2015年9月25日金曜日

TBSの地下駐車場に戻れなくなる話


特番のナレーションをとお声がけいただいたので、去年のタマフルからおよそ1年ぶりに赤坂のTBSラジオを訪ねたのです。

ブースに入り、ディレクターさんの指示を受けつつ、「いいよいいよー」「きもち上目遣いで!」「グッとくるねー」「肩の力抜いてー」「はいそこでため息!」「はふん」「マーベラス!」(※)とまるでじぶんがグラビアモデルになったかのような錯覚をおぼえながらたのしくもあっという間に収録を終えたのですが

※若干誇張されています。

その帰り、原付を停めた地下駐車場までエレベーターで向かう途中ふと、「いちおう用を足してから行くか」とおもって1Fで降り、お借りした来訪者用のICパスを使ってピッと正面ゲートを通り抜けたのです。ゲートのそばにはパスを受け取る警備員さんが待機しています。パスをお渡ししてから、「あの、お手洗いをお借りしたいんですけど、そのあと地下駐車場へはどこから降りたらいいですか?」と警備員さんに尋ねたところ

「こちらから……ではムリですね」
「あれっ!」
「お手数ですが受付で申請いただいて……」
「ガーン」
「あ、お手洗いはあちらです

し く じ っ た !

そこまで切羽詰まっていたわけでもない、というかじつはスタジオを訪ねた早々に済ませたばかりだったので、こんなことなら別にトイレなんか寄らなくてもよかったと悔やんでも後の祭りです。今さらトイレをキャンセルしたところでどのみち地下には行けません。そんならまあ、もう出る気しないけど行っとくか……と名状しがたい心持ちでとぼとぼと向かい、戻ってから受付にあらためて事情を説明します。

「じつはかくかくしかじかで……」
「はい、お名前を伺ってもよろしいですか」
「こばやしです」
「番組名はおわかりになりますでしょうか」
「えーと……たしか音フェチ女子会……」
「おとふぇちじょしかい……ですね……」

そう言って受付の人はこの日予定されている来訪者リストらしきノートをぺらぺらと繰り始めます。ところがしばらく探してみてもそれらしき記載は見当たりません。考えてみれば僕は地下から入ったので、1Fの名簿に名前がないのも道理です。ここにきてじぶんがどちらかというと不審な人物であることに気づき、「あの、特番です」「スタジオは9Fで……」「あ、ラジオです。ラジオのほう!」と必死に潔白をアピールし始めるわたくし。そしてとうとう、受付の人がおもむろに電話をかけ始めます。何かマズいことをやらかして学校に通報される生徒のようなばつの悪さです。

そわそわしながら立ち尽くしていると、地下駐車場に確認をとってくださったらしく受付の人が受話器を置きながら「今、地下からお迎えに上がりますので……」と仰います。面目ないやら情けないやらで1/3くらいにちぢこまり待つこと数分、新たに現れた警備員さんに連れられて再度ゲートをしょんぼり通り抜ける様子といったら、さながら連行のうえ収監される囚人のごとしです。お手数をおかけしてしまったみなさまにはとにかく平謝りで、どうにかこうにか駐車場にたどり着くことができました。なんかもうホント、いろいろすみません。まさか1Fから地下におりるのに10分以上かかることになるとは……。

【今日の教訓】そうちょいちょいトイレに行くものではない。


9月27日(日)23:00~23:55
TBSラジオ ラジオワールド特番「『音フェチ』女子会」

ちかごろ巷でひそひそと話題の「ASMR」。このASMRをテーマに、音フェチな淑女たちが真夜中の「音のガールズトーク」を繰り広げます。どうか愛用のヘッドフォンをお忘れなく!

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