2016年3月12日土曜日

これでまずひと区切りとスピンオフの話をすこし


まるでいっぱしのミュージシャンででもあるかのような、まったくもってらしからぬふるまいで近所の猫もニャーと鳴くほど圧倒的な反響(当社比)を巻き起こしたこの一ヶ月でしたけれども、実際のところやろうとおもえばできないこともなさそうだし、やってもバチは当たらないだろうくらいのことであって、何かあるのかといえばとくに何もないのです。

途中から降って湧いたような安田タイル工業についてはもともと本当に予定していなかったので、どちらかというと僕がいちばん驚いています。タイルをさもタイルっぽくタイルして憚らないことだけが身上の会社なのに、これじゃまるっきり音楽ユニットじゃないか?ここはひとつ声を大にして鈴木雅之よろしく「違う、そうじゃない」と申さねばなりますまい。



しかしまあ、誰もいないところで何にもならないようなことをしてワーと騒ぐだけ騒いでとぼとぼ帰るばかりが能ではないことを図らずも示すことができたし、これはこれでよかったのかもしれません。言ってみれば忘年会の余興で部長がめちゃ上手いラップをしてみんなが「えー!」みたいなことです。部長っていうか専務ですけど。

安田タイル工業のテーマは、主任がある日ふと思いついて書いた4行の詩が元になっています。

世界をこれで、埋め尽くしたい
貼って貼られて贈り物にタイル
これ以上ないくらいバカでかい
夢を見ていたい、枕元にタイル

書いたのはもう、数年も前のことです。そのときは「思いついて書いた!」「夢があるねえ」でひとしきり盛り上がり、そのままとくにどうということもなく終わりました。詩を書いたからといってテーマソングにしようとは思いもよらない、端的に言ってそれが安田タイル工業です。何かを成そうとすれば、成さないとわかった時点で意義も消えてしまいます。だからこそこの会社は今も存続しているのだと言うこともできましょう。先月だったか先々月だったか、何かの拍子にこの詩がぽろりと出てこなかったらこうはなっていなかったはずだし、このタイミングというかちょっとした巡り合わせにはしみじみ感じ入るものがあります。

さて、このあとは、と言ってももうすこし先ですが、2つほどKBDGスピンオフがお目見えする予定です。

以前にもすこしふれましたが改めてさわりだけお伝えすると、タケウチカズタケによる小数点リミックスがさらにスピンして、まったく別の曲に様変わりしています。あのすばらしいソウルシンガーが「♪dr.moule〜」と気持ちよさそうに歌っておられるのを耳にしたときは光栄すぎて気を失いかけました。別の曲といっても歌詞は僕がダイヤモンド鉱リップマン大災害を元に書き下ろしたものなので、「小数点~」をお持ちの方なら楽しんでもらえること請け合いです。よくよく考えると、何だこの企画は。

そしてもうひとつは、例の「水茎と徒花/black and white」です。すでにオリジナルとタカツキによる別バージョン「徒花と水茎/white and black」の2つが公開されていますが、「手紙をアレしてしまった側の視点」でもうひとつお聴かせできそうな話が進んでいます。隠し立てせずとも察しがつきそうな気はしますけれども、今はこれくらいでお茶を濁しておきましょう。

ではみなさま、よい終末を!ちがった、でもいいや。よい終末を!

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