ミス・スパンコールが店であるものを手に持って「これ買う」とやぶからぼうに言い出すのです。その意気やよし、と理解を示しつつ「しかし落ち着いて検討してからでも遅くはないのではないか」とダメもとでおそるおそる引き止めてはみたものの、考えてみればそれでミス・スパンコールを説得できたことなどこれまでにただの一度もありません。このへんの迷いのなさはじつに男らしい。
そうして彼女が満面の笑みで颯爽と手に入れたのは
いまは参議院議員をされている三原じゅん子先生が35年前にリリースしたデビューアルバム「セクシー・ナイト」です。
活字のずれが気になる
1980年といえば僕はまだ幼稚園児ですが、70'sも終わりの革ジャンでやさぐれっぽいビジュアルとくればここで展開されているサウンドはなんとなく想像がつきます。そして実際、寸分違わずそのとおりだった楽曲の数々を久しぶりに引っぱり出したラジカセで聴きながら、読むともなく見ていた歌詞で、ふとある箇所に目を留めるわたくし。
「ナオン」だ!
説明せねばなりますまい。「ナオン」とはつまり「オンナ」であり、なぜこの形が先端とされていたのか今ではさっぱりわからない70's特有の言い回しのひとつです。どことなくウェットで挑発的なある種のスラングですが、僕が物心つくころにはとっくに死語と化していて実際に耳にしたことはありません。かつてそう称された時代があるらしい、とほとんど都市伝説みたいな印象だったので、思いがけない収穫に感慨もひとしおです。この単語ひとつで300円の価値はあった気がする。
とおもったら、これ今では蔑称として放送禁止用語になっているそうです。
( ゚Д゚)
そうなの!?
というかそもそもそういうニュアンスだとすらおもってなかった。蔑称とかそれ以前のすごくシンプルな理由で二度と使われる日はこない気がしますけど……。
表記もアレだし、コーラスっぽいし、電波ではぎりぎり流せるんだろうか……。
おまけ:ミス・スパンコールがこのテープといっしょに買ったLP
「Rudy Ray Mooreってコメディアンだからこれ喋ってるだけだよ」
「いいの!ジャケ買い!ジャケ買い!」
0 件のコメント:
コメントを投稿