「カレーはすき(ひそひそ)」
「じゃ生がダメなんだな」
「?」
「わかったよ、ありがとう」
「たまねぎは悪魔の食べものなんだって(ひそひそ)」
「だれが言ったの?」
「アンジェリカが言ったの(ひそひそ)」
「あの人も苦手なのか…」
「あんなものくそくらえだって(ひそひそ)」
「ろくなこと教えないな、しかし」
「ダイゴくんは?」
「僕はきらいな野菜ないよ」
「ほんと?」
「ほんとだよ」
「たまねぎは?(ひそひそ)」
「すきだよ(ひそひそ)」
「すごいね!(ひそひそ)」
「スワロフスキもそのうちすきになるよ」
「あんなのくそくらえだ」
タタタタタ(走り去る)
「いいのか?あれで」
A: たまねぎ
*
ハイファイ弁当さんは奥さまと合わせて「三角バミューダの大脱走」に2票入れてくれました。どうもありがとう!
バミューダ 9
ボート 8
蝸牛 7
話咲く 7
紙屑 3
ユリイカ 3
アンジェリカ 3
腐草為蛍 2
*
dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)
その46につづく!
2008年4月16日水曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その44
近所の姉さんが東京タワーを10本買ったというので、ウチに2本を置いていきました。開けるまで何が出るかわからない例のパッケージで、ぜんぶで10種類あって、そのうち4種類はLEDつきで、ピカーとライティングされるのです。びっくりするくらい精巧で、しかもライトがつくとホントにきれい。こいつァいい。
1本600えんするんだって。
ひと月分の食費をかなぐり捨てて、東京タワー10本。
じつに男らしい。
*
ウオノメにも涙さんからの質問です(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)。
Q: ハムスターはなんであんなに丸いのですか?餅なのですか?
のっけから話をずらして恐縮ですが、僕こういう人すごく好きです。非常に正しい思考回路を持っているとおもいます。いずれ大きく名を成すにちがいありません。がんばってください。
それはそれとして、あんなふさふさしたモチがあってたまるかとぷりぷりしながら、手のひらにころころと乗っかっているイメージをずっと頭に浮かべていたら、たしかにつきたてのモチみたいな気もしてきました。ふしぎなものですね。するとあのふさふさはカビか?
とはいえ仮にモチだとしても、ハムスターがまるい理由にはたぶんなりません。すべてのモチがすべからくまるいわけではないからです。ではなぜモチはまるくなるのか?人が手のひらでころころと丸めるからです。
いま思い出したんだけど、昔のお産というのは、産婆さんが赤ちゃんのやわらかい頭を産道のなかでこねて細くし(!)、通りやすくしてからスルスルと取り出し、しかるのちまだやわらかいままの頭を再度丸く整えていた、という話を聞いたことがあります。切開という手段がまだなかったころの話です。そんな月面宙返り的テクニックが事実かどうかはともかくとして、たぶんハムスターもそんな感じでだれかに丸められているんじゃないかと僕は踏んでいます。
問題はその役割をいったい誰が担っているのか、ということですが、だいたい僕らは地球にはびこるすべての人間とその職業をちくいち把握しているわけではありません。ただその存在を知らないというだけで、わりとふつうに職業として成り立っている可能性も大いにあり得るのです。いまどき詩人なんてどこにいるんだよとみんな思うだろうけど、じっさいここにいるわけだし、マンションの4階に住むちょびヒゲのおじさんがじつはハムスター丸めを生業としていたってぜんぜんおかしくない。
なんとなくだけど、背はちょっと低めがいいとおもいます。あと、そうですね、仮に名前を藤吉郎としましょう。全国津々浦々に3000人くらい、ちょびヒゲを生やした背の低い藤吉郎が軒下で来る日も来る日もハムスター丸めに明け暮れているのです。頑固な和菓子職人みたいなものだと考えてください。そうして精魂こめて丸められたできたてほやほやのハムスターが、まだ夜も明けきらぬうちからまた全国各地へと長距離トラックにのって運ばれていきます。
「あんまり力をこめると、固くなっちゃうんだ。肩の力を抜いて、ふわっと包みこむように丸めていく。そうしないと、あのやわらかさには絶対にならないんだよ。ハムスターってのは奥がふかくてね、もう40年やってるけど、満足のいく仕上がりになったのは数えるくらいしかないな。太閤に追いつこうとおもったら、あと30年はかかるだろうね」と茅ヶ崎の藤吉郎さんは語ります。太閤というのは昭和初期に、山で襲いかかってきたツキノワグマをその手でふんわり丸めてしまった逸話をもつ、伝説のハムスター丸め職人、国府田藤吉郎さんのことです。
ハムスターの可愛らしさの裏には、そんな職人たちの苦労とプライドがかくされていたんですね。
NHKプレゼンツ「日本の手仕事」、次週は口内炎撲滅に命をかける、特命軟膏チームのお話です。おたのしみに!
A: 全国3000人の藤吉郎が丹精こめて丸めています。
*
しかしこういうことを真剣に書いていると、ホントにだいじなことを忘れるんですよね、すっぽりと。たしか何かあった気がするんだけど、だめだ。忘れてしまった。
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その45につづく!
2008年4月14日月曜日
FNSR感謝祭@渋谷Flying Books
日曜日のFNSR感謝祭@渋谷フライングブックスはぶじ終了…長丁場でしたね。3時間ちかくやってたんだろうか?ご来場いただいたみなみなさま、ほんとうにありがとうございました。お疲れさまでした。
ぼかァ人の顔をおぼえるのがみじめなくらい不得手でいつもまわりを困らせているのだけれど、質問をくれていたフルリコさん、百万枚の皿(ロシア製)さん、クラッシュギャルズ(男)さん、王様の耳はパンの耳さん、そしてご家族みんなであそびにきてくれた松下さん、今度こそみんなの顔おぼえました!どうもありがとう!
ところでぜんぜん関係ないんだけど、世界でいちばん頑丈なバイクであるホンダのカブには一般的なスクーターとちがって、4速のギアがついています。速度に応じて2速、3速と切り替える原付なのですね。
しかしSUIKAのtotoさんはカブにギアがついていることを知らず、スクーター感覚のままずーっと1速で走りつづけていた(!)ため、カブを再起不能にしたことがあるそうです。
ちなみに1速は走るためというよりも、その準備段階として車体を前へ押し出すためにあるようなギアなので、ものすごい音がする上にいくらアクセルをふかしても20キロ以上出ることはありません。へたをすると歩いたほうがはやいのです。あんまり遅いし、同じカブにさえバンバン抜かされるし、おかしいおかしいと思いつつ乗るのがすごく恥ずかしかったの、と恥ずかしそうに話してくれました。
というのが昨日いちばん印象にのこった話です。ザ・リヴィング・レジェンド。
2008年4月12日土曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その43
1ヶ月くらい前に名古屋を訪れたのですけども、そのときライブをしたK.D.Japonに、タカツキが1本のコード(正式名称を知らない)を置き忘れてきたのです。いろんな事情があって、巡り巡って、最終的になぜかそれが僕の手元に届いたので、こないだタカツキ先生をウチに呼びつけました。そこまではいいのです。
帰りぎわ、マンションの玄関まできて、出かける前の小学生のように忘れものがないかカバンの中を点検し(とにかくいつもいろいろなモノを忘れる人ですから)、さっきのコードも「あるある、ちゃんと入ってる」とうなずき、じゃあまたねと手をふって別れ、ひとり部屋に戻り、お茶をいれてフウと一息ついたら、さっき目視確認までしたはずの1本のコードがぽつんとテーブルに置かれていたので、さすがに僕もお茶をブーと吹き出しました。
というわけでそのコードは今も僕の手元にあるのです。
何しに来たんだ、いったい?
*
先日、ゲームを買ったのは "LocoRoco" 以来です、と書いたところ、LocoRocoの製作に関わったというゲームプログラマさんからおたよりいただきました。えー!スゴい!一時期は本当にずっとあのソフト1本で四六時中、右に左にぷよんぽよんやってました。おっぱいよりやわらかいゲームです。ヘンな言いかただけど、でもこれ以上的を射た説明はありません。プレイすればわかります。プレイと言ってもそっちじゃなくて、えーと、困ったな。
というわけで、歌舞伎町のタラちゃんさんからいただいた質問です(ペンネームはムール貝博士が適当につけています)。どうもありがとう!LocoRoco、好きです。
Q: アンジェリカの好きな場所ってどこですか?
「あれ?どしたのダイゴくん」
「やあ」
「なんでそんな挙動不審なの?」
「こないだあやうく地雷に巻きこまれるところだったんだ」
「だからへっぴり腰なのか」
「いや、否定してよ」
「否定って、なにを?」
「博士といっしょにしないでよ!とか、地雷なんか埋めないよ!とか」
「埋めないけど、ないかどうかまでは知らないよ」
「微妙に可能性をのこすなあ」
「地面のことまで面倒みきれないもの」
「ないんでしょ?」
「さあね。じぶんで調べればいいじゃない?神経質なんだから」
「じゃあそうするよ」
ザクザク
「フー!安心した」
「まさかホントに地面をほじくり返すとはね…」
「ぼかァやると言ったらやる男ですよ」
「バカな男」
「ほっといてくれ」
「ここ掘れワンワンてかんじ」
「うるさいな!」
「せっかく耕してくれたからなんか植えようかな」
「あいかわらずプラス思考だ」
「あたしのためにご苦労さま!」
「モロヘイヤなんかどう?」
「飢え甲斐がないなあ。なんかお似合いだけど。トマトにしようよ」
「サラッと聞き捨てならないことを…」
「明るいし、トマトはいざってとき役に立つしね」
「ああ…そうだったね…」
「じゃあ苗を買いにいこう!それとも種?」
「あのさ」
「なに?」
「質問がきてるんだよ」
「ああ、そうなの。そっか、だから来たんだ。はやく言えばいいのに」
「そうだね…」
「今回はなに?」
「えーと…」
「ちょっと待って、イゴール!イゴール!」
「なんでございましょう」
「ここ、トマト植えてくれる?」
「しょうちいたしました」
「ゴメン、なんだっけ?」
「好きな場所はどこかって」
「好きな場所?」
「好きな場所」
「ちょっとアバウトすぎない?それ」
「いいんだよ、布団のなかとか、壁と壁のすきまとか、そういうのでも」
「ダイゴくんといっしょにしないでくれる?」
「僕のことじゃないよ!」
「なんかこう、とくべつな場所ってことでしょう?」
「アンジェリカが行けばどこだって特別になるよ」
「そうだけど、うーん」
「皮肉の通じない人だ」
「あ、兼六園好き」
「兼六園?て日本庭園でしょ?」
「そうそう」
「また何ていうかずいぶん…アンジェリカっていくつなの?」
ドスッ
「失言でした」
「わかればいいのよ」
「みぞおちは勘弁してください」
「あたしはわるくない」
「だって…まさか日本庭園を挙げるとは思わなかったよ」
「そう?」
「わびさびってこと?」
「ハハハ!」
「なんで笑うの」
「バカじゃないの?」
「たしかにアンジェリカとわびさびってすごい違和感あるけど」
「日本庭園てね、ボンデージ(bondage)なの」
「ボンデージ?ってあのボンデージ?」
「そうだよ。他に何があるの」
「突飛すぎてついていけない」
「なにが?」
「発想が!」
「そんなことないってば」
「ぜんぜん意味がわからない」
「それはお気の毒」
「どういうこと?」
「まあいいじゃない。なんかもうめんどくさくなってきた」
「日本庭園がボンデージ??」
「その話はまた今度ね。質問なんだっけ?」
「好きな場所…」
「でしょ。じゃ兼六園」
A: 兼六園
*
そんな歌舞伎町のタラちゃんさんの1曲はもちろん、「アンジェリカ」ですね。どうもありがとう!なんだかんだで詩人の刻印(ほぼ)全曲レース、まだつづいています。ほとぼり、ちょっと冷めてますけども。
ボート 8
蝸牛 7
バミューダ 7
話咲く 7
紙屑 3
ユリイカ 3
アンジェリカ 3
腐草為蛍 2
*
明日はFNSR感謝祭@渋谷フライングブックスです。というのが本題のつもりだったんだけど、どこかで足を踏み外したようです。
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その44につづく!
2008年4月10日木曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その42
背もたれのない椅子の上から尻がずり落ち、体勢を立て直そうとおもったらそのまま床にゆっくりペタンと落ちました。
最近はこういうことがときどきあって、そのたびに何かがマズいという気がするんだけど、しかし何がマズいのかいまいちよくわからない。だって尻が落ちただけじゃないか?サルだって木から落ちるんだから、尻が椅子から落ちるのだって、そりゃ乗ってるんだから時には落ちることもあるだろうとおもう。
しかしそれならばなぜつとめて平静を装おうとするのか?
どうも何かつめたい事実から目をそむけているような気がするのです。
まあいいか。
*
以前質問箱 その5にご登場いただいたクラッシュギャルズ(男)さんから2度目のしつもんです。こうしてみるとホントにびっくりするくらい適当なペンネームですみません。
Q: ある日総理大臣が、「日本は今月末で解散するので、めいめい好きな国へ移住してください」と発表しました。その国で暮らし、日本には戻れないという条件だったら、どの国を選びますか?
解散、というのがおかしいですね。あらァ、好きだったのに残念だわァ、という感じです。いずれまた再結成してほしい。
しかし決まったことをいつまでもくよくよ悔やんでたって仕方ないので、そうですね、僕はじゃあせっかくだし、マダガスカルに移住しようと思います。インド洋のはしっこ、モザンビークのとなりにプカッと浮かぶ大きめの島です。世界遺産に登録されたツィンギ・デ・ベマラも強烈な景観なのだけど、あの島、植生がすごくおもしろいんですよね。バオバブを筆頭に、どいつもこいつも曲者ぞろいで、そそられます。どのみち汗水たらして生きるなら、そういうのに囲まれたいです。
生きると決めたらどこでだって生きていかなくちゃいけないけど、かなうとしたらいちばんがそこ。でなければ、そうですね、やせっぽちなので寒いとこだけはだめです。アルコールもたしなまないから、体を温めるのに人一倍苦労しそうな気がするのです。それとも寒いとこいたらちゃんと脂肪がついてくれるんだろうか?それならむしろアイスランドとかに行ってみたい気持ちもあるけれど。
あとは、そうだな、なるべく日本人が行かないとこに行きます。どうかするとすぐ甘えるたちなので、そのへんはすっぱり断ち切りたいです。あきらめもつくというかね。
A: マダガスカル
*
クラッシュギャルズ(男)さんからは、もうひとつ質問をいただきました。どうもありがとう!
Q: ある日総理大臣から、「日本の好きな文化施設に住んでいいよ」と言われました。美術館・博物館・図書館・劇場などなどの中から、住むとしたらどこがいいですか?
なかなか気さくな総理大臣ですね。肉屋の親父が「余ったコロッケ持ってっていいよ」と言うのに似て、好感が持てます。国の舵取りがそんなんでつとまったら、それはそれでアレだけど(何言ってるんだ?)、まあそういうことならお言葉に甘えて、博物館にしようかな。科学や歴史、人文をていねいに学べるだけでなく、インテリアとしても一級品ばかりが揃っているし、申し分ありません。どれかひとつと言われたら、富山にある魚津埋没林博物館がいいです。巨大な埋没林のすきまにはさまれて眠りたい。いい夢みれるとおもうんだよな。
でなければ浜松にある秋野不矩美術館をえらびます。藤森照信の手になる滋味ゆたかなうつくしい建築と、精神的な深みを湛える秋野不矩の絵が互いにしっとりと馴染んで醸し出す、やわらかな趣には得も言われぬものがあります。館内を裸足でぺたぺた歩く風変わりなつくりも好き。住みたいという気持ちが不謹慎に感じられるほど、凛として心地のよい美術館です。至高の料理を、それに見合った器でいただく、そんなよろこびがここにはあります。
目黒の庭園美術館なんて豪邸だし、ちょっといいですけどね。分不相応すぎて卑屈になりかねません。あと、人外のモノにも出合いそうでこわいです。
A: 秋野不矩美術館
しかしこういう、ある程度かぎられた選択肢の中からひとつ抜き出すタイプの質問は、ひとりで答えるのがもったいないなといつも思います。「好きな輸入菓子は?」というのもそうだったけど、人となりを引き出すのにうってつけというか、親しい人の意外な面をみることもありそうだし、みんなでワイワイ話せたらたのしいですよね。のらりくらりとした僕個人の回答なんて、そういう意味ではまあ、二の次ですよ。ね?
*
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その43につづく!
2008年4月9日水曜日
4月の新商品が届きました
ここぞとばかりにこき使われた2月、3月の結果がようやく形になり、心身ともにおだやかな日々を取り戻しつつあります。やれやれ。あとはこれらがものすごく売れて、暮らしが左団扇になるのを待つばかりです。
まずはタカツキ2003年の名盤が装いもあらたに生まれ変わった「東京・京都・NY (2nd Avenue)」。アートワークをまるごと小林大吾に差し替えただけでなく、4曲のリテイクまで追加した完全版がとうちゃくです。以前のバージョンを売っぱらってでも、ぜひぜひ手にしてほしい逸品に仕上がっています。
ちなみにジャケットでカバンを持っているのは、タカツキではなく小林大吾の手です。熱烈なタカツキファンにはないしょにしといてください。
4月13日のFNSR感謝祭@渋谷Flying Booksで初お目見えかとおもったら、とっくに通販で取り扱いを開始してるそうですよ。展開がひっそりとして地味だなあ。再発だから当たり前かもしれないけれど、でももうほとんど新譜みたいなものじゃないか。
ちなみにこの通販、テスト用に入力したダミー商品をカートから消し忘れたため、うっかり注文が5件ほどきてしまい、あわてて録ったといういわくつきの商品「タカツキがラジオ」も100えんで購入可能です。NHKラジオ深夜便のような朴訥としたAM感覚がいやというほど味わえる、極上の30分。未発表音源をちらほら流しつつ、しゃべるの苦手なくせにひとりでずーっと喋ってます。「ボク普段こんなようしゃべらんのですけど…」とか言いながらね。生来の生真面目さが垣間見えてすごく可笑しい。
*
そして2008年春の大本命、SUIKA2年半ぶりのアルバム「カッコいい」がついに完成です。
特殊紙ケースの設計図から書き起こして、気の遠くなるような作業をえんえんとくりかえす日々が、やっと報われるかとおもうと感慨無量です。しくしく。ブックレットが、すごくいいんだ。
しかも今回はちょっとめずらしい縦開きです。パカッと上にひらきます。自前で設計図を引くテイラーメイドだからこそ可能な荒技と言えましょう。ヘンなとこ金かかってます。
中に描いてあるのは「ドカーン」というかんじの絵です。そんな小学生みたいな表現があるかとおもうかもしれませんが、見ればわかります。あ、ホントだ、ってぜったい思うから。ある天才画伯の手によるもので、僕が描いたものじゃありません。開けてみてのおたのしみです。
SUIKAにまだ触れたことのない人のために、もう少ししたら全曲試聴も予定しています。来週かな?やっぱりぜんぶ、聴きたいものね。
2008年4月8日火曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その41 (b)
友人から「おれ今度、結婚することになりました」というメールを4月1日にもらったので、僕らも負けじと手提げ袋いっぱいにつめこんだ結婚式場やハネムーンのためのパンフレット(重たい)、彼とは縁もゆかりもない人たちに書いてもらった寄せ書きの色紙(ハート形)、赤ちゃん用のくつした、ふたりの夜のためのイエス・イエス枕(手づくり)(イエス・ノー枕ではない)、念のため婚姻届1枚を持って、「おめでとう、おめでとう」と盛大に祝福してきました。
吹かれたホラにはいつだって全力で応えたい。
*
ジョンソンアンドジョンソンアンドジョンソンさんからきた質問のつづきです。
Q: (ムール貝博士とアンジェリカは)だれに(なにに?)似ていますか?
ムール貝博士の場合:
「博士ー」
ドカン
「うわっ」
「ん?」
「こんなとこに地雷置かないでくださいよ!」
「ああ、ダイゴくんか」
「あぶないじゃないですか」
「君こないだも来たじゃないか」
「来たくて来てるわけじゃないですよ」
「さいきん物騒でね」
「博士がいちばん物騒です」
「命を狙われてるんだよ」
「1個くらいあげたらいいのに」
「やるくらいなら奪われるほうが1000倍いい」
「1個しかないとは言わないんですね」
ピンポーン
「だれかきましたよ」
「暗殺者だろう、ほっておきなさい」
「まるで訪問販売だ」
「代わりに出てくれてもいいよ」
「まっぴらごめんです」
「冷たいね」
「死んだらますます冷たく…いてっ」
「どうした」
「なんだろう。なにかに足を刺されました」
「ああ、うちのサソリだ」
「ちょっと!」
「解毒剤あるよ。ホラ」
「はやく!はやく!」
「何しにきたんだ、いったい?」
「なんかしびれてきた気がする」
「質問はどうした?」
「このクスリほんとに効くんでしょうね?」
「これか。『誰に似ていますか』…」
「博士」
「知らないよ、刺されたことないから」
「博士…」
「戦車はどうだ?『ムール貝博士は戦車に似ています』」
「…」
「ちょっとゴツゴツしてる気もするけど、あのキャタピラがいいんだ」
「…」
「なんだ、大人しいな。ピス田!おいピス田!」
「どうしました。あれ、ダイゴくん」
「これ、どう思う?」
「死にかけてるみたいですけど」
「そっちじゃないよ。質問がきてるんだ」
「だれに似てるか?あ、モノでもいいんですね」
「なるべくかっこいいのを選んでくれ」
「戦車はどうですか」
「さすがピス田だ」
「アフロかぶせたらもっと似てますよ」
「戦車にアフロか。わるくないな」
「いいんじゃないですか」
「きまりだな」
A: アフロをかぶった戦車
「それよりこれ、どうするんですか」
「どうするって?」
「ダイゴくん」
「どうすると言われてもな」
「毛布かけときます?」
「タオルでいいよ」
*
ところで以前、質問箱 その34で「2007年のベスト」を選んだとき、8位に「 とあるメジャーアーティストのオフィシャルウェブサイト」という極秘ミッションのことを書いたのだけれど、質問をくれたジョンソンアンドジョンソンアンドジョンソンさんは、「ひょっとして×××のことですか?」とメールに書き添えてくれました。
そのとおりです…!
まさか一発で当てられるとは夢にもおもっていなかったので、ぶったおれました。いくらなんでもするどすぎです。あの、でもできたらホントに、胸の奥にそっとしまっておいてください。僕もがんばります。
ああ、おどろいた。
*
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その42につづく!
2008年4月6日日曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その41 (a)
可愛いけれど女としていささか問題のある妹にメールで、「毎日何してるの?」と聞かれました。いい年こいてこんなこと聞かれるのもどうかとおもうけど、かといって反論できる材料もとくにないので、舞い散る桜を眺めながら「元気にしてます」と微妙に核心をさけた返信でうやむやにする春です。
*
ジョンソンアンドジョンソンアンドジョンソンさんからの質問です(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)。
Q: (ムール貝博士とアンジェリカは)だれに(なにに?)似ていますか?
アンジェリカの場合:
「ということなんだけど」
「あれ、また質問?」
「そうなの」
「好きだね、そういうの」
「間が持つから助かるんだよ」
「こっちは呼ばれてめんどくさいけど」
「出向いたのはこっちだよ!」
「気分的な話をしてるの」
「だれに似てるかって」
「セッちゃんに似てるってよく言われたよ」
「セッちゃんてだれ?」
「あたしも知らない」
「だれに言われたの?」
「だれだっけな。昔よく言われたの」
「セッちゃん…」
「自分じゃよくわかんないよ。考えたことないし」
「僕のイメージだとタバスコなんだよな」
「思うのは勝手だけど、せめて人にしてよ」
「女優とかってことかな」
「女優ね…」
「すごい興味なさそう」
「ストレリチアみたいのがいい」
「ストレリチアってなに?」
「極楽鳥花だよ」
「ははあ。それも人じゃないけど…わかる気はする。オレンジだし」
「似てる?」
「似てるとおもうよ」
「わりと好きなの」
「でもイメージしづらそうだなあ」
「髪は赤くて長いよ」
「ああ、そういうかんじで説明しよう」
「裸足がすき」
「ビーチサンダルが好きなんでしょ?」
「そっか。そうでした」
「あっ」
「なに?」
「ゴールディ・ホーンに似てるよ」
「だれ?」
「女優さん」
「あ、そう」
「そこまで童顔じゃない気もするけど」
「ふーん」
「なんで怒ってるの?」
「誰かに似てるってなんかおもしろくない」
「セッちゃんは?」
「それはもう実感がうすいからモノみたいなかんじなの」
「なるほど…」
「誰かに似てるって二番煎じみたいでイヤ」
「さっきまでそんなふうじゃなかったのに」
「だんだんイライラしてきた」
「ごめんよ。これあげるから」
「コレなに?」
「サイコロキャラメル」
「もらっとく」
「駄菓子のクラシックです」
「あれ、ふたつ入ってる」
「じゃひとつおれがもらうよ」
(モグモグ)
「だれに似てるって言ってたっけ?」
「いいよ、それはもう忘れて」
「ゴ…ゴル…ゴルゴ?」
「まあそういう面もたしかにありそうだ」
「タバスコのほうがマシだわ」
「そうおもうよ」
A: ゴールディ・ホーン(あるいはタバスコ)
*
質問箱 その41 (b)、ムール貝博士編につづく!
2008年4月5日土曜日
ムール貝博士のパンドラ的質問箱 その40
けろっと忘れていましたが、4月13日のFNSR感謝祭@渋谷Flying Books、おかげさまでキャンセル待ちも含めぶじ完売したもようです。ありがとうございました!って言うとまるで終わったみたいだな。いえ、来週です。
*
菜の花のからし和えさんからの質問です(ペンネームはムール貝博士がてきとうにつけています)。せっかく春だし、今晩のおかずにしようとおもっています。
Q: 僕には宇宙という存在がどういうものなのかよくわかりません。宇宙って何なのでしょうか。いつか消えてなくなることがあるのでしょうか。また、いわゆる宇宙人はいると思いますか?
巨大な質問ですね。神のみぞ知るとはこのことです。こないだアーサー・C・クラークが亡くなったときにもちょっと考えてはみたのだけれど、あまりのスケールにまるで歯が立たず、けっきょく眠たくなって寝てしまいました。
「博士、博士!」
「おや、ひさしぶりだね」
「ごぶさたしてます」
「どうしてたの」
「博士の存在をものすごく忘れてました」
「ハゲタカに肉をついばまれてしまえ!」
「僕もさっきふと思い出してびっくりしました」
「あまりの不味さに吐き出されてしまえ」
「ええと、今日はですね」
「しかしハゲタカは気の毒だからウズラにしよう」
「質問がきてるんですよ」
「ああ、いつものな」
「宇宙って何ですか」
「YouTube?」
「いや、宇宙です」
「みたよ、PV」
「宇宙だってば。いいんですよPVは」
「宇宙…あの、星がぷかぷか浮いてるやつか」
「科学者にあるまじき言い草だ」
「ちがうの?」
「たしかにまあ、そうですけど」
「ありゃ舞台装置だよ」
「もっと科学的な話をしてくださいよ!」
「科学をなんだとおもってるんだ」
「それはこっちのセリフです」
「科学ってのはもっともらしさのことだぞ」
「その発言はたぶんレッドカードです」
「事実だからしかたない」
「めったなこと言うもんじゃないですよ」
「今までに何回教科書が訂正されてきたとおもってるんだ?」
「だからウソってわけでもないでしょう」
「丸ごと鵜呑みにするなって話さ」
「しかし舞台装置はあんまりですよ」
「だって見たことないもの。ダイゴくんあるの?」
「僕もないです」
「そうだろう?この先宇宙に飛び出す予定は?」
「飛び出すって…ないですけど、たぶん」
「ホラみろ。直接その目で見て確認できないんだとしたら、惑星とビー玉にどれだけの違いがあるっていうんだ」
「話がいちいち極端なんです」
「惑星の説明をされたほうが納得できる?」
「そりゃそうですよ」
「間近で見たわけでもないのに?」
「だって一応観測とか計算とかしてますもん」
「だれが?」
「誰って…ハッブルとか」
「ともだち?」
「とっくの昔に故人ですよ!」
「赤の他人?」
「赤の…まあそうです」
「ちなみにその計算、理解できるの?」
「できないですけど」
「何を根拠に信じこんでるのかさっぱりわからんね」
「言われてみるとそんな気もしてきました」
「もっともらしさってのはつまり、そういうことさ」
「なんか言いくるめられてる気がする」
「言いくるめてるんだよ」
「言いきった!」
「もっともらしく聞こえたろう?」
「…」
「それならこれもりっぱな科学さ」
「詭弁てご存知ですか、博士」
「知ってるとも!人類史上最も安価にして今なお最強の武器だからな」
「ひどい話だなあ」
「何を今さら」
「だってなんか釈然としないですよ」
「星がぷかぷか浮いたあの真っ暗な空間が舞台装置だとして、なにか不都合があるか?」
「とくにないです」
「舞台装置が気に入らないなら、背景でもいい」
「どっちだっていっしょですよ」
「わかったよ、じゃあこれを見てみろ」
「NASAのとこからひっぱってきた」
「みたことあります」
「アポロ11号の月面着陸だ」
「有名な1枚ですね」
「星条旗がはためいてるだろう?」
「はためいてますね」
「空気がないはずなのに?」
「あれ?」
「…」
「そういえば…」
「舞台装置にみえてきただろう?」
「いや、だってこれそんな…え?」
「…」
「ちょっと…」
「…」
「え、ホントに?」
「いや、真空でもはためきはするんだけどもね」
「なんだ、びっくりした」
「見ちゃいられん」
「ずるい!」
「実際がどうあれ、視点をゆさぶられただけでこのざまだ」
「む…」
「どうあるべきかわかったろう?」
「わかったというか、けむにまかれたというか…」
「わざわざけむにまかれに来てるのは君のほうじゃないか」
「たとえそうでも心臓にわるいです」
「気の毒なことだね」
「ということは宇宙がいつか消えてなくなるとしたら…」
「そりゃ大道具さんの撤収次第だよ」
「ってことですよね、やっぱり」
「次の舞台もあるだろうからね」
「宇宙人はどうですか?いるとおもいます?」
「いるじゃないか、目の前に」
「博士が?そうなの?たしかに人間離れしてるけど」
「いや、君もだよ」
「そういう目で見たらみんなそうですよ!」
「人間離れって、失礼なやつだな、相変わらず」
A: 舞台装置、あるいは単なる背景です。
個人的には、地球以外にも宇宙人というか、知的生命があってしかるべきだとおもいます。これだけ広いんだから地球より快適な星だってどこかにありそうなものです。だいたい地球にいる生物がぜんぶ本当に地球産かどうかだって、わかりゃしないですよ。
*
そんな菜の花のからし和えさんは、「話咲く種をまく男」を選んでくれました。悩んでくれてありがとう!
ボート 8
蝸牛 7
バミューダ 7
話咲く 7
紙屑 3
ユリイカ 3
アンジェリカ 2
腐草為蛍 2
*
dr.moule*gmail.com(*の部分を@に替えてね)
その41につづく!
2008年4月3日木曜日
2008年4月2日水曜日
訂正とおわび、切腹と逃走、&ホットケーキ
忸怩たる思いであります。
フラインスピンレコーズが自信をもって送り出すSUIKAの新しいアルバム、「カッコいい」のリリース告知と、それにともなって5月に行われる「SUIKA夜話」というイベントの詳細を記したフライヤーを、現在あちこちで配布させてもらっているのですが
こんなのです
ここに、あってはならない間違いが記載されていることが、匿名の内部告発によって明らかになりました。発覚した日付が4月1日だったため、エイプリルフールではないかとの声も上がりましたが、仮にそうだとすれば取り返しがつかないぶんますますゆるしがたいとの常識的判断から、公表にふみきった模様です。
調べによると間違いが発覚したのはチケットの金額部分で
現状では
(誤)こう記載されていますが、正しくは
(正)こうです。
もう少しわかりやすい書きかたをするなら、
前売りがドリンク付きで3,000円、当日がドリンク付きで3,500円
というのがおそらくいちばん誤解の少ない表記だとおもいます。
チケットは4/10から「月見ル君想フ」店頭にて、また 4/13からは同ライブハウスHPでも発売開始になりますので、お求めの際はご了承下さい。
500円値上がりしたみたいに感じられて本当に心苦しいかぎりなのですけれど、必ずやそれに見合った素晴らしいライブパフォーマンスをお見せできるよう、関係者一同より一層の気合いをもって取り組んで参りますので(僕以外)、なにとぞご理解のほどよろしくおねがいします。
ほんとにごめんなさい!
かくなる上はここで腹かっさばいて皆さまの許しを乞う他あるまいと
あっ逃げた
何をぐずぐずしてる、追え!追うんだ!
多少ならぶん殴ってもかまわん、ぜったいに逃がすな!
黒いメガネと無精髭が目印だ!
焼きたてのパンケーキでおびき寄せろ!
バターとメイプルシロップもおわすれなく!
コーヒーのサイズはグランデでおねがいします!
2008年4月1日火曜日
朝起きたらいままでの人生がぜんぶ夢でした。
という途方もないウソを考えついたのだけれど、このウソが通用する相手もまた夢の中の人物だけということに気づき、となるとそれはけっきょく夢からさめていないことになり、夢からさめていないのであればそもそもウソにさえならないわけで、待てよ、ウソとして通じないとするとやっぱりこれは本当なのであり、本当というのはつまり「起きたらぜんぶ夢だった」という最初の命題をさしているのだから
というふしぎなスパイラルに陥ったのであきらめました。へんだな。また来年考えよう。
エイプリルフールの成功例
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価値ある浪費がコンセプトの瀟洒なウェブマガジン、"VAGANCE" のASCOLTOというコンテンツに、レコードのことを書きました。いろんなジャケットを並べた写真がすてきなので見てみてね。ソウルミュージックについてちょこっとふれているくせに、トップの画像がAhmad Jamalなので、さりげなーくヒップホップの香りが漂っている気がします。
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